第30話 仲間が増えた?!
「待て待て! ちょっと待って! 君達、もう自由なんだからボク達について来る必要は無いのだよ……」
予想外過ぎる答えで、動揺が声の震えで出ている。
「そうにゃ 君達はお家に帰るのにゃ!」
シャロミーも同意見の様子だ。
「おいら達はもう……帰る家が無いんです……そんな事言わないで……」
モッキンバード達が、すすり泣き始めた。ありゃん! もしかして地雷踏んじゃった?!
シャロミーが耳を伏せてションボリしている。多分、今の発言の後悔をしてるのかな……?
と、そこへリリアーナが馬車から降りてきた。
「カサード様、何をしているのです? あら? この方達はどうなされたのですか?」
リリアーナが待ちくたびれてこっちに来たのだろう。。
「あぁ リリアーナか、座りすぎてお尻が痛くなったか?」
こっちに来たリリアーナを少し茶化してみる。
「んもぅ……カサード様が激しいからですよぅ」
とモジモジとする。
「……?!」
その返しにボクは絶句。
なんてこった! こんな返しで来たかと驚く。
「バーカ 何を言ってるんだリリアーナ、ボクはキミ何もしてないぞ?」
周りの視線が刺さるのを感じ、ボクは無実を訴える。
「リリアーナちゃん、カサード様は私と居たから、変な事出来る訳が無いにゃ」
う~ん、ボクの茶化しで脱線したようだ。話を戻すことにする。
「リリアーナ この者達は帰る家が無いそうだ。その事でどうしようか話をしていた所だ」
ボクはリリアーナにも、何か考えが無いかを振ってみる。
「そうだったのですか、う~ん……では、カサード様がこの方達のお家を、お世話してあげればどうでしょう?」
とリリアーナはニッコリと微笑んで提案してきた。
んま! ボクが住む所を宛がえと?! まぁ、出来ない事は無いのだが……と懐に入れてある証書に、そっと触れ。若干悩む。
「まぁ いいや! 君達はボクに着いて来ると言う事だが、サルベーヌ共和国まででいいのかな?」
厄介な事は共和国に置いて行こうと思ったカサード。
「いいえ どこまでも着いて行きます! 頼りにならないけれど……」
う~ん? そうかー じゃあこの子達を立派に成長させよう。そうしよう!
「よし! 凄腕のアーチャーやウィザードになるまで面倒見てやる」
ボクは鼻息荒く言い放つ。
「「「はい! カサード様! 宜しくお願いします!」」」
三人揃ってボク達に頭を下げる。うん 実に気持ちの良い子達だ。
気を良くしたボクは、意気揚々と三人が乗ってきた馬車と、自分たちが乗ってきた馬車と合流し、サルベール共和国へ行くことにした。
道中、モッキンバード達は、ボクの馬車に同乗している。
そのモッキンバード達があのパワハラ男の名はサムスンと言うのだそうだが。
ソイツの悪行を長々と話してくれるが、聞いているうちに、こっちまで体が痛くなってきたので、もう止めてくれと土下座して頼み込む程に壮絶な話だった。
そうこうしている内に、サルベーヌ共和国に到着する。




