ぼくの一日
今日は、公園でおにごっこをしました。
ぼくは、皆よりもちょっとお兄ちゃんなので、いっぱいがんばって走りました。
でも、皆も一生懸命だったから、ゆみちゃんしか捕まえられませんでした。
本当はもっとできると思ってたから、ちょっぴり悲しかったけど、次は、頑張りたいと思いました。
空を見ると真っ暗闇で、まぶたの裏みたいでした。
星が綺麗で、もっと眺めていたかったけど、ぼくは帰ることにしました。
背中からみんなの声が聞こえました。
ぼくは振り返りませんでした。
途中、細くて暗い道で、怖い顔をした、知らないお兄さんに会いました。
何だろうとおもったけど、そのお兄さんは、ぼくの側にきて、こう言いました。
「……………………失礼ですが、その子は、お子さんですか?」
「助けてくださいっ!」
今年四十になるぼく──相澤哲郎は、途中警察に見つかってしまったので、近所の女児──ゆみちゃん──を誘拐するのに失敗しました。