日曜お寝坊
なんの予定もない休日も、たまには早起きしようと思います。
「もう一度やってみたい」
ミサトは夢の声で目を覚ました。大学生だが特に誰との予定もないミサトは、日曜日はお昼頃まで寝るのが習慣だった。気だるさを感じつつ枕元の時計に目をやると、時刻は日曜の午前10時。ミサトは少し早く起きすぎたかと思いつつ、何となく二度寝をする気も起きなかったのでゆっくりとベッドからおりた。
「もう一度……なんだっけ」
お湯を沸かし、マグカップにインスタントコーヒーと角砂糖をいれながらミサトは呟く。本来はこんな時間に起きることもないのに、何故だか夢で聞いた言葉が頭に響いて目が覚めてしまった。沸騰したお湯をコポコポとマグカップに注ぐ。容器を満たす熱が蒸気となって肌に当たる。
「もう一度……やってみる?」
マグカップからいれたてのコーヒーをすすりミサトは考える。やりたいことの兆しが見えずに、自分はほんの少し腐っていた。それでも何かがしたい。そんなことを大学生にもなって、カーテンの隙間から光が注ぐ日曜の10時に考えるのは遅すぎだろうか。
「……今度からはもうちょっと早く起きようかな」
ミサトは、胸の辺りがコーヒーの温かさで満たされていくような気がして微笑んだ。




