表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/21

第7話


ぐぅ~。


僕のお腹が空腹を訴えてきている。


そういえば、起きてから何も口に入れてないや。少し恥ずかしかった。


「クス……。もう夕食は出来てると思いますから行きましょう」


少しルーミアは笑った。僕を食事に招待してくれる様だ。


「わざわざありがとう、感謝します。」


空腹感から、僕は猛烈の飢餓状態にあったので、その申しでには涙が出るほど感謝した。


「いえいえ、恩人を感謝の気持ちで持て成すことはあっても、無償で返すなんて事はしませんよ」


そうルーミアが言うと、僕の手を握ってきた。


「~~~~ッ!!」


あまりの女の子の手の暖かさと柔らかさに度肝を抜かれた。


(耐えろ耐えろ耐えろ耐えろ耐えろ耐えろ耐えろ耐えろ耐えろ耐えろ耐えろ耐えろ)


なんつうか、某シ○ジ君の逃げちゃ駄目だの別バージョン?


まぁ、さすがに恩人の目の前で吐血とか、失礼にもほどがあるだろう。


僕は必死に身体から競り上がるなにかを必死に押さえ込んだ。


「ありがと、行こっか!」


頭のネジが緩んで、何故かナイススマイルになってしまった。


「///////」

顔を見るとルーミアの顔が赤かった。


ふと自分の手を見ると、ついついルーミアの手を強く握り返していたようだ。


「ごめん!痛かった……?」


ルーミアから手を僕は離して、聞いた。


「あ……」


ルーミアは名残惜しそうな顔であった。


「いや、そんな名残惜しそうな顔しないで」


「///////」


そう僕が言うと、ルーミアはまた赤くなった。


……血行良いね……。


そのルーミアの様子を見て、実に阿保な考えをした。


「いえ、別にタチバナ様の手が温かくて落ち着くとか、名残惜しいとかそんなこと考えてませんから!!」


それは意味の無い弁明だよ……ルーミア。


ぐぅ~。


本日二度目の空腹音。


「……とりあえず何か食べよう。空腹感がやばい……話はそれからだ」


「……そうですね……行きましょうか」


廊下に出るとすぐ近くにメイヤさんが居た。


僕とメイヤさんの目が合った。それに対し何故が満面の笑みをして即座に退散していった。


……何がしたいんだあの人……。


「タチバナ様?」


少しメイヤさんの奇怪の行動に呆然としてしまったので、ルーミアに心配された様だ。


「ねぇ、ルーミア。此処のメイドは顔を合わせると、笑顔で退散していく奇怪な行動とるの?」


「え……?」


ルーミアは意味がよく理解出来てないのか、フリーズしてしまった。


「あ、ごめん。さっかのことは気にしないで。ちょっと聞いてみたかっただけだから」


さすがにこのままフリーズして、立ち止まっているのは迷惑だと判断、すぐさまルーミアの再起動に移った。


「すみません。主である私がメイドの行動を把握していないなんて……」


僕の言葉に少し落ち込んだ様で表情が暗い。


ポン……。


何故か無意識に手がルーミアの頭に移動。そして撫でた。


何故……動いた……。


「///////」


ルーミアは赤くなってるし、ついでに湯気が出てるよ……。

……どうしよう……。


『優しく抱けば良いと思うよ』


突然頭に、夢に出て来たアホがそう僕に囁いたかの様な錯覚に捕われた。


どこまで邪魔をする。アホの親友めが……。


内心毒づいた。


しかし、そんなことを知らないルーミア。何故か知らないが、目を細めて気持ち良くしている。


僕の手からは、マイナスイオンか何かが出てるのか?


ふと、そんなふうに疑問に思った。


だってね……、僕は前の世界の時モテなかったし、顔も良くなかったと自覚していた。そんな僕がこの世界でモテるとは考えられない。


まったく、誰だろうね。こんな風に世界を『仕組む』なんて……。


そうだ、僕にこの娘が好意を持つはずはない。

だってねぇ……





『……僕は孤独しかないから……』





そう思うと、突然バニクッていた思考が落ち着き始めてきた。



『思考変換』


これは、僕が捉える常識を別に捉える。僕専用の技法である。うますぎる話をマイナス思考で変換、のち再構築。


別名『現実逃避』とも言える。


プラス思考ではなく、マイナス思考だが……。


まぁ、言えることがあるとすれば、現実を受け入れられないただ精神の弱い餓鬼ってことかな……僕は……。


だから逃げる。現実から。


うますぎる話なんて有りはしない。


だって世界はこんなに『歪びつ』だから……。





とりあえずお腹減った。


別に腹ぺこ王子とかでは決してない!


それよりも、ルーミアを元に戻して、食堂に行かなければ!


さっきと違って、身体(精神的にだが)が軽くなってきた気がする。


今なら吐血もしないだろ。


意を決してルーミアの頭から手を離し、手を繋いだ。


「あ…………」


頭から手を離した時は名残惜しそうにしていたが、すぐさま手を握ると、とても嬉しそうな笑みをして擦り寄って来た。


ルーミアの手は柔らかく、マッシュルームみたいにぷよぷよ、握れば感じるルーミアの手は弾力性もあり、とても温かい。

今まさに、人の温もりを心地良く感じている。


本当久しぶりだ……。……人の手に触れるのは……。


「じゃ、行こっか!」


食堂にレッツゴー!


「……はい//」


もじもじしながらも、赤い顔で返事をした。




コメント

食堂行くまでが長すぎる!主人公よく餓死しなかったなと感心した。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