14.また眠る
不定期で月曜日に更新予定で進めていきます。どうぞ、ゆっくりご覧になっていってください。
〜前回のあらすじ〜
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考えすぎは毒よ(例外を除き)
この前は語りに語ったが、まだ朝食は続いていうようだ。なんだろう、一人でゲームの世界に語りかけているようで、ちょっと寂しい
そんなことはつゆ知らず、ようやく朝食を食べ終えたようだ。父親が丁寧に食器を片付けている。皿洗いをしている様子を見ても、ストレスなくやっている。うむ、できた人だ(皿洗いで全てがわかるわけではないが 笑 )
なんとなく部屋全体を見ると、大体普通とも言えるような家屋だ。安すぎず高すぎず、購入した家なのかわかんないけどそんな感じ。特徴的なのは家具のセンス。高級ブランドではなさそうだが、家の構造に馴染む温かい雰囲気のものばかり。自然を感じるというか、いかにも煌びやかな人工物ではない印象が、なんとなく僕も好きで人柄も垣間見えるというものだ
「さぁ、家の中をお散歩しましょうか」
母親が僕を抱き上げニコニコしながら話しかけてくる
「おっ、お散歩かぁ。景色が変わるのもいいもんだ」
と楽しみにしていたら、目眩のように視界が揺らぐ
気づけば僕の意識はまた飛んで、ベッドの上にいた。また肉体意識が前面に出たのだろう。なんというか、急に記憶がなくなるのは慣れないものだが、奴は悪い印象もなかったし、たぶん僕を守ってくれたのだろうと推測しておく
意識が飛んで少し経ってのこと
......
「やぁ読者の皆さん、肉体側の僕だよ。これから家の中を回るんだけどね、彼には任せられない役目だから僕の出番ってわけさ。なんせこの家には、まだ赤ちゃんが楽しめるおもちゃがないんだ。でも彼はそこに違和感を感じず無表情になるだろうからね、僕が自然体に振る舞って平和にやり過ごそうというわけさ」
ということは口実の一つで、本当は暇だったということは内緒です(笑)
暇の度に乗り換えられたんじゃ、彼も嫌だろうしね
リビングを出て階段を昇る。やや螺旋状に曲がる階段を昇るとまだ、あまり使用されていない部屋が見えてくる
「ここがね、お部屋よ」
どうやら部屋はここらしいです
まだ物はほとんど置かれていない。でも温かみのある雰囲気。不思議だけど、たぶん親の気落ちが部屋に投影されているのだろうね
なんだか早く年を重ねたくなったよ。早くこの部屋で自分の聖地を作りたい気分です
彼の記憶を辿ると、生前は自分の部屋を聖地にしようなんて思ってなかったようなんです。当たり前に満足な空間があったからか。、はこの身体だから自由に動かせない分、普段気にしないことにも自然と意識が向くのだと思います
今ならきっと、そうだね、本をたくさん置きたいんだろうな。スマホで本を読むと目が疲れるし。なんとなく本屋さんって好きだから、自分の部屋を本だらけにするのも悪くないみたい
どうせなら、ゆったりくつろげるようにもしたいから、ルームウェアも肌触りが良くて締め付けないものがいいな。DIYもしてみたいし、想像は膨らむばかりだ。
彼のイメージだけじゃなく、僕の希望も取り入れるよう、無意識に働きかけておこう。これがスイッチヒッターの良いところだよね(笑)
......
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