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始まりの塔

高次元の生命体に支配された宇宙

人間を含む他の種族は宇宙の惑星に送られ、高次元生命体を喜ばせるゲームの駒と化していた。

剣と冒険のゲームの惑星に新しく挑むパーティが降り立つ。

レベル1から 記憶を消され寄せ集められた者たちのサバイバルが始まる。  

 ヒュー 息を吸い込むと同時に目が覚める。

 眠っていたようだが記憶が残っていない。

 まるで、突然雲ひとつない晴天の白昼に放り出されたように、ただまぶしさに目を細める。

 荒い呼吸を繰り返す、何が起こったのかわからないままひたすら呼吸を整えることに専念する。

 いくらか落ち着きを取り戻す。

 周りを見渡すと、部屋の中にいる。 

 天井までも6mぐらいある正方形の部屋、そのひとつの壁の側に仰向けで倒れている。  

 反対の壁には、壁に背をつけて座るような形で頭をたれている男がいる、筋骨隆々のがっしりした男。 

 胸が上下しており死んではいないようだ。

 右側の壁の側に髪の長い女が横向きに倒れており、その側に細身の男が寄り添うように倒れている。

  左の壁には、ショートカットの女が倒れている。

 女の首と胸の部分には、梟が羽を広げたような姿の薄いタトゥーがみえる。

 そして、部屋の中央に、女の子が倒れてる。

 10代と思われるの華奢な感じがする黒い髪が特徴的な女の子だ。

 俺は、全身の状態を足先より順番に確かめる。 

 ゆっくり起き上がり、一番近い10代の女の子に近づき抱き起こした。

 呼吸は、しているようだ。

 そのまま、周りを見回し、他の様子を確認する。

 そして、俺が倒れていた後ろの壁に書いてある文字を発見した。

「つかまるな」 

赤い文字で走り書きしてあった どういう意味なのか。

  考えていると、腕の中の女の子が目を覚ます。

  大丈夫かと声をかけた

「 ええ ここは・・・」 

まだ意識がはっきりしていない。

「分からない、他も見てくるから、ゆっくり起き上がるんだ 」

 俺は、左の壁の ショートカットの女に近寄る。 

 こちらはすでに目覚めていたので「大丈夫」と声をかける。 

  女はこちらを見て、うなずいたあと首を左右に振っている。

 このころには、反対側の男が目覚め、俺と同じ事をやっている。

 俺たちは、部屋の中央に集まり、 お互いが名乗りあう。

 筋骨隆々とした男が辰雄と名乗った。

  髪の長く意思が固いイメージの女は フィーナと名乗った。

 フィーナの左肩から手首に掛けて何かの文様のタトゥーが入っている。

  続いて、細身の男が 林と名乗った。

 見るからに年を取って皺が目立つが、その眼孔は精気にあふれている。

  ショートカットの目立つタトゥーの女がミナと名乗り、其の声は妙にかすれて聞こえる。

  10代の華奢な女がシルファと名乗った。

 この子だけは他と違って人生経験が生む、くたびれた感じがない。

  最後に俺が竜兵と名前を告げたが、記憶がないせいかその名前に実感がない。

 辰雄ほどではないが、筋肉がついた体をしている。


「私たちがいるのは、レベル1にある塔よ!」

ミナという女が喋りだす。

「この部屋の外に3方向の道が進んでいるわ。」

「どうやったら出られる。」 

 辰雄がミナに声をかける。

 辰雄は、みんなが紹介しあう間も壁に手を当てて部屋を一周していた。

 ミナはみんなに向かって、

「わからない、私が記憶しているのは、ここの地図と襲ってくる怪物の能力の概要だけ。

 この建物の出口の場所はわかるけど、どのルートが安全かとかは解らない。

 でも、怪物の種類から推測はできるかも。」

「レベル1とはどういうことだ。」

俺はミナに聞いた。

「何もわからない。 レベル1としてここの地形を記憶しているそれだけよ。

 この場所は始まりの塔という名前でこの周りがレベル1。 

 レベル1地方といったほうがいいかもね。」

「出る方法は自分たちで考えろって事ね。」 

フィーナと名乗った女が声をかけてくる。

 俺は心の中で反芻した レベル1 その上のレベルがあるということか? 

 世界の名前 地域の名前 いずれにしても 1で終わりとは思えない。

  襲ってくる怪物の能力・・・仕組まれた化け物がいるということらしい。

「ワシたちは、ゲームに取り込まれたようじゃの?

 代償は命、そしてここから脱出してどこかに行くのか、 何かを倒すか。

 目的を果たさないと開放されないという所じゃて。」 

 年輪の刻まれた顔の林が、静かな声で言う。

「どこの誰だ。」

 フィーナがはき捨てるようにいった。

 シルファは、俺の後ろに書いてある字をしきりに見ていた。

「なんて書いてあるの?」

とつぶやく。

 俺は、ようやくみんなが英語でしゃべっていることに気づいた。

 日本語は読めないらしい。

  俺は、壁に書かれている文字の意味「捕まるな」であると説明する。.

