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第十六 ロックンロール
――次はCROWのみなさんです。
曲はBlack Cat.
どうぞ――。
ダダダダダダダッ!
雷のようなドラムを合図に、あたり一面、炎の海が焼き尽くす。
俺たちは、目もくらむようなスポットライトに負けじとばかり、
エレキギターを弾き鳴らす。
嵐が巻き起こったかのように、落雷の叫びを響かせて。
これがロックというものだろう?
一言一言魂込めて、俺たちは思いを歌にする。
ほら気づいたか?
俺たちのいるこの空間、観客もみんな総立ちで、
奴らも思いを口にする。
俺たちが一つになる今この瞬間、一つの世界が誕生した。




