番外編1 子供の頃布教したエロ本はウイルスそのものです。
ご主人がマルクレイブ卿を倒してからというもの……一時的な平穏を取り返しました……ですが、それを利用し手を出す輩も然り……。
この私ルトロスは、多くの叡智の書を所持しています……まさか……DVDまでオマケで付いてくるとは……プレイヤーがないのは残念ですが……一般的なモノからアニメまで揃ってます……。
廊下を歩いているとアシスと主人が口論してますね……。
曲がり角から顔を覗かせて観察しましょう。
「ご主人!!ダメです!!栄養面を考えれば飲まないといけません!!」
「お前!!自分で何言ってるか分かってんのかあああああああ!!」
何を押し付けているのでしょう……ああ、ジョッキにはアシスの……なるほど、主人の思いを代弁するなら授乳プレイを感じさせるスレスレの行為は流石に出来ないという事でしょうか?
「ご主人……飲まないというなら……仕方ありませんね……。」
ん?アシスが服に手を……。
「や、やめろおおおおお!!俺は断じて……」
これは危機……授乳プレイが実現してしまえば子作りイベントに直行します……なので……。
「ぐべ!!」
「えぇ……。」
アシスの背後に近づき気絶させました……仕方ないよね。
「あ、ありがとう……ルトロス。」
「いえ、私に任せてください……童貞は私がお守りします。」
「えぇ……。」
——という事で彼女を指導室へ連れて来ました。
「良いですか?アシス……確かに偏った食事は御法度……だからと言って強行突破をし、先のイベントにまで発展するのは……。」
「……先?」
やはり分かっていませんね……イベントには順序が付き物ですので……エロ本教育が必要ですね。
指導室の棚には多くのエロ本があります……ジャンル分けをしっかりしています……さて、何が良いでしょう……初心者には過激な物は控えた方が良いでしょうか……うーん。
「コレにしますか……。」
私が取り出したのは純愛もので『色濃い乳液〜甘い味』というものです……人妻物が多い中コレは違います……少女漫画というべきでしょうか……学生の甘い恋愛が描かれてますので……エロ八割でないのがいい所……これを読めばアシスも自分のした事を理解し、ご主人に手を出さないでしょう。
約十分が経過しました……さて……。
「す、素晴らしいです……。」
「へ?」
「……これが愛なんですね?」
「へ?」
「これ……お借り致します……私は真実の愛を学びました……より一層忠義に励みます……。」
彼女の性格が『母性』から『激オモストママ』になりました……な、なな何それ(困惑)?
アシスは部屋を出て行きました……また、逆効果ですか……。
まぁ、いいでしょう……アシスでしたら……ただ単にカストディーアやシックス・アイズの様に自分から積極的に横槍を入れてくるのが気に入らないだけ……多分……いや、やっぱ気に食わねぇ……。
——頭を悶々としながら廊下を歩きます……さて、洗濯物でも回しますかね……。
この屋敷……ランドリールームもございます……こんだけ暮らしていれば洗濯物も多いに溜まりますので……。
部屋に入るなりバーバリティを見つけます……何を持っている?
「は!こ、コレは……!!」
私を見るなり手に持っていた何かを後ろへ……。
「おい。」
つかさず彼女の手を持ち上げます……。
「イタタタ!!」
コレはご主人のパンツですね……一体……。
「す、すいません!!出来心で……どんな匂いか……。」
「きも。」
「ルトロス先輩も嗅ぎますか……ゆうて無臭なんですよね……。」
なるほど、無臭ですか……とりあえず、これも教育が必要です。
——例の如く指導室まで……さて、何がいいでしょう……。
「ほえーここが噂に聞く指導室ですか……サマニアがボコボコにされたとは聞きましたが……。」
確かサマニアはご主人を誘惑しましたからね……あのままではヤバかったので、ボコボコにした上に『小動物のすゝめ。』というショタものの総集本を彼女に渡しました……性格が『臆病』から『臆病なショタ狂い』になりました……あれは唯一の成功例でしょうか……。
「さぁ、バーバリティ……これを読むのです。」
私が渡したのはエロ本ではありません……動物医学の教本……なんでもご主人の妹様が獣医になるために読んでたものとか……たまたまご主人の住まいに訪れた際忘れた様です……。
「ほほう……。」
バーバリティが食いつくように見ています……あなたのやってる行為は生殖行為という本能的で愛の無いもの……それと変わらないという事を教えなくては……。
「これが所謂エロ本っていう奴ですね。」
「へ?」
「カストディーアが布教してたんですけど……こういうシーンが載っていれば全部エロ本だとか……。」
「へ?」
「これで私もエロ本デビューですね……大事にします。」
性格が『犬』から『インテリ犬』になりました……何これ……。
バーバリティは部屋を出て来ました……私の知らない間にメイド達同士のエロ本交換会が行われていた様です……感染拡大ですね……。
私も業務に戻るとします……もう、手遅れかも知れない……。
——廊下を歩いているとご主人そしてマオとナショルナが手を繋いで歩いてますね……。
「お兄ちゃん遊ぼ!!」
「ギルド登録が……まぁ、いいか……。」
ナショルナのステータスを見ると『ブラコン』……いや、流石に彼女達にエロ本は早いでしょう……私にだって常識はあります。それにマオとナショルナは子供……エロ本を見せた所で何も分かりません……であれば悪性変異の心配はないでしょう……多分。
しかし、よく考えてみればここのメイド達に何を見せても逆効果なことが多い……ご主人は手を出さないと誓ってる様ですが、時間の問題です……侵食汚染される前に私が有利に立つよう調整しなくては……。絶対包囲されてからでは遅いのです……。
(終)