 そのとき俺の視界の下に、まるで字幕のように文字が出てきた。

  「深遠の月の洞窟にて宴する武士達」

  周りを見回すが、字幕は消えず記される内容も一緒だ。

「 視界の下に字幕見たいのが出てるんだが、みんなも見えているか。」

 俺は、何とはなしに声をかける。

 返事はなかった。

 どうやら俺だけらしい? 

見えている内容を説明すると 林が唐突に

「ゲームでゲーマーと通じる窓口がそういう物が見えることになっとる。

 どうやら、このチームでゲーマーが付いている神託者はあんただけらしいの。」

「ゲーマーとはどういうことだ。」

俺の問いに、みんなの視線が林に集中する。

「レベル1は、ゲームの出発点。 普通は全ての記憶が消されるんだが、わしの様に年を重ねるに従い何度も頭をいじられると全てが消せなくなりおぼろげながらゲームの概要がわかる。 

ゲームの名前なんてわからない。駒が知らなくていいことだ。 

ただ、わしたちが動く目的は、ゲーマーと呼ばれるプレイヤーが誘導する。 

アイテムも誘導通りにうまくわしらが進めばいいものや必要なものがあるということじゃ。」

「逃れる方法はないの。」 

フィーナが聞く。

「 自由意志さ、ゲーマーの指示に従わずここに残ることもできる。

 食料と寝床が調達できれば従う必要はない。

 ゲームをつづけるか、ドロップアウトしてこのゲームの中で一生暮らすか、選択肢はそう多くなかろうて。 」

 林が答える。

 今度は辰雄がミナに向かって、

「襲ってくる怪物の記憶があると言ったなどんなやつだ。」

 ミナが少し考えてから 

「大きさ的に私たちより小さいわ、1mぐらい背中に羽があり短い時間だけと空を飛べる。 

 口の牙と脚の爪が武器よ。 一体だとそんなに強くないけど数がいると厄介ね。」

「 道が3つあるといったわね。どの方向にあるの。」 

フィーナが追い討ちをかける。

「天井からと、前と右の壁に道がある。 

 どれを選んでも、いくつかの部屋を抜けて 建物の外に通じる玄関につながってる」

 ミナがしめした壁は、つかまるなと書かれている壁にむかって、右と後ろに当たる壁だ。

  シルファが幼い声で恐る恐る聞いてきた。

「他にも私たちのような人がいるんですか?」

  ミナは、

「私の知っている地図では、ここと同じ感じの部屋が全部で12ある、多分文字に向かって右の壁がなければひとつは見える。 」

 俺と辰雄は、その右の壁を丹念に調べた。

 道がありこれがゲームならどこかに開ける方法があるはずだ。 

 RPGの基本は、とにかく調べる。

 ミナとフィーナも文字の向かいの壁を調べだす。

 林は、シルファに近づき小声で何かを聞いていた。

  しばらくして、辰雄はイライラから 壁を思い切り殴っると壁が光りレンガのような筋が壁に入る。 

 辰雄が殴ったところは、外側に動いていた。

  そのまま、その動いたところを外側に押すとはずれて落ちる。

  外が覗けるぐらいの壁を崩していく。

 どうやらこの部屋は空中にある鳥かごのような構造をしている。

 向かいの壁からなら、鳥かごのつなぎ部を伝って支柱につかまって降りる事ができそうだ。

  また、今崩した壁からは、ゆれ止めのワイヤーが本体の建物までつながっており、伝い降りることが可能のように見える。

 天井の道は分からなかった。

 突然羽音がして、覗き窓から怪物の牙をむき出した顔が突っ込まれる。

 俺と辰雄は驚いて、壁からひっくり返るようにして離れる。

  怪物は、つかまるところがないのか、崩して入ってくることはできないようだ。

 しばらく牙をがちがち鳴らしてどこかに飛んでいった。

  「同じようなのが空に飛んでいたか。」 

 林が声をかけてくる。

 辰雄と俺は首を横に振って答えた。

「なら、何かの引き金でやってきた。」

「壁を崩した可能性が高いな 。」

 ミナが同じように壁を殴るが、向かいの壁はレンガにはならなかった。

「 他の壁もやってみて」、フィーナに声をかけ、フィーナが文字の左の壁を殴る。

  左の壁は、レンガに変わった。

 ミナが、「レンガを外に落さないで内側の床に抜いて、それでモンスターが現れなければよし、もし現れたらレンガを武器に使う。」

 各人はその言葉に従って動く。 

  俺と辰雄が最初に壊した壁穴が、だんだんレンガがはずれ大きくなった。

 俺たちが外し、シルファがそれを中央に運んだ。 

 この壁からは、中央の塔に向かって入るワイヤーにぶら下がっていけば先に進めそうに見える。

 反対側のフィーナが殴った壁は、林とフィーナが壁を崩しミナが運んでいる。

 黙々と作業を続けていたが、魔物は現れない。

 フィーナが先ほどのモンスターが入ってこれるほど 大きくなった壁の穴から外を覗く。 

 こちらは、下に縄はしごが付いており、これを伝っていけば中央の支柱に掴まることができそうだ。

 どっちの道にする。 

 全員が集まって話し合う。

 辰雄は、ワイヤーを渡りたがった。 

 フィーナは、縄はしごを推薦した。 

 フィーナと林は、ワイヤーはつらいと感じているようだ。

 全員で動くならまだ縄はしごを降りたほうがいいと主張する。

 俺は、黙って話を聞きながら、心の中にさっきからある違和感を考えている。

  何か見落としている感じがする。

  俺は、向こうの鳥かごを見、壁を見回す。

 つかまるなの文字が目に入る。 

 つかまるな 捕まるな 掴まるな  ロープ、縄梯子  

「だめだ!」

俺は叫んでいた。

 一斉にみんながこちらを向いていた。 

「どうしたの?」

ミナが聞いてくる。

 壁の文字だが、日本語で 捕まるな のほかに 掴まるなの意味が読み取れることを説明する。

 林が、三つ目の道を確認してからでも決定は遅くなかろうと口ぞえしてくれた。

「でも、天井を調べる方法がない。」 

シルファがつぶやいた。

「いいえ、方法はある。全員でレンガを並べなおして土台をつくれば可能よ。」 

 ミナがみんなを見回しながら言う。

 15分後には中央に足場は完成した。

 辰雄が登り天井を叩く。

 天井が光ったが今度は、前面がレンガになることはなかった。

 殴り書きのすぐ上の天井の一部のみレンガに変わり落ちた。

 そこに足場を組みなおす。 

  体重の軽いフィーナが、辰雄を踏み台にして天井に上がった。

  どこにも道はないように見えた。

  フィーナが探しているところに俺も上がっていく。

 二つの道が掴まらなければ脱出できないなら、天井からの道は、掴まらずに行けることになる。 

 歩くためには、道か階段が存在することになるが、見た目は何もない。

 見えないのか、何かをすると出てくるのか? 

