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【伝えて】悪役令嬢配信【良いのか?】Part8

「それに、そっちの家はそっちの家で、かなり最近忙しいみたいじゃないか」


「っ!」


ディベアは肩をはねさせて視線をそらす。何やら隠し事がありそうな雰囲気だ。口止めでもされているのだと思われる。

とはいえ、ディベアの実家の公爵家が忙しそうにしてるってのは周知の事実なんだよな。まあ、具体的に何で忙しいのかまで知っている人間は多くないだろうが、


「その忙しい状況なの中で国と対立してやっていくのは難しいだろう」


「……ま、まあ、忙しいかどうかはともかくとして国と対立すると難しい状況になるのは確かですわね」


なぜだか知らないが、どこか嬉しそうな表情と声のトーンでディベアはそんなことを言う。

俺もそこそこ真面目というか、シリアスな雰囲気で話はしているが、


ようこそ異世界へ:や、やべぇぇぇ!!!公爵家の令嬢とかどんな話すれば良いのか全然分からん!!


コメント欄の俺は絶讃苦悩中だ。年下なだけならどうにかできなくもないが、それに加えて身分が違うと共通の話題とか見つけにくい。


黒鶏:草

俺俺:草

ショタコンおじさん:ショタの話をすれば良いんだよ。どのショタが魅力的だったとか

レムレム:年の差がある上に身分の差があるってなると、会話の内容は悩むよな

こころり:それなら!かわいいって褒めてあげれば良いんですよ!!


身にならないアドバイスは来るが、参考にする気は一切ないぞ。男女で恋バナとかであって初日にやる会話ではないだろ。そして、君かわいいねを公爵令嬢にする気もない。

良いアドバイスもなぜだか海外から来ていることは来ているのだが、健全そうに見えた実は後から押し倒す展開になりそうなものばかりだ。海外の方が罠の張り方が上手いな。日本人は奥手すぎると言うことか。


「お互い敵に回してもメリットがないし、問題はないだろう」


「そうでしょうか?……そうかもしれませんわね」


話題に困ってはいるが、とりあえず数分は公爵家と皇族の話で持たせられそうだ。その間に新しい話題を探さないと。

それかもしくは、どっちかの迎えの馬車が来てくれぇ!!


「ただ、だからといって何もないとそれはそれで貴族からいらない勘ぐりを受けることになるだろうな」


「いらない勘ぐり、ですの?」


「ああ、陛下が公爵家を蔑ろにしているから、公爵家を潰すつもりなのではないか、とか。公爵家は陛下から蔑ろにされて不満が溜まっているのではないか、とか」


「あぁ……あり得ますわね」


どっかの貴族がそんなことを言うのが予想できたらしい。貴族を含めて、人は派閥を作りたがるからな。皇帝派と公爵派が勝手に作られることだろう。

本人達にそのつもりはないのにかかわらず、勝手に派閥ができてそこで争いが繰り広げられることになるわけだ。


「私、そうなるのは非常にまずいように思うのですが……」


「ああ。俺も同意見だ。特に当事者のお嬢とか殿下とかは神輿に担がれる可能性が高いな」


「……う、うわぁ。絶対に関わりたくないですわ」


心底嫌そうにディベアは顔をゆがめる。神輿に担がれるとかかなり嫌なことだよな。自分の名前だけ使われて、自分は何の方針決定に関わることもできずに振り回されるんだから。当然利益はその神輿を担いだ奴らがすするのであって、神輿に担がれた奴らの手に入るのは責任と名声だけ。

金も実質的な権力も持たない状況では、どちらもいらないものだな。


「当然それは陛下も公爵様も理解しているだろうから、何かしらの対策は行なわれるだろうがな」


「そ、そうですわよね。流石に無策なことはないですわよね。……因みに、あなたは何が行なわれると思っていますの?」


おっと。質問が来たぜ。何が行なわれるかなんてハッキリしたことを俺が言うわけにはいかないし。分かるわけが……あるよな。


ようこそ異世界へ:なあ。これ、婚約が行なわれるんじゃね?って言って良いものか?

黒鶏:良いんじゃないか?

俺俺:いんじゃね~

レムレム:そこまで難しい考えでもないし良いんじゃないか?


コメント欄に聞いてみたところ、言っても良いんじゃないかという意見が多かった。

流石にここで俺が婚約の可能性を示したところで、シナリオに影響はないだろうからな。……たぶん。


「俺がぱっと思いつくことで言えば、お嬢と殿下の婚約だな」


「……は?婚約ですの?」


「おぅ。そうだが……そんなに予想外だったか?」


俺の意見はコメント欄でも言われるようにそこまで難しいモノでも無いと思う。

でも、ディベアは目を丸くしているのだ。そんなに驚くようなことでもないはずなのに。


「公爵令嬢と皇子。そこまでおかしい組み合わせじゃないだろ?」


「……そう言われると、そうですわね。形だけ聞けば、おかしくないように思えますわ」


形だけ聞くと。その単語に妙な引っかかりを覚えた。その言葉はまるで、ディベアが普通の公爵令嬢ではないとでも言うような印象を受けた。


ようこそ異世界へ:ん?なんだろうこの感覚?フラグ立ったか?

黒鶏:何かのイベントフラグっぽいのふんだ気がする!!

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