南極の北極星

第十九 大人になること

子供のころ、見るたびにはしゃいだ新幹線。

電車に乗るだけでわくわくした、興奮に包まれたあのキモチ。

どこに行ってしまったの。

高校生になったワタシはもう、

そんなことでは感動しない。

使いなれてしまったから？

もう見慣れてしまったから？

外からそんな自分を見て、ちょっぴり胸が切なくなる。

これが大人になる、ってことかしら。

ちょっとしたことでは感動せず、

目の前の、小さな幸せに気づけない。

大事にしたい。

あの時抱(いだ)いた、あのキモチ。