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第20話



回れ回れ俺達♪




………………。






……なにがしたいんだろ僕。


今、喫茶店的な憩いな場所でモンスター図鑑を開いてちょっと中身を確認していた。


なんといいますか……待ちきれかなかったとです。


家に帰る前に、買った物を電車の中とかで見たり、待ち時間とかよく見るでしょ?(※決して暇潰しじゃありません)


あれと同じでいち早く確認したかったのだ。


「さてさて、この世界にはどんなモンスターが居るか楽しみだな……」


中を開くと、まず目に入ってきたのはスライムだった。


あぁ~やっぱり、ドラ○エみたいな可愛いスライムなんていないんだなぁと改めて思った。


これに載っているスライムは、僕が造りだしたスライムとやはり酷似していた。


『スライム』


危険度 ☆


弱点 火


生息地 どこにでも居る。


剥ぎ取り部分 無い。あえていうならゲル?(※使い道無し)


特性 火に極端に弱く、松明の火で倒せる。

物理攻撃には多少ながら強い。

繁殖能力はモンスターの中1番であるが、その代わり知的行動をしない。

スライムは動いている物ならなんでも食べる。

足は遅いので、余程状況が悪くなければ走って逃げられる。



……と見出しは中々であった。


次。


『ゴブリン』


危険度 ☆


弱点 頭部


生息地 平原や山脈と色々な場所に生息。


剥ぎ取り部分 頭部に生えている角。


特性 集団行動が多く、物理抵抗もなければ魔法抵抗もない。

知的行動はしなく、攻撃は単純なので一体一体相手にすれば勝てる。

武器はこん棒などを持っているが、これは大した殺傷能力をもたない。

洞窟などに巣を張る。


ちょっと飛ばして次。


『オーク』


危険度 ☆☆☆


弱点 動きが遅い。


発生場所 人が居る場所なら基本どこでもいる。


剥ぎ取り部分 目玉、爪、牙などなど。


特性 集団行動が多い。

物理抵抗も魔法抵抗もあり、中々倒しずらい。

矢では通らないその皮膚は中級魔法でもないかぎり通さない。

繁殖行動以外に知的行動は起こさず、罠に落とし穴掘って、中に落とし、火を焼べれば倒せる。

力は強く、攻撃の一撃を受ければまず死ねる。

オークに雌は確認できず、オークらは、どうやら異族との交尾で種を増やしているとの報告。


(嫌な予感するんだけど……)


オークの特性の異族交尾は人も入っているのではと心配になってきたのだ。


(後で確認にでも行くかな……)


『グール』


危険度 ☆☆☆


弱点 火、光、足元、聖水。


生息地 死骸の多いい場所。


剥ぎ取り部分 死者を敬え。


特性 集団行動が多い?(発生する環境にもよるので不特定)

物理抵抗も魔法抵抗は不明。たが火や光は必ず弱点に当て嵌まる。(聖水は一部効かないものもいる)

グールは基本的に足が遅く、第三欲求の『食』に忠実になる。グールの攻撃特性は種によって異なるが最終的に『食』に直結する。

若い固体(死にたて)は足も速く、死にたてのためか性欲も残っているようだ。グールの一番厄介なところは、種族など関係なく条件を満たすと、どの種族もグール化することが出来ることである。

グールは頭を潰さぬかぎり動き続ける。


余談

更に厄介なのが『幻想種』がグール化すること。

確率が低いがあるということ。

1000年くらい昔、ドラゴンがグール化したということがあったらしく、世界中が障気に塗れ、一時期大変なことがあった。幸いそのグール化したドラゴンは『ロード』クラスに葬られたとのこと。


(ロード?)


少し気になり、モンスター図鑑の目次あたりをよく見ると『ロード』という項目を発見したので、そのページを見てみることにした。



『スライムのロードまたは『原初の化け物』』


危険度 ★★★★★


弱点 不明


生息地 不明


剥ぎ取り部分  不明


特性 物理攻撃完全無効化。普通のスライムとは違い知能も知識も保有している。

姿は人の姿をしているらしく、素手で殴るとドラゴンクラスは跡形もなくなる。外見がとても人間に似てるため初見ではスライムとは分からない。

なお出現場所は不明。だが、出現条件は世界のスライムがある一定までいなくなると自動出現する。

そして、スライムがまた増えはじめると姿を消す。

騎士団副長が兵を率いて一度戦い赴いたが、圧倒的な力の前に副長は生死の境を漂った。

ロードクラスが出た場合、戦わず逃げましょう。




(ふぅ~、ロードクラスね……)


僕はぱたりと本を閉じると、本を返しにギルドに向かっていった。


「モンスター図鑑ありがとうね」


待ち受けの人に本を返し、それと一緒にマカライト鉱石の入った袋を渡した。


「こりゃなんだ……」


あの喧嘩のせいか最初よりも腰が低い気がする……いや……微妙に怒ってらっしゃる。


「あれ~怒ってますか?」


心当たりといえばギルドの倒壊率が増えたことぐらいしか……。


「お前さんの一撃のせいであいつが死にかけたんだ……!」


語尾になにか強いものを感じる。


「あぁ~ドンソンさんのことですか?

あれはそっちの自業自得でしょ?