 方向としては、つかまるなの字が書いてあった方向が怪しい。

 俺は、這うようにして、端まで来ると、中空を手で探っていた。

 壁から30センチぐらい離れて10センチくらい低いところに手ごたえがあった。

 どうやら下に向かう階段があるらしい。 

 フィーナにレンガを二つもってきてもらいそれらを打ち合わせ粉を作る。

 それを階段があると思われる方向に撒く。

  階段の全体像が見える。

 それは、下方に向かう幅1mぐらいの透明な螺旋階段だった。

 俺は、フィーナと穴から覗いているシルファに親指を立てて合図を送った。

  ミナは、最初に壊した壁の向こうに見えるここと同じ部屋を見ていた。

 いま、2方向の壁が崩されレンガが下に落ちていく。 

 辰雄も横に並んで見ている。


「おいおい」 

辰雄が声を上げる。 

「全部外側に落してやがる。思いっきりがいいな。

 おい、もしあそこに化け物が発生したらこっちも巻き添え食うとかないよな。」

 ミナは自分の視力と聴覚が異常に発達していることに気づいていた。 

「危ないね 通路は見つかった。」  

 後方から声をかける。

「ああ、見つかったみたいだ。 先を確かめる、用意をしている。 」

 横を見ると向こうの部屋には、15人ぐらい人がいるようだった。

 あいた壁を出てすでに二人づつワイヤーに飛びついて渡って行く。 

 やり方が強引だ。 

 どうやらミナのような能力者も林のような経験者も混じっていないようだ。

 俺は天井から

「どうやら悠長なことは言ってられないようだ。 一発勝負で渡たったほうがいい。 

 ミナ 羽音は聞こえないか?」

「聞こえる。」 

答えざまミナは、天井に向かう足場に走った。

  すでに、辰雄が準備をしている。

 林とミナが上がり、フィーナと林で辰雄を引き上げている。

  俺は、粉を撒きながら螺旋階段を下りていく階段は部屋の下3mぐらいまで降りたところで、中央の建物に向かう道になっていたが、相変わらず透明だった。 

 俺は粉を撒きながら早足で進んでいく。 

 その後ろをシルファ、フィーナ、林、辰雄、ミナと続く。

 林は、口の中で呪を唱えていた。

  俺たちが螺旋を降りきった頃、 向こうに見える部屋には、化け物の大群が襲っていた。

 最初に脱出をした4人は、手が使えないため体をゆすって足で抵抗したが、群れた化け物に覆われて見えなくなり下に落ちていった。

 壁を大きく壊しすぎていたため、化け物は部屋に殺到する。 甲高い悲鳴と、バキッ という音が聞こえる。 

 後ろを振り返るとミナが顔をしかめていた。 

 多分聞きたくない音が聞こえるのだろう。

 化け物のうち数匹が俺たちを見つけ飛んでくる。

  辰雄が立ち止まりレンガを投げつけては走るを繰り返している。

  正確に、化け物の頭部にあて打ち落としていく。

  それでも、化け物の数が多いため迎撃し切れない。

  数匹が俺たちの頭上に到着し、向こうの部屋の中身を食い尽くしたのか、残りの化け物もこちらに向かって動き出すのがみえる。

  前方に扉が見える。

 そのまま駆け抜けたい衝動を抑えながら粉を撒き確認しては進む動作を続ける。 

 フィーナが痺れを切らせて俺の横をすり抜けようとすると後ろからミナが

「だめよ。 私だったら、走るのを見越して絶対切れ目を入れる。」

 その言葉に、フィーナは思いとどまった。

 俺は、チラッと後ろを見て、不安に今にも倒れそうな真っ青な顔をしているシルファが目えたので、 

「フィーナ シルファを頼む。 担いだほうがよさそうだ。」

 その言葉にフィーナは振り返りすぐにシルファを抱き上げて俺の後ろに続いた。

 案の定、扉まで後15mの距離で1mの切れ目があった。それを飛び越え壁の扉に着く。

 辰雄も追いつかれる寸前を走っている。

 俺は、扉を開けようとするがびくともしなかった。

 フィーナが到着し、シルファをおろして俺の横に組み付き扉を開けにかかる。

 林は1mはなれたところに立ち、化け物を見ながらまだ呪を唱えていた。

 ミナが到着し、 

「何してるの早く開けて!!」 

と怒鳴る。

「開かないんだ。」

