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プロローグ

「海賊」

それは広大な海を支配し、宝を探し彷徨い続け、それを手に入れるためには殺傷など拒まない。いわば海の第一勢力。

なんてのが一般認識であったのは今は昔の話。


かつて海賊達が駆け巡った海には船の面影一つ無く、反対に魔法やら精霊やら呪術に重きを置かれ、


かつて海賊達が夢を馳せた財宝は人々のからの関心は無くなり反対に、学問や法学の方が大切と考えられるようになった。


ので、海賊は衰退の一途を辿っていた。そんな時代に、海に憧れを抱く海賊の種が、アレ、いたんだっけ…?







【僕の理不尽すぎる海航記】





「ねぇちょっとニイチャン、そいつぁ困るよ。ここはどこか分かってそれやってんの?」


「だからァ、コイツは俺のツレじゃねぇつってんだよ。聞こえねぇのかこの難聴ジジィが」


…。。。


「ニャンちゅう?ニイチャンまだそんなの見てたの。ニャンちゅうってアレだよ?おじさんが子供の時にやってた幼児向けやつだよ?あ、ニイチャンもしかしてアレ?そういうコアな趣味持った…」


「うるせーよ!ニャンちゅうなんぞ一言も言ってねーわ!とにかくココ通せっつってんの。ニャンちゅうでどんだけ尺使うつもりだテメーは。」


……ん?僕は重たくなった瞼をゆっくり開る。

「いや、でもそんなこと言ってもねぇ。そんな大事そうに姫さん抱っこしてる奴を、無関係だなんて」


「俺はコイツのこと微塵も知らねーんだが?!それにテメーお姫様抱っこの定義知ってんのか?コイツもげる程強ェ力で俺の首持ってんの!俺今手ェ離したらコイツの体と俺の首が落ちんの!アンダスタンド?」


そこで僕の意識は完全に覚める。


『ウガァぁぁぁぁ』


顔が近いどころか距離感全てが近い。

僕は持てる力全てを振り絞り、僕を現在進行形で抱え続けている不審者を放り払った。


「おい誰だアンタ!、社会的距離ってモンを知らないのか!」

「そいつァ俺ン台詞だァ!道端に倒れてたのを俺の善良な親切心で声かけてやったのに、それをおまっ今し方首削ぎ落とされるところだったわ!」


「ハイハイ、で、ニイチャンらの猿芝居も明るみになったところだし、とっとと帰りな。きょうびの門番ってのは忙しいんだ。」


僕は周りを見渡すと、港にいることがわかった。いや、正確には門の前か?眼前三十メートルほどのバカデカい扉を見るに、ここは国の出入り口、あ、心臓部的な?


「つーかよ、てめー起きたんだからいい加減俺と離れろよ。そして俺の潔白を言え。てめーのおかげで国に入れねーんだからよ」

アレ、そういえば僕って何をしてたんだ?ここにくるまでの記憶を一切思い出せない。僕は顎に触れながら少し考えこむ。

「ねぇちょっと、オイ?一丁前にシカトか?コノヤロー。ったく拉致があかねェ。」


そうすると目の前の不審者は腰元の袋から何かを弄ると、それを門番に渡す。


「…ニイチャン金貨5枚?それはちょっと足元見過ぎなんじゃない?それに2人分だろ?そんな端金じゃ通せぬ通せぬ。」

……賄賂か?

「金貨5枚を端金だ?てめーはどこぞの御坊ちゃまだ。…おい待て2人?!」


何やら僕の目の前で話しは進んでいるようだがいかんせんついていけない。

金貨?なんだそれ。硬貨や紙幣とかじゃ無いのか?呆然と見つめていると、


「なーにじっと見てやがる、これじゃ依頼に遅れちまうじゃねーか、俺はさっさと酒場の依頼主と落ち合わなきゃいけねーの。ホラ、てめーだってどっかいったどっかいった!大体俺はテメーまで国に入れてやる言われはねーんだ。」


「それ、もしかして僕に言ってるのか?」


「テメー以外に誰がいるってんだ」


「もういいニイチャンら。とにかくもう帰ってくれ。衛兵を呼ぶぞ」

門番の爺さんは衛兵を呼ぼうと周りを見渡す。


「ダァクソッできればこの手は使いたくな買ったんだが」

「お前、何をするつもりで」


本番の爺さんは持ってた槍を急いでこちらに向けてきたがどうやらそんなの必要なかったみたいだ。

俺の目の前にいた不審者は、壁やポールを駆使し、身をひるがえして国の中へと消えてった


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