友の死が怖いなら戦わせなきゃいい……覚悟がないなら逃げればいいよ……」


しかし、あのときはカッとなってオーバーキルの『神竜』を使ったのは僕も悪かったかなぁ~と少し反省している。


「この袋の中身の鉱物はいったいなんだ?」


受け付けの人は袋の中を見ながら手を伸ばし、不思議そうな顔をしてマカライト鉱石をしげしげと眺める。


「いや、実は僕も知らない」


「おい」


「冗談冗談。マカライトっていうよ」


「ふぅーん。聞いたことない鉱物だな、どんな特徴があるんだ?」


「知らない」


「おい……」


マカライトっていったらMH的なものと、不思議なア○スのヴォーパルソードぐらいしか知らないよ!

ごめんね知識が浅くて!


「そこはプロの力ということで」


「俺は加治屋じゃねぇよ……」


「ま、これはタダであげるから」


それだけ言うと僕はギルドから元気よく出ていった。


「さて……」


右腕に魔力を篭めるとモンスター図鑑と全く同じ本が出てきた。


「構造把握のち模写……術者のイメージがあやふやでもコピー出来るこの能力便利だな」


今僕が使った能力は、モンスター図鑑に『アイテム欄』が構造把握を行いデータを保存する。

別にモンスター図鑑をイメージする必要はなく、イメージするのはあくまで『アイテム欄』……あのゲームとかである『アレ』です 。

モンスター図鑑に構造把握を行いコピー、データとして保存しすると『アイテム欄』に追加されるという仕組みです。後は『アイテム欄』をイメージするとアイテムの一覧が出るので頭の中で指定するとそのデータに元ずき僕の魔力で復元されるといったものである。


構造把握したのは僕ではなく『アイテム欄』であり、僕は未だ中身を確認しきれていない。


なら全部コピーして『アイテム欄』に送ればいいのでは? というのもあるけど倉庫は倉庫で使える。どちらかというと倉庫の方がアイテム欄より展開が遥かに早い。

アイテム欄はアイテム欄をイメージしてそこから選ぶ。といった微妙にめんどくさい作業が要るからである。

倉庫は欲しい物を直接イメージで送るのでアイテム欄よりも早い速度で出すことが出来る。


そして、アイテム欄には致命的な欠点がある。


「耐久性がなさすぎる……」


少し図鑑のページを破ると魔力となって大気に霧散した。


アイテムはあくまで『使う』ことしか出来ないということを今実感した。


使いづらい……。


後で改良などしなければならないと心底僕は思った。


「ふぅ……」


現実は中々上手くいかないものだ。


「リリアナにお土産買っていかないと……」


思考を切り替え、リリアナになにを持って帰るかを考えるけど中々思い付かない。


「僕の知ってる少女が好きそうな物といったら……なんだろうね……」


考えたがやはり思い付かなかった。


「あの……」


なにか聞こえるが気のせい気のせい。

僕に声かけたわけじゃないでしょ、常識的に考えて。

それよりもリリアナの土産どうしよう。


「あの……」


セバスチャンにもお土産買っていってあげるかな……。


「あの……!」


耳元で女性らしき人の声が聞こえたけど、僕に声かけたわけじゃないでしょ。


たぶん僕じゃない違う人に声かけてるんだよね?


「そこの黒髪黒目の怪しい人!

私を無視しないでください!」


黒髪黒目……珍しい人もいるもんだな、それにさっきからこの人を無視しぱなっしってこの人が可哀相じゃないか。


とりあえず店を周ってアドバイス受けながらにしようかな……でもあまり人とは話したくないしどうしたものか……。


さっきから無視されている可哀相な人の声がする方を見てみると、


「あ、やっと気付いてくれた!」


さて、動くかな……。


僕はそのままその女性の人の横を通り過ぎて行こうとするけど、誰かに肩を掴まれた。


ピキーン!!


「ゴフッ!!」


肩から伝わるなにかに僕は思わず吐血してしまった。


「だ、大丈夫?!」


僕と目を合わせたその人は髪が赤く目が黒かった。

服はよく居る町民A的な質素な服を着ている。


そして、両腕で僕の肩を掴みながら心配そうな顔をしているが、


「まず、肩を離してください……」


女性による接触は内臓に負担をかける……。


「あ、うん……」


女性は僕に言われて肩から手を離し、心配そうに見ているがあまりジロジロ見ないでもらいたい。再度吐血しそう……。


口元に付着した血を裾で拭い、口元を綺麗にしておいた。


「で、なにか用があるんですよね?」


「あ、うん。

なんか困って顔してたからどうしたのかなぁ~と思って声を掛けたんだけど、気付いてるのか気付いてるのか私を無視するんだもん!

だからわざわざ、あなたの特徴を言ってまでしたのに反応がないんだもん。

酷いよねひどいよねヒドイよね!」


さっきから呼び掛けてたの僕だったんだ……この女性とは無関係だから呼び掛けられる筈ないと思ってたのに意外だ……。


「貴方とはどっかで会ったことありましたっけ?」


「ないですね」


「では失礼」


「ちょっと待った!」


ちょっと待ったで足を進めるのを止め、振り返った先にはニッコリ笑顔の女性がいた。


「お姉さんに相談してみなさい♪」


関わりたくない人と関わってしまった。



……不幸だ……。


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