と俺が答えた時、辰雄が林の横に到着し振り向きざまにレンガを投げつける。

 もってきたレンガも後、2・3個しか残っていないようだった。

「シルファ扉を見ておくれ ぬしの髪電子受動因子じゃろ」 

林が呪の途中で声をかけた。 

 ミナは、深呼吸して扉を見、その左下に何かのコンソールを見つけた。

「シルファ左下よ。」

と声をかける 。

 シルファはコンソールに近づくと髪を数本コンソールの中に差込、目を閉じる。

 化け物は、そこまで来ていた。 

 林は 「ハッ」と気合をかけると粉を目の前に近づいた化け物数匹にかけた。

 すると粉をかけられた化け物は、側の仲間を襲いだす。

  俺とフィーナが引っ張っていた扉は突然横に開きだした。

「くそ」 悪態をつきながらフィーナと中に飛び込む。

 シルファを抱え辰雄が飛び込んできて、林とミナも続く。

 別の化け物がドアから入ろうと襲ってきた。 

 フィーナが蹴り飛ばす。

 シルファの髪は外のコンソールに刺さったままだった。 シルファが目を閉じてすぐ扉が閉まりだす。

  扉が閉まりきると俺たちは、崩れるようにその場にへたり込み一息ついた。

 「竜平、視界に字が出ているとさっき言ってたな なんて出ていた。」

 とミナが聞いてきた。

 俺は、「深遠の月の洞窟にて・・・・」 後半がわからなかった。

  林が横から、集中して言葉を考えれば神託のバンクが出てくるはずだとアドバイスする

 字幕みたいな文字を見たいと考えると、 数字の羅列が見えた。001001 その数字を頭の中で反芻し決定と考える。

 するとまた先ほどの字幕が下に出てくる。

  変なマークがあったので意識をそちらにやるとその言葉が意思とは関係なく口から音読された。

「深遠の月の洞窟にて宴する武士達」

それを聞いたミナが

「どこかの場所に行けって事みたいね。」

「とりあえずは、ここを出ることだな。」

と俺は返した。

 横にいた辰雄がミナを見ると

「ミナどう行けばいい。」

と聞き返す。

「この通路を右に行くといくつか部屋が両側にある回廊に通じてる。 

 その回廊を抜けたところで下に下りることになる。

 その先は広間でその左の扉から玄関に通じている。」

 ミナが遠くを見つめた目で答える。

「時間の制約があると思う。」

フィーナが俺に聞いてきた。 

 他のパーティーも入るなら、ここを出るまでの時間制限や順位があるのかと気にしてのことだ。

「スタートからここまで、リミットを、匂わせるようなものはなかった。これがゲームでレベル1ならそこまではないだろう。」 

 と俺が答え、

  「逆に謎解かないと出られない系と思うぜ。」

 と辰雄が続ける。

  「本当に怖いのは、他のパーティじゃ、ここでの敵は強くない。パーティが敵対するのが一番怖いと考えたほうがいい。」 

 林が忠告するように誰ともなしに話しかける。

「怪我したやつはいるか、俺はヒーリングができるから痛みを抑えるぐらいはここで応急処置できる。」 辰雄がみんなに声をかける。

「少し休んだら、出発しましょう。」 

フィーナとミナが俺を見て声をかける。

 俺は林を見て聞いた。

「林 神託者とはどういう存在なんだ。」

 林が腰を上げながら語りだした

「 ゲーマーの意思を伝える者、この世界で目的を持ち頂点を目指す者じゃ。

  ゲームに参加した時点で、記憶を操作され過去を消されているが、神託者はよほどのことがない限りドロップアウトすることはない。 

 目的を強制的に脳に刷り込まれているんじゃ。 

 そして、目的達成のため仲間を集めて旅していく。 

  通常は、一人でこの世界にやってきて、町からスタートし仲間集めをする。 

 でもまれに、複数の神託者を持つゲーマーは信託者を数人一挙にパーティーとして送りこむ。 

 たくさんの情報を送れればそれだけゲームクリアには有利だからじゃ。

 但し、スタートは今回みたいなトラップだのがある難しいところからのスタートになるの。」

「神託者1人のパーティでのここから挑戦ははよくあるのか。」

「いや、聞いたことがないのう。 

 スタートの情報が少なくトラップからスタートならリスクが大きいからの。

