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籠の鳥の公爵令嬢、婚約破棄をする。人嫌い皇帝に拾われて愛される(モフは大好きなようです)  作者: りょうと かえ
アズールとメルト

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55.宮廷医

 ふむむ……気を遣わせてしまったか。

 まぁ、主人が執務室に籠もっていればそうもなるかも……。

 思えば何か考え事があるたび、ここでひとりになっていた。


「……ごめんなさい、心配させちゃったわね」

「そんな……! 何事もなければ、本当にいいのですにゃ!」


 キャサリンを心配させるのは本意ではない。

 この件について明かすことが出来れば楽なのだけれど――無理か。


 でもキャサリンに何かお願いをして、私が何に取り組んでいるかを示すことはできる。

 そうすれば彼女の心配も軽減されるだろう。


「実は、新しい薬の開発に取り組もうかと思ってね」

「にゃにゃ、それでたくさんの本を……」

「その中で気になるモノがあったんだけど、キャサリンは宮廷医とは話せる?」

「リディアル帝国内で官職にあった人なら、お任せくださいにゃ!」


 キャサリンが胸を張って尻尾を振る。

 よし、やっぱり彼女からティリエの件は探るのが正解そうだ。ティリエに勘付かれることもないだろうし……。


「で、宮廷医ならどなたでも良いのですかにゃ? 専門だと内科、外科、薬学、医療史、たくさんありますのにゃ」

「専門というよりは……ある人を診た宮廷医を探して欲しいの。口が堅くて、信用できる宮廷医」

「にゃ? どなたを診た方にご入用なのですにゃ?」


 私が息を少し吸って、キャサリンを見つめる。


「――6年前、皇太后ティリエの大病を診た先生よ。心当たり、あるかしら?」


 それを聞いた瞬間、キャサリンの尻尾がびくりと震えた。これは知っている反応だ……。

 なら、詳しく話さなくても分かるだろう。


 でもキャサリンはそのまま黙ったままだ。

 おかしいな。もう完治したということならそんなにタブーでもない、と思ったのだけど。


「……どう?」

「皇太后様を診察した宮廷医にお話を聞きたいのなら、適任がおりますにゃ」

「本当……!?」

「私の兄、ロバートですにゃ。兄は皇太后様の侍医だったのですにゃ……」

「えっ、あの皇太后様の侍医だったの?」

「そうですにゃ。皇太后様が我々をことさらに遠ざけるようになったのは……6年前からですのにゃ」


 それからキャサリンは語った。


 かつては皇太后もトール族以外を嫌うことはしなかった。

 しかし6年前の大病でケットシー族やコボルト族、ヴォーパルバニー族を主とする宮廷医団は皇太后を治すことができず、それが不信感へ繋がってしまったのだ。


 まさか、そんな経緯があったとは……。


 しかも宮廷医が匙を投げたその大病をメルトが治してしまった。

 これも不信感に拍車をかけたことだろう。


「なので、内密に話を聞くことはできますのにゃ」

「……わかったわ。気が進まないと思うけれど、お願いね」


 キャサリンが少し目をしばたたかせる。


「あの事件を……調べておられますのにゃ?」

「まぁ、そうね。深入りをする気はないわ。ただ厄介な毒に備えておけば憂いなし、と思って」


 自分でもあまりいい理由には思えないけれど。

 

 本当は、このままだとアズールがメルトを殺すからだ。

 私としては、どちらにも苦しんで欲しくはない。


 アズールは私の――婚約者で。

 メルトはきっといい友人になれる。


 入り組んで、私が変えてしまったこの世界。

 私は出来る限り快適に過ごすためにあがきたいのだ。


 そうしてキャサリンの兄、ロバートの会合を設けてもらって。

 私は最後のピースを手に入れるのだった。

【お願い】

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