第九十一話
「ああ、なるほどね…」
事情を話す中、レイカはうなづいていた。
「確かハヤタ君って、こっちに来たてだってね?」
ハヤタは頷いていると、彼女には何かしら分かったのだろう。
「言語を上手く話せてないのさ」
「言語、つまり言葉…?
ああ、なるほど…」
ハヤタは何か気づいたが、周囲はわからないでいた。
「母ちゃん、どういう事なのさ?」
「ちょっと、ブブカ、呼ぶから待ってな」
こんなカラオケの大音量が流れてても、レイカの声が響き渡る。
「なんだ、レイカ、デカい声を出しやがって」
「ほら、設定で、ちょっと音程を表示させてほしいのよ」
「なんで、そんな事をしなきゃならねえんだよ?」
「すいません、ブブカさん、ちょっと説明に必要なんだ」
ブブカは設定を音程が表示させたのを見て、ハヤタはマイクをとった。
「ええと、この波長をみててな。
みなさん、おはようございます、私の名前はコバヤシ・ハヤタです。
この一文の波長を覚えててな?」
みんなの同意を見て、ハヤタは同じように話す。
「Good morning everone my neme is hayata・kobayashi」
ハヤタは英語で話したつもりだった。
しかし、みんなの耳にはこう聞こえてしまう。
「みなさん、おはようございます、私の名前はハヤタ・コバヤシです」
どっちで話すべきか迷ったあげく、苗字と名前を逆に話すと、明らかに波長が違うので、リッカを驚かせてみせる。
「なんでこんな事が起きてんだ?」
「そりゃ、別の言葉を話してるからね。
それが違うように見えてるんだ」
「でも、同じように歌ってただろ?」
「ナノマシンの影響で、話せるようになってるだけだよ。
でも、機械は誤魔化せてないだけなんだよ」
するとブブカは聞いてきた。
「じゃあ、なんでい、名前と名字が逆に聞こえたのも、影響かよ?」
「いや、あれは俺の癖…」
そうハヤタが言っても、理解出来ないのをなんとなく実感する。
「つまり、この得点もそれが理由なのでございますね?」
「しかし、参ったな。
これじゃ、罰ゲームは避けれねえな…」
「あ、そんなのもあるんだ」
「罰ゲームは町内の清掃だ」
といって、リッカはマイクを取る。
もともと彼女は歌うことが好きなのか、張り切って歌い始める。
「おお、89点凄いな」
ナタルもミミミも、チックもそれなりに点数をだすのだが…。
ハヤタの時だけ…。
『30点』
「もはや、コメディじゃねえか?」
「うるせえ」
歌えてるというのに、点数が低いというのだから、タの席に注目が集まるので、ハヤタは申し訳なくなり。
「もうちょっと、コメディのようなリアクションした方がいいかな?」
「自虐ネタ、やめろや」
リッカにたしなめられていると、ナタルは励ますように言う。
「ハヤタ様、こういう時は楽しむ事が大事なんです」
そうは言うが、毎度、毎度、低得点を出す、さすがに悲惨さにレイカも呆れながら言った。
「そんなんで盛り上ってもらったら、私としても困るんだけどね。
これじゃ、罰を与えるのも気が引けるよ」
注目の的になり出したので、レイカはある提案をした。
「なあ、アンタの惑星の歌を歌ってみないかい?」
そんな提案に少し、ハヤタは困った顔をする。
「そんな事をすれば、確か法に引っかかるって聞いたことあるぞ?」
「何もそれで商売するんじゃないんだから、んな事はないわよ」
「とは言っても…な…」
ハヤタは、どんな歌を歌おうかと、考えていると…。
「あのハヤタ様…」
ナタルがこんな事を言ってきた。
「ハヤタ様、あの歌を歌ってもらえないでしょうか?」
「あの歌?」
「入院中、夜に口ずさんでいた、あの歌を聞きたいのです」
「あれ、聞いてたのか?」
ハヤタは少し恥ずかしくしていると、レイカは興味深そうに、二人に聞いていた。
「なんだい、盛り上がる曲でもあるのかい?」
「いや、あれは俺の惑星の曲でさ…」
「なんだいなんだい、恥ずかしくて歌えないってのかい⁉
ハヤタ君、どうせ、低得点なんだから、度胸をみせな‼」
レイカはバシバシとハヤタの『背中を叩き』ハヤタにマイクを渡したので説明をしたくなる。
「ええと、この歌は、俺の惑星の歌でさ…」
覚悟がない前説なのがわかったのだろうか、リッカ茶化しに入る。
「はよ、歌えよ」
「いや、さ、周囲が黙ってるだろ、こんなに歌いずらいことあるか?」
レイカは周囲が聞き耳を立ててるのをやめさせ、盛り上がりが戻っていく。
こうなると、歌うしかなくなるので…。
「ん、んっ…」
ハヤタは口ずさんでいると、リッカは呆れたように言う。
「それがお前の歌なのかよ?」
「リズムをとってんだよ、黙ってな…」
ゆっくりハヤタが歌い始める。




