No.14 小さな鬼と博麗の宴
はい、作者です。すみません。休日は家の雑多で、どうしても更新できそうにありませんでした。
まあ、続きと言う事で、14話お楽しみください。
…夢を見ているのだろうか?…俺は暗い場所に居て、遠くで祭りの様な賑やかな笑い声や音楽が聞こえる…
でも、何の祭りだろうか?うっすらと遠くに明かりが灯り、そこに引き摺られる様にして目を覚ませば、どうやら和室の様な場所で、横にされている様だった。
「あれ?まだ音楽が聞こえる…」
ぽつりと声を出せば、少女の声が静かな室内に響き、あぁ、俺は私になったんだ…なんて考えてしまった。
「おや?目を覚ましたようだねぇ」
別の少女の声が聞こえそちらに顔を向けると、茶髪の長い髪に赤いリボンを付けた少女が見えた。
「…女の子の頭に角が見える…」
そう、一番目に付くのは少女の頭に付いた2本の大きな角だった。
「そりゃそうさ。私は鬼だからねぇ~」
そう言いつつ大きなお皿の様なものを呷る少女の周囲には、お酒のビンが数本転がっていた。
「くはぁ~、やっぱり…宴の酒が一番だねぇ。どうだい?あんたも飲んでみるかい?」
飲もうかなと思った所で、自分の体を見下ろし、横に首を振った。
「そうかい?それじゃあ、こっちを飲みなよ。ふふ…水だから安心しな、喉渇いてるだろう?」
そう言われ、小さな湯飲みを渡されて、匂いを嗅いだ所でそう言われゆっくりと飲んだ。
「それで…宴会の話題になってたんだが、あんたが司で良いんだよね?」
「あっ、はい。…私が…司です」
「あはは、私は、伊吹萃香見ての通りの鬼さ」
「よろしくおねがいします」
私が、ペコリとお辞儀をすると、萃香はキョトンと言うような表情を浮かべ、次にはお腹を抱え大笑いしだした。
「あはははははははは、この…鬼の私に…くふふっ、よろしくって…くははははっ」
笑いすぎて涙目の萃香にぽけっと見つめる私は、萃香が目を拭った所で首を傾げた。
「いやいや、すまなかったねぇ。よろしく頼むよ。司」
部屋の外で未だに続く音楽と笑い声に視線を向けると伊吹が説明しだした。
「ここではね。たまに神や妖怪、人間達が集まって宴会を開くのさ。殆ど霊夢と戦って仲良くなった奴らだけどね」
そんな会話をしていると、閉められていた襖が開かれ、賑やかな喧騒が部屋の中にまで響いてきた。
「おっ、司!起きたのか?悪かったなぁ…落としちゃって…」
「司!良かった…目を覚まさなかったらどうしようかと…魔理沙はもう少し反省しなさいよ」
「だから、こうやって謝ってるじゃないか、って…アリスちょっと酒呑みすぎだぜ?」
「私…私、本当に心配したんだからぁ!」
「わ、悪かったって…」
「おやおや~あなたが噂の司さんですか?」
「え?え?……あ、はい」
魔理沙とアリスの問答をしている時に、黒髪セミロングに黒い羽を生やした少女が、部屋に入り込んできた。
「始めまして!私、清く正しい射命丸文と申します。主に幻想郷のブン屋を営んでおりまして、今回、噂に上がった司さんの事でちょっと取材させて頂けないでしょうか?良いですよね?ね?ね?」
「しゅ、取材?え?あっ、ちょ、ちょっと…その…困ります」
「まあ、そう言わず。もちろんただとは言いません。あなたには特別に、あの子をモフモフする権利を与えましょう」
そう言いつつ、文の指した方を見ると、色んな人の中に、美味しそうに食事を食べている。白い髪の耳と尻尾が生えた女の子が居た。
「彼女は、私の助手で、犬走椛と言います」
椛と呼ばれた少女は楽しそうにゆらゆらと尻尾を揺らし、それに目を奪われるように私は尻尾を見た。
そう、私は、生前から犬とか猫とか動物が大好きなのだ。
「はい、喜んで!」
つい承諾してしまったのは、しょうがないと思う。モフモフに抗える人なんて人じゃない!
「では快諾していただいたと言う事で、…こうなった経緯について一先ず説明を…」
どうやら私は、この宴会場で自己紹介兼この状況の説明をさせられるようです。
うー、うー、キャラ多くなるとめちゃくちゃ大変ってレベルじゃない気がしてきた。
「もふもふ…」
「ふやぁ!!な、なんなんですか!?やめてください!!ひゃん!あ、文さん!!助けて!」
「ごめんね。椛、取材のためなのよ。大人しくやらせてあげなさいな」
「っ!!?文さんが原因なんですね!!あっ!だめぇ!そ、そこは!!」
パシャパシャ!!
「…っ!?やめて!!撮らないで!!ふぁぁ!!…ふにゅ…」
パシャ!
「ふふっ、良い物が撮れましたね。これなら明日の記事も…ふふふ」