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手のひら
私の手を握る、大きな手。
私がシュウさんを見上げると、シュウさんはその片口をあげる。
『ちっちゃいなぁ。』
シュウさんはそう言うと、繋いでいた手を離し、私の手首を持って自分の手の平に重ねた。
シュウさんの指の、丁度第二関節までしか届かない、私の指にシュウさんはぷっと吹き出す。
そこまで笑わなくてもいいのに、と私はむくれるけれど、再び繋がれた大きな手に、たちまち機嫌を直してしまう。
くすくす。シュウさんの笑い声が聞こえた。
私が見上げると、シュウさんは横目に、にやりと笑って言った。
『幸せそうで、何よりですね。』
時々シュウさんは、私をからかう為なのか、こうして敬語で話しかける。
くすくすと、シュウさんが笑う。私にはそんなシュウさんこそが、幸せそうに見えたのだ。




