127話 初狩り仕事成功の打ち上げ
翌朝、ボク達のパーティーは、村人総出で盛大にお見送りをしてくれた。
そして、1日程かけてエタンダール城下町に戻って来て、カサードが入場しようとすると止められ、パーティーの仲間達が困惑する中、門番の休憩所に引っ張り込まれてしまった。
「な……なにごと?!」
休憩室に連れ込まれ、先にシャロミーが居たので、カサードは何となく連れてこられた事を察した。
「冒険者ギルドでFランクの仕事探してたら、成り行きで土竜討伐にボクも参加して行ってきました! ご……ごめんなさい!」
叱られる前に謝ってしまえ作戦発動。
すると、シャロミーは少しポカンとしていたが、少しの説明で理由を察してくれたようで。
「全くもう、あまり心配させないでくださいにゃ。カサード様はもう大人なんですから、何も言わず居なくならないようにお願いしますにゃ」
と釘を刺された。
「はい、極力シャロミーに報告します……ってか、シャロミーも本当は一緒に行きたかっただけでは……?」
「そ……そんな事は無いですにゃ!」
シャロミーは両手をブンブン上下させて否定した。
しかし、尻尾は正直で、まっすぐ上に向いて先っぽがゆらゆら揺れていた、これうれしい時の反応だ。
「分かったよよよ」
カサードは、心の中でニヤけながら対応する。
シャロミーに、細かな成り行きを説明すると。
「ふ~ん、そんなことがあったのにゃ……カサード様、お疲れ様でございます」
「あっ、いえいえどうも……」
シャロミーに頭を下げられて、思わず頭を下げ返すカサード。
「あっ、そういえば一緒に冒険してきた仲間に、シャロミーを紹介したいから来て」
「えっ? ……よいですにゃ……?」
カサードとシャロミーは、門番の休憩所から出てくると、パーティーの仲間達が城門の近くの石垣に寄りかかったり、地べたに座ったりしていた。
「おっ! カサード! どうしたってんだよ? おまえ、実はお尋ね者だったってんじゃねーだろーな?」
「そんな訳な――」
「無礼者! カサード様はこの国の皇太子なのだぞ! 口を慎め!」
シャロミーが抜いた剣を凄い形相で、お尋ね者発言をしたヴィヴァレオの喉元に突きつけた。
「ちょ……え? カサードって、本当にこの国の王子って事か?!」
「あちゃー……」
今まで、ボクが皇太子殿下だという事を黙っていたのに、シャロミーがばらしてしまった。
ボクは頭を片手をそえて、ため息を一つつく。
「ちょっとシャロミー、そんなにキツイ言い方しなくてもいいのに……。ボクは固っ苦しいその言い方は余り良い気がしないから止めて欲しいんだけど」
「っ……ごめんなさいですニャ!」
カサードは、シャロミーに少しジト目で見ながら注意すると、シャロミーはヴィヴィレオに突きつけていた剣を鞘に戻し、シュンとしながらサードに謝る。
「そして、バーブドワイヤーさん、エルジャロルディネロさん、ヴィヴァレオさん、サラトガさん、ボクが皇太子だと言う事を、今まで黙っていた事、すまないと思っている。でも、昨日までと同じような対応してくれても構わない。だから……これからも宜しく頼む!」
そしてカサードは、パーティーの仲間達の方を向いて、今まで地位の事を黙っていた事への非礼を侘び、ペコリと頭を下げる。
すると、リーダーであるハープドワイヤーさんが、カサードの肩を軽く2回叩きながら。
「おう、気にすんな! 俺達は仲間だろ? 皇太子と聞いて皆驚いてるよ。此方こそ宜しくな」
そう言った後、ハープドワイヤーはカサードの肩を持って真っ直ぐ立たせてから、ニカッと笑ってくれた。
「あ……ありがとうございます。実は、ボクが経営してる食堂で何か食べますか?」
その後、ハープドワイヤー達とシャロミーを引き連れて、自分が経営している店『猫又』に向かって行った。