 それなら、町に仲間を用意するほうが簡単で低リスクじゃ。

 長い期間ゲームをやっているゲーマーなら、自分の育てた仲間の持ち駒をその町に移動させとけばいいだけじゃからの。」

「もし、新参者で持ち駒がなかったらどうなる。」

「町で仲間を探すことになるが、手強い能力者を見つけるのに苦労するだろうのう。

そいつの力量が物を言う、スキルは見た目じゃわからんからの。」

 俺のゲーマーは、相当このゲームに自信があるのだろうか。 

 結局このメンバーは、壁に書いてあった「つかまるな」の文字だけで全員が生きてここにいる。

 神託者1人でここからスタートするのは、かなりの無謀のようだから、かなり考えられたメンバーということか。


 赤いゆったりとしたドレスをきた女は、「フー」と吐息をついてボードから目を離した。 

 とりあえず最初の難関は越えた。

 かなり気を使って、その端正な顔には疲れの色が色濃く出ていた。 

 はじめての参加だが、こんなに神経質になるものとは考えてもいなかった。 

 となりにいた男は、パーティが壊滅状態で落胆していた。

 彼らは、うまく武器を調達して先に進めるだろうか。 

 ただ観察するしかない。  

 計画通りなら、彼らは有効な神託なしに、5日を生き抜かねばならないのだから。


 俺たちは、休息した後出口に向かい移動しだした。

  回廊の左右の扉を開けるとそこは、食料や武器庫だった。

 ここで、旅の準備をしろということらしい。

 ひとつ違うのは、同じ内容と思われる倉庫が6個あった。

  バーチャルなゲームと違い食料等を無制限に買えたり、誰かがアイテムをゲットしても一瞬で補充されるというわけには行かないらしい。

 そのため、倉庫が大きくしてあるのだろうと思われた。

  俺たちは、そこで必要なものを調達することにする。

  そのひとつに入ると、扉が閉まり鍵がかかった。

 ミナが、一番奥に出口があり、地下の回廊を抜けて玄関にいけるという。

  どうやら、ここで調達する間、パーティーがかち合わなくするためと、同様の武器や食料を必要以上に持って行く事ができないようにしているようだ。

 この先に調達した品に見合った危険が用意されていなければいいのだが。

 俺たちはおのおの旅の準備をした。

 準備といっても、応急処置用のキットがそろっているほかは、ナイフと斧と弓に保存食が5日分程度とキャンプ道具ぐらいだ。

 辰雄が慣れた手つきで皆にパッキングのやり方を伝授した。

 フィーナは、応急処置キットを点検し皆に分担して持ってもらうようにしている。

 ミナは林のところで、登場が予想されるモンスターに対する対処方を検討していた。

 武器は、俺とフィーナがナイフを、ミナが弓を、辰雄が斧を持った。

 林は辰雄に杖を作ってもらいそれを武器とする。

 シルファはまだ若いので、武器を持たせなかった。 

 彼女の開錠能力は有効だ、戦闘で失うわけにはいかない。

  かよわいシルファには、バックアップを頼み、できるだけ直接戦闘はさせないということで意見がまとまっていた。

 俺たちは、出発前に軽い食事と休息をとることにする。

 全員で食事を取っている時に、辰雄が俺に向かって、これからどうすると聞いていきた。

「どうするとは?」 

 俺は聞き返した。

「神託を受けれるからには、あんたがこのメンバーのリーダーだ。 

 どうするかを決める権利がある。 」

 俺は静かに全体を見回し

「とりあえず、このレベル1を先に進んで、今のところ意味不明な神託しかもらってないが、目的がわかった時点で、方針を決める。

 そして、俺はリーダーとかじゃなく仲間としてみんなで一緒にゲームクリアをしていきたい、それぞれの意見は尊重するつもりだ。

 途中の町で別れたければそれでもかまわない。 

 ただし、死に別れだけは なしだ。 

 プライドも意地もない、 這いずり回って逃げても、仲間は死なせない。 

  これが俺の唯一のルールだ。」

  「よくわからないけど、ここまでみんな無事にこれたのは、ゲーマーがよく計画を立てて私たちを選び送り込んでる証拠よ。  

 少ないヒントを頼りにここまで全員できてる。」

ミナが言う。

