表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
新たな大地に花束を  作者: 高速左フック
第九章 ハヤタ、恐怖する
88/91

第八十八話


 ハヤタは目の前に広がる光景に身体が強張っていた。


 「そ、そうか、電気がないから…」



 夜道に気をつけろ。



 なんてのは、どこでも聞いた事のある話で、初めての習い事で夜遅くなり、地元の帰り道を歩いた時、見慣れた道なのに、街灯がついてないだけで怖い思いをしたことはないだろうか?


 『ひゃあああ‼』と作者の叫び声が聞こえてきそうなくらい、一つも街灯がついてない、そこは真っ暗闇。


 ハヤタはひとり言を言わないと落ち着かないでいる。


 「うわ、怖…」


 暗いだけじゃない、さっきからハヤタしか、物音を立ててないのが怖さを助長していた。


 「灯りくらい、つけててくれよ…」


 救いといえば、地元なだけだった。


 何とか自分のアパートに向かおうとするのだが、ハヤタの足が止まったのは。


 集会所だけが、電気がついていた事だ。


 華やかとまではいかないが、うっすらと鈍い光が灯っているので、不気味さがあった。


 その時、彼の耳が音を拾った。


 「え、誰かいるのか?」


 遠目だが、こっちに走ってくる音だけが、わかるが…。


 この音が、実に怖い。


 こうなると自分の身が怖くなり、人の敷地内だが構うことなく垣根に身を隠す。


 不法侵入なんて、いってられない。


 「やべえ、やべえ、やべえ…」


 と、一目散に駆け抜ける、人影が叫んできたと思ったが…。


 数名の巨人が、その人を追っかけて捕まえていた。


 「やめろっ、やめてくれ~‼」


 異星人が叫んで抵抗しているが、3メートルほどの体格の人物が、数名、追っていると考えてほしい。


 捕まえた巨人は、声で女性だとわかるが、その捕まえてる様子は怖いだけだった。


 「え、何、何だ…」


 ハヤタは状況を知ろうと身を乗り出すが、


 その姿が災いする。


 「あれ、いま、そこで何か動かなかったか?」


 女性の声にハヤタは、身を隠してやり過ごそうとする。


 ほんの少し、別に悪いことしてないのだから、堂々としてればいいと思いもするが…。


 「このまま、男どもは連れてけ…」


 声でリッカだと気付いたが、身を隠したハヤタを、


 「お、見つけた…」


 3メートル越えの身長の、人影の探し方はハヤタが思っている以上に、探しやすいらしい。


 軽々と垣根をのぞき込む様は恐怖で、ハヤタは身の危険を感じて、走り出した。


 「あ、ハヤタ、逃げたぞ‼


 追え、捕まえろ、逃がすな‼」 


 リッカの発言は、多分『捕まえる』という意味合いだけなのは理解して、ハヤタは駆けだして逃げる。



 「おい、こっちだ‼」

 


 声に招かれたまま逃げたハヤタを倒れこませ、身体を伏せさせた。


 「息をするな、じっとしてろ‼」


 きつい口調だが、助けようとするのがわかったので、素直に従う。


 リッカの他二名の巨人が走り去るのをみて、その人物がチックだと確認できた。


 「お前、ハヤタじゃないか、何やってんだよ?」


 「そんなの俺のセリフだよ


 これは何なんだ?」


 「あん?


 見てわかんねえのかよ?」


 「わかんねえよ」


 チックは手で制して、ハヤタを黙らせる。


 「てめえら、放せっ‼


 ぐおぉらぁ‼」


 ブブカまで捕まっている。


 「このブタが、観念するんだね‼」


 さすがにブブカは巨人に怯むことなく振り払っているが、リッカの母親であるレイカは、ブブカを防犯器具を使い、取り押さえられていた。


 「一体、なんなんだよ?


 どうして、ブブカさんまで捕まってんだ?」


 チックは声を殺しながら慎重に答えた。


 「防犯のためだ。


 こんなに暗いから、ヤバいヤツだって、出てくるだろ?」


 チックはクオウから聞いてないのかと、聞いてきた。


 「聞いてないよ。


 ただ、早く帰れって…」


 その一言が、暗くなるから『早く帰れ』と言ったわけじゃないのに気づき、


 「あんの、オオカミっ!!」


 ハヤタはさすがにクオウを恨んだ。


 「なあ、別に悪いことをしてないから、事情説明したら見逃してくれるんじゃないか…?」


 当然の疑問をチックに聞こうとするのだが…。


 「優しく連行されるだけだぞ?」


 「ああ、その一言で、無駄だとわかった。


 あの集会所で、集められるのをなんとなく察したけどさ。


 てか、何やらされんの?」


 「そりゃ、お前、想像してみろよ?」


 チックが半ばあきれ気味にいうので、ハヤタも少しは想像を働かせる。


 男が女を連れ去った場合である…。


 「…まあ、男だからな」


 という、年相応の想像をして、女が男を連れ去る場合を想像する。


 「おうっ」


 「…なんでお前が、尻を抑えたの知らんが、お前がロクな事考えているのだけはわかる」


 「何だよ、わかんないなら、親に聞けよ?」


 「聞けるか!?」


 年相応の男の会話なんて、どの惑星でも、そんなもんである。


 「つまり、ロクな目に合わないのだけはわかるな?」 


 ハヤタは、静かに頷く。


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