第2話
<side 少女>
汚される、汚れる、汚された、犯される。
そんな絶望の中、私は今周りの人と肩身を寄せ合い、怯えていた。
毎日毎日、薄汚い盗賊共に誰かが連れ出され掃きだめにされていく。
見ているこっちは最高に気分が悪い、毎日マイニチ、誰かが壊されていく。
マイニチマイニチ、皆が怯える。
この中に男は存在せす村の男達は皆殺しにされた。そして村から若い女だけを連れ去っていく。
汚い、キタナイ。
そこら辺から泣き叫ぶ声と、下品な笑い声が聞こえてくる。
私は耐えられず耳を塞いだ。
聞きたくない、キキタクナイ。
すると、盗賊の内の一身の者達が三人ほどこっちに鼻息を荒くしながら、こっちに寄ってくる。
嫌だ嫌だ!!
助けて助けて!!
「頭、もう俺我慢出来ません!」
その言葉に私達は怯え、涙を流していた。
今度は誰、今度は誰が壊される。
壊される壊される壊される壊される壊されるコワサレル。
「クックッ。お前エロいな。仕方ねぇな、適当に一人と遊んで発散してこい」
そう言われると、急々と私達の中から眼を光らせながら選んでいく。
「お前に決めた。来い!」
そう言うと、私に歳が近い子を首輪の鎖を引っ張りながらズリズリと引っ張っていく。
「嫌だ!!嫌だ!!嫌だ!!」
引っ張られながらも抵抗し、泣き叫びながらもそいつへの距離が徐々に近付いていく。
「あぁ~、良い。最高に健気だ!!」
高笑いをしながら、盗賊は掴んでいる鎖に力を入れた。
「痛い!!痛い!!痛い!!」
そのせいか、その子の首に負担が行きあまりの痛さに膝を着いてしまった。
「ん~。悪い子にはお仕置きが必要だな。俺が直属に調教してやるから感謝しろよ」
歪んだ顔をしながらも、鎖に更に力を入れその子を引っ張って行く。まるで、犬の散歩のようだ。
「首が痛い!立ちますから、立たせてください!」
あまりにも痛いのか、自ら願い申し上げた。
フラフラの足に力を入れ、立ち上がろうとするが……。
「きゃっ!」
途中で体勢を崩してしまい立ち上がれず、また膝が地面に着いた。
「もうめんどくさいからここでするか」
ニタニタしながらその子を見下ろした。
「ヒイッ!!」
あまりの恐怖でガタガタ振るえだし、その子は涙目になった。
そんなやり取りをしていると、その近くに居た男が私に近付いて来る。
「なんだがアッチを見ていると、俺もしたくなってきちまいやがったぜ」
そう言うと私に手を掛け、おもいっきり引き寄せられた。
神様神様どうかお助けください。
「へぇ~、良い面してんじゃねぇか」
その男は私をジロジロと見てくる。私はその嫌らしい視線に吐き気を覚え、今凄く気分が悪い。
「諦めな。こんなとこにお前達を助ける奴は居ねぇ、せいぜい俺達に媚びでも売って生きてくことしか出来ねぇんだよ」
男はそう言うと私の着ている服に手を掛け、思い切り引きちぎった。
「キャアアアアアア!!!」
絹を裂くような声が響き渡った。
「こりゃそそりるな」
男は舐め回すような視線で私の身体をジロジロと見てくる。
「もう嫌だ……。なんでこんなことするの……」
ポッリと私は独り言を言った。
「誰か助けてください……。どうか神様お願いします……」
どこかに願を届ける。
そして男の汚い手が私に迫る。
「嫌だ……。嫌だよ……。誰か……。誰か助けて!!!」
その瞬間、私に迫る男の動きが止まった。
ブシャー!!
鮮血。男の身体は腹から綺麗に切断され、身体上半身が地面に落ちた。
「えっ……」
私はあまりの出来事に、呆然となり、ボンヤリしていたが、神様が私を助けてくれたのではと思った。
「この下郎共が!!俺の目が黒い内は貴様らの好きにはさせない!!その行為万死に値する!!」
その人は黒髪黒眼と珍しく、両手には剣を構えている。全身には返り血を浴びてもなお、どこか神々しい雰囲気がある。
これは神が遣わした『勇者』様では。
ふと、そんなことを思ってしまった。
でも、これで私達やっと助かったんだ。
すると、その御方は私達に近付き一言。
「遅くなってごめん。君達を助けてあげるから。だから次気が付いた時には幸せに」
そう言われると突然眠気が襲い、私達は寝てしまった。
その眠りにつく前に私は一言言いたかった。
「ありがとう……」
そして私の意識は遠退いた。