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小説を通して伝えたいことがある

作者: 城作也

物語を作る上で、人物の「恐れとの向き合い方」という設定は、作品に深みを与える重要な要素となる。それは同時に、現実の人生における私たちの生き方をも映し出すものだ。


まず、恐れと真摯に向き合おうとする人々がいる。アプローチは様々だ。正面から問題に立ち向かう者もいれば、一度距離を置いて状況を見極めようとする者もいる。どちらが正しいというわけではない。重要なのは、課題から目を逸らさず、自分の力で解決しようとする姿勢を持ち続けることだ。このような人々は、恐れに対して自分なりの方法で立ち向かい、それを乗り越えようとする。


一方で、多くの人は表面的には問題に対処しているように見せかける。しかし実際は、他者や環境、自分の立場といった何かに依存することで、本質的な課題から目を逸らしている。より深刻なのは、その依存体質に気付いていない、あるいは気付きたくないという点だ。彼らが本当に恐れているのは、依存している対象を失うことであって、目の前の課題ではない。「私には無理です」「環境が悪いから」という言い訳を並べても、問題は何も解決しない。


ただし、ここで注意すべき点がある。問題から距離を置く、あるいは一時的に逃げることは、必ずしも弱さを意味するわけではない。それは時として、自分にはまだその問題を解決する力が備わっていないことを冷静に認識し、戦略的に距離を取っている場合もある。これは「距離を置いて戦う」というアプローチのより長期的な版とも言える。


真の弱さとは、むしろ死ぬまでその問題と向き合いたくないと言って、永遠に逃げ続けることにある。それは自分の成長の可能性すら否定することになるからだ。しかし、私は信じている―――本当はみんな「逃げない自分」になりたいのだと。誰も、心の奥底では自分の成長を諦めてはいないはずだと。


だからこそ、私が自分の作品の中で描きたいのは、戦っていく人、頑張っていく人の姿だ。私の作品を読んでくれる読者に、強くなってほしい。それが私が世の中に送りたいメッセージの根幹にある想いだ。


恐れと向き合うという覚悟を持つか、永遠に逃げ続けるかは、最終的には各自の決断の問題だ。誰かが代わりに決めてくれることではない。

物語の中でこそ、この厳しい現実が鮮やかに描き出される。

結局のところ、人生における真の強さとは、たとえ時間がかかっても、恐れに向き合う覚悟を持ち続けることだと思う。そして、その覚悟とは、誰もがどの瞬間でも、持つことができるのだ。

それを伝え続けるために、私は作品を作り続けたいと思っている。

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