  「何かの目的を達成するために、必要な人が用意されているということですか?」

シルファが聞いてくる。

  「目的が判らないのが問題だがな。 ドラゴン退治とか海賊の宝さがしが目的かも知れないしな。」辰雄が呟く。

「わしらはゲームを進めていくしかないのじゃ。 

 神託の数が集まり、ゲームの進行具合で目的は自ずと判ってくるはずじゃ。」

  林が少し疲れたような様子でつぶやいた。

 自分の意思とは関係なくゲームに参加させられていく。 

  ここにいることはそういうことである。 

 林のその様子が俺たちにそれを語っていた。 

 ただのプレーヤーとして 準備を整え俺たちは奥の扉を開けた。

  あたりを見回す。

 ここにいるのは、スライム系の化け物らしい。

 火に弱いことは判っているので、松明を全員が作って持っていた。

  その石の通路は最初高さ5m幅5mの広い道だったが、進むにつれ松明の明かりだけの薄暗い通路となった。

 幅もだんだん狭くなる。

 今では、高さが、2m幅が3mぐらいの道になっていた。

 道を歩く足音と松明のはぜる音が聞こえる。

  この道で声を出せば、思いの他大きな音になり、何かを闇から引き寄せるような気にさせる暗闇が目の前にあった。

  下に 下に 下りていく感覚が続き、道が少しずつ曲がっていく。

 その先は、人工物ではない鍾乳洞のような洞窟に変わっていることが見て取れ、そこは薄明るかった。

 その先に、明らかに天井近くに開口部があって、そこから光が斜めに入って来ているのが見える。

 シルファとフィ-ナの足が速くなる。

 「だめだ」、「だめじゃ」 俺と林が叫んで2人の肩をつかんでとめた。

 スライムがいた。

  俺たちは、勝手に子犬ぐらいの水滴の塊を想像していた。 

  それが2~3体襲ってくると。

  目の前にいるスライムは違った。

 こぶし大の大きさで、無数にいた。

 床一面に敷き詰められている。4mぐらいの距離の床が全て埋まっていた。

 小さなうごめきがゆっくり近づいてくる。

 何かに引き寄せられるように 。

 辰雄が松明を振りかざし、そのうち一体のスライムを火でなぎ払った。

  スライムは弾けてなかの粘液を石畳にぶちまけた。

 「火に弱いのは本当みたいだ。」 

 辰雄が呟く。

 「この数に対してどうやって道を開くの。」 

 ミナが遠くを見る目で独りごちた。

 「みて・・」

 シルファは、一点を見入るようにしてかすれた声を出す。

  全員が視線の先をみる。

  そこは、辰雄が倒したスライムのところだった。

 床にぶち撒かれた粘液の上に、後ろから来たスライムが乗っていた。

 そのスライムは他に比べ、明らかに大きくなっている。

 1.5倍の大きさ。粘液を吸い取り大きくなったのか。

 少しずつ前に出てくる。 全員が数歩下がる。

 林が、「後ろにもおるの。」と静かな声で言った。

 曲がったところの天井から、小さなスライムが落ちてきていた。

 俺たちはスライムに挟まれた。

 フィーナが、後ろのスライムに松明を投げ込む。

 スライムは破裂しその粘液で松明が消え、そこにスライムが集まる。

  群がったスライムは、周りのより少し大きくなった。

 林は、スライムを見ながら、

 「火には弱いが、この数では逆に統合されて大きくなるほうが問題じゃぞい。」 

 最後は松明ぐらいの火では殺せなくなる。

 フィーナとシルファは、スライムに生理的な嫌悪感を感じているのか、 恐怖心が顔に出ていた。

  ぬめるような肌にてかりがあり、なんともいえない玉虫色のつやをもっている。

  そして、つるっとした表面内部に何か虫がうごめくような動きが起こる。 

 それが床一面に無数に動いていた。

  俺は、自分の松明を進行方向にいるスライムに向けながら、さっきからの光景を思い返していた。 

 横で、ミナが先頭のスライムに弓を射掛けていた。

 弓は、スライムに突き刺さりそのまま、先端が床に当たってスライムを貫通したままの状態でスライムから生えていた。

 何事もなかったようにスライムは矢を生やしたまま前進してくる。 

  スライムの動きにあわせ、矢が少しずつ倒れてきた。 

