第24話 某有名人似エルフとの遭遇(後編?)
「そんな短気じゃモテるかよ! ここじゃ駄目だ! 表へ出ろ! ぶちのめしてやる!」
変にテンパって、喧嘩を買ってしまったカサード。
その数秒後、激しく後悔した。
(アッーーー! やっちまった! 勢いとは言え、要らない物を買っちゃった! さてどうしよう……とりあえず、かしわ出汁スープを飲んで落ち着こう)
起き上がって、椅子を元に戻し、座ってかしわ出汁スープを啜り、「ふぅ」と一息つく。
「おいガキ! 何も無かった様に無視してんじゃねーよ!」
チンピラBに後頭部をゴッ!と殴られ、持っていたお椀の中身を、再び顔面に浴びる事に……。
(へぶっ……やはり現実逃避は出来ないか……仕方ない……ボクも外に出るか)
席を立ち、後頭部を小突かれながら外に出ようとするが。
(あっ 食い逃げになるから出る前にお会計を……はぁ……喧嘩なんてしたくねーなー)
お金を払おうと立ち止まり、所持金が入っている腰の袋をまさぐ――
「何やってやがる! 早く出やがれ!」
チンピラAに横っ腹を勢いよく蹴られた
「ヴぇっ?!」
不意に蹴られたので、肺から空気が出て変な声が出る。
そして横っ飛びした様に、外へ吹っ飛ばされ、地面にズザーッと着地。
う~ん……横腹と地面に擦った所が痛い。
今の内にモードを変えておこうと思い、ボソリと呟く。
「5秒で支度しな……」
宿屋外の広場で、髭モジャチンピラ[以後チンピラと省略]2名とカサードが、お互い少し距離を置き対峙している。
(髭モジャチンピラ2名を相手に、どう立ち回ろうか?)
と少し考えるが、相手は同時に襲いかかって来る、考えてる暇は無かった。
ボクは直ぐ様、見よう見まねの八卦掌の構えで対応する。
チンピラAとBは10時方向と2時方向からの2方向から攻撃を繰り出してくるが、ボクは円の動きでスッと右側に移動して躱す。
チンピラAとBは目の前からボクが消えたと思い困惑している隙に、チンピラAのがら空きになった横っ腹に対し、真っ直ぐ掌底打ちを繰り出す。
「ぐはぁ?!」
その場にチンピラAが脇腹を押さえて、崩れ落ちる、あと一人だ。
「この野郎! よくも相棒を! もう許さねぇ! 死にやがれ!」
そう言って、残ったチンピラBが腰に下げていたショートソードをスラリと抜き、威嚇してくる。
(こりゃぁマズイな……下手したら致命傷だぞ)
あっ! そう言えばエアリアルはどこに行った?
とキョロキョロする。
「ここ、ここにいるよー」とエアリアル
頭の上からエアリアルの声が聞こえた、ほんとにボクの頭の上が気に入ってるようだ。
「なぁ、キミは何か補助魔法かける事出来る?」とカサードが小さく囁く。
「あぁ それだったらもうかけてあるよ?」とエアリアル
そうなのか? そう言えば体が軽いな……。
「何ぶつくさ言ってやがる?! オルァ! 死ねぇ!」
チンピラBが大振り袈裟斬り攻撃を仕掛けてきた。
(ヤバイ!思ったよりも太刀筋が鋭い! 斬られる!)
もう駄目だと思い、グッと目を瞑る……。
数秒後、いつまでも痛みが来ないので、そっと目を開けてみる。
すると、とんでもない光景が目に飛び込んでくる。
斬りかかってくるチンピラBがいない代わりに、一本の竜巻があった。
上を見ると、チンピラBがお空の散歩……もとい、竜巻に巻き上げられ、何処かへ飛ばされる光景があった。
「カサードくん 私の魔法、間に合ってよかったよ~」
とトラブルの元?になったヘゥレルさんが駆け寄ってきた。
どうやら風魔法で助けてくれた様だ。
「いやぁ~ 助けてくれてありがとう。 あの剣撃は結構やばかったからな~」
ボクはヘゥレルに感謝した。
(ヘゥレルさんは、もう命の恩人的な人物になっちゃったな~、頭が上がりそうないかも?)
と心の中で思う。
すると喧嘩を見るために集まっていた野次馬の中からヘゥレルさんを呼ぶ声が聞こえた。
「あっ 今行く~! じゃあ、カサードくんまたねー! お食事美味しかったよ! ありがと~!」
とヘゥレルはボクに手を振り、去っていった。
何ともお騒がせなエルフだったなぁ……とカサードは思いながら、食堂へ入り、ボクとヘゥレルの2人分の食事代を払って出る。
カサードはフードを整えて、再び街の散策に出るのだった……。
(あっ ローブがシミになってた! まぁいいか……どこかで買い換えるしかないな)
思ってたより戦闘描写を描くのに時間かかった……(´;ω;`)クスンクスン
海鼠腸の苦手分野が一つ判明した!\テッテレー!/