 倒れた矢が、他のスライムにあたったが、そのスライムは、凹んで矢をよけ前進してくる。

 俺はミナに 

 「スライムはどんな攻撃をしてくる。」

 と聞いた。

  ミナは

 「少量では問題ないけど毒があるから、粘液に長時間触れると痺れて動けなくなる。

 その後、飲み込まれて窒息することになる。」  

 俺は、自分の松明を入ってきた洞窟の曲がり角、スライムの一番奥の方に投げ込んだ。

 松明の落ちたところのスライムは、熱で割れ中身が飛び出した。

 その周りにスライムが集まっていく。

  スライムは、松明の方にも集まっていっている。

 「よく考えられている。スライムは、弱点は火だが火のほうに集まる性質がある。 

 この洞窟で唯一の明かりは松明だから、スライムはどうしても寄ってくる。

 そのスライムを殺すと巨大化していき、パーティーは自滅する。」 

 俺は自分の未来を呟いていた。

 それを聞いていたフィーナが、

 「悪趣味ね。 でも、踏んでもこの大きさならつぶれるから一緒よ。空中でも歩く。」 

 といった。

 「いや、そうでもない。 

 光の明暗をつければ、松明の光でおびき寄せて渡れるかも知れんぞ。」 

 と言った林が、ポケットから何か粉を出して松明にかけた。 

 すると炎の勢いが大きくなって、スライムの蠢きもざわつく程になった。 

 「幻術で使う道具じゃよ。」

 林がみんなに説明した。

 俺たちは、松明の一つを薄い紙で覆った。 

 まだ火をつけていない松明の何本かに林の粉を塗す。 

 その間に俺と辰雄の皮の上着と弓を利用し、床のスライムを掻き分けるスコップを作った。 

 通路の片側に火力を上げた松明を投げ、そちらにスライムをおびき寄せながら反対の端を強行突破する。

 俺とフィーナが道具でラッセルしていく。 

 林とシルファでおとりの松明を投げていくミナと辰雄は、こぼれて入ってきたスライムの処理をする。

 「さあ、ショータイムだ。」

 俺が声をかけると同時に林が松明を反対の壁に投げ込む。 

 松明は燃え上がった。 

 その炎に焼かれたスライムが弾ける。 

 その強い光が洞窟内を明るく照らしスライムたちは一斉にそちらに蠢きだす。

 俺たちは反対の壁に皮を押し付けるようにして斜めの壁を作り、スライムをラッセルして移動を開始した。

  さきに見える明るい出口までは、60mぐらいだろうか。

 ラッセルの終点より内側に転げ込んでくるやつを、辰雄とミナが後方にかき出す。

 10mも進まないうちにラッセルが重くなる。 

 びっしり床にいるため、かなりの抵抗があった。 

 今度はシルファが松明を投げる。

 暗くなった洞窟がまた明るさを取り戻す。

  俺とフィーナが必死に押していく。 

 フィーナの上腕の筋肉が浮き出ていた。

 かなりの重労働だった。

 松明を4本投げて半分まで来ていなかった。

 みんな汗だくになり疲れが顔に見えてきだした。

  そのとき、シルファが「そんな・・・」と松明を投げた方向を見てつぶやいた。

 俺たちは、一斉にチラッとそちらを見た。

 フィーナが「ウォー」と叫んで力いっぱい押し出した。

 斜め後ろに見えた光景は、みんなを震撼させるものだった。

  巨大スライムが迫ってきていた。 

 松明を投げ、スライムが破裂しその液を吸ってスライムが巨大化していく、後ろに巨大スライムが出てくることはこの脱出劇を始めるときに予想すべきだった。

 後ろにいるスライムは、はるかに巨大だった。

 高さが80cmぐらいまで育っている。 

 巨大化したスライムは、自分の体重で側の小さいスライムをつぶしては吸収していた。 加速度的に大きくなり、動きも気のせいか早くなっていた。

  必死で前進する。

 前方の光が強くなってきた。 

 出口まで10m くそ 俺は悪態をついた。 

 スタート時に気づくべきだった。 

 何で出口の明かりが見えるのにスライムは表に出ないのか。  

 出口は、1mぐらいの崖になっておりなおかつこちら側にせり出して忍び返しになっている。

 「あああああ・・・」 

 癇癪を起こしたような声をミナが発した。

 「賭けにでるわ!! 

 辰雄足場が必要よ 前方のスライムを松明でやっつけて、広場ができたらスライムが復活する前にこのラッセルを寝かしてその上にのる。

 林 後ろのでかいやつを撃破して !」

 「飛び散った内容物でスライムがみんな巨大化するぞ。」

 林が質問してくる。

 「 それまでに出られなかったら死ぬだけよ。」

 「 この状況であれに追いつかれても結果は同じ。」

 そう言いながら、フィーナがシルファの腰にロープを縛った。

  林が松明を4本まとめて火をつけ一番大きなスライムに投げつけた。 

 松明のあたったところがはじけ、内容物を撒き散らしだした。 

 それをかぶったスライムが巨大化していくしかし、そのためにスライムは、後方に移動しだした。

  辰雄がいいぞと声をかけてきたので、俺とフィーナは皮のラッセル装置を寝かしてその上に載る。

 「フィーナ、シルファを崖の上に放り投げて。

 シルファ 何でもいいからしがみついて、大声をだすのよ」

  フィーナがシルファを放り投げるのと、辰雄が俺を呼ぶのが同時だった。

  振り向いた俺は、両手を膝の高さに組みそこに足を置いた人間を上に飛ばす体制をとっている辰雄が目に入った。 

 一気に助走をつけて辰雄のところに向かう。

  俺が辰雄を踏み台にして上半身を崖の上に出したとき、シルファは洞窟の端の岩にしがみついて、

 「いいわ」と大声を張り上げていた。

  崖の上に這い上がった時、林がロープを伝って登ってきていた。

 俺は林に手を貸して引き上げる スライムは、さらに巨大化していた。

 80cm級のスライムが5匹と1m級が一匹生まれており、10mまで迫ってきていた。

  俺と林でロープを握り、早く登れと声をかける。

  フィーナがミナを押し上げた時、足場の皮が大きくうねりだした。

  先ほど辰雄が殺したスライムの内容物も吸収されてしまったようだ。

  「ぐっ」辰雄のくぐもった声がした。 

 辰雄の足がスライムに吸い込まれていた。

 フィーナは辰雄にロープの端を縛ると引いてと叫びながら、手に持っていた松明に火をつけ、辰雄の足のスライムを焼き払う。

 辰雄の体が宙に浮いたことを確認すると。

  竜平と叫んで跳躍した。

  俺は、フィーナの腕をつかんで後方に倒れるようにして一挙の引き上げた。

  後ろに一回転して立ち上がると、辰雄を引き上げている林とミナのところに駆け寄る。

  辰雄を引き抜く用に崖の上に上げると全員急いで出口まで走った。

  一匹のスライムが崖より高く成長していた。

 しかし、それでも崖を登ることはできないようだった。

 俺たちは、洞窟を抜けた丘で一息ついた。 


「これから、どっちにいく。」

 辰雄が、足をさすりながらみんなに聞いた。

 「近くに町がある?」

 フィーナがミナに問う。

 「ミナ、悪いんだが村がいい。ここから一番近い村に向かおう。」

 と俺が返す。

 「そうね。 村にしましょう。」

 ミナが同意する。

「どうしてだ。」

 辰雄が俺に聞いてくる。

 「ずっと考えてたんだが、何で、町から始めなかった。 

 林の話じゃ。町からはじめても結果が同じなのに。  

  神託の能力者が俺ひとりで、町から始められない理由。  

 今のとこ思い当たることは一つしかない。 

 ゲーム攻略とは別に敵がいる。」

  一同は顔を見合わせた、そのあとをミナが続ける

  「町で出会う前に仲間か竜兵が殺される危険があるか、他の敵が仲間の顔をして混ざる危険がある。

 ゲーマーは確実に仲間を一緒にする為に今回の危険を冒した。 

 それが一番しっくりくるのよね。」

 「でも それだと私たちのゲーマーは、他のゲーマーと対立してる可能性があることになる。」 

 フィーナが考え込んだ。

  「 それって、駒同士の殺し合いが考えられて、危険度がいっきに上がる事なのよ。

  でも、それなら、この仲間がいることも、説明がつく。  

 だって、おかしいでしょ。 

 ここまで何とか生き抜けてるけど、それぞれが対応しえる能力を持ってる。

 最初から計画的にこのチームを作って導入したとしたと考えるのが妥当だってこと 。

 だからリスク回避のために村に向かう。」

 ミナが答える。

  「大きい町より、小さい村に行って様子を見か?   

 村ですら敵対勢力が現れるようなら、ある意味 私たちはお尋ね者レベルの旅を強いられることになるんじゃな。」

 林が続けた。

  俺たちは、村の方向へ移動を開始した、行く先には森が黒くそびえたっていた。

 

読んでいただきありがとうございます。

定年して、やる事が見つからない時に若い時に小説を書こうとしたアイデアが見つかりました。

そのころはたぶん他の忙しさに忙殺されて、思っただけでやらなかったことなのですが、見つかったのも何かの縁として夢を形にするのもいいかと思ってこのサイトに投稿することにしました。

つたない文書と思いますが、小説を読んでいただけることで夢が叶います。

ゆっくりしたペースでしか書けないですが温かい目で見ていただき、私を小説家にしていただけましたら幸いでございます。

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