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新たな大地に花束を  作者: 高速左フック
第八章 ハヤタ、未熟である
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第八十三話


 株式会社、ウルフィ・オ・ファームに激震が走る。


 リオリも身体をくねらせはするが、いつものおだてる調子はない。


 というか、出来ないでいた。


 彼女たちの一言で、ここの会社の食品価値が決まってしまうくらい影響力の高い、二人が揃ったのだ。


 会社の商品が期待はずれなら、と考えるだけでも脈拍も上がれば、


 「なんだ、あの爺さん?」


 外野のオオカミ男たちの無神経に。


 「あの女、レンの爺さんらしいぞ?


 上司でもあって、ええと、総帥の上で、何だっけな?」


 「ワシの事か、一応、会長ということになっとるぞ?」


 この礼儀ない会話に、リオリが顔を歪ませていたが、陽気なオオカミ男達には、そんな事を知ったことない。


 それを尻目にレンは事情を説明していた。


 「機材を持ち出してまでの外出をするから、何事かと思えば、なんじゃ、そんな事じゃったのかい」


 オージは呆れてみせるが、レンの様子で冗談じゃないのがみてとれたのだろう。


 まるで試験に習うような言い方で聞いてきた。


 「それなら、のう、レンよ。


 お前は、ハヤタの作ったスープに、どんな料理を想像した?」


 彼女の作ったスープを味わい、オージは鋭く睨む、


 すると、彼女の顔が引き締まる。


 「少々、お待ちください」


 先ほど『機械任せだから、仕方ない』なんて言い訳が通用しない相手に、再度、厨房に引き返す様に緊張感みえた。


 「私が考えついたのは…」


 それにあてられたオオカミ男たちは黙る、そして、レンが見せたのは、白米を投入した雑炊だった。


 「雑炊とはいえ、綺麗に形が整っているのは、さすがグループ総帥。


 どうして、そう思った?」


 オージは味見をした上で、試験の様式にならう質問をしてきた。


 「クオウさん達を見て思いました。


 彼らは人種の特徴上、顎が突き出ています」


 レンの指摘に自然とオオカミ男達は、自分たちの顔を見合わせ顎をなでる中、レンは続けた。


 「体格もあって、食事量もなければなりません。


 ですが、これならば、量だって補え、様々な調整などを考えれば…。


 これに至りました」


 彼女の一通りの説明を吟味して、オージは答えた。


 「ふむ、やはり血筋なのかのう。


 ワシも食べ盛りのハヤタを見て『雑炊』に至ったわい」


 『おおっ』と歓声があがるが、レンの様子は暗かった、それをナタルが見て気づいた。


 「あのハヤタ様の面接を伺ったのですが…。


 オージ様は『予想を外して』ませんでしたか?」


 その問いの意味に気づいた周囲は黙って、オージを見つめていると彼は呆れながら言った。


 「なんじゃ、そんなモンまで持ち出しておったのか?」


 困惑する一同、それを制したのは、


 「俺だって、聞きたい」


 クオウがニヤリと腕組みして、その人物の名前を答えた。


 「ハヤタ、やっと来たな?」


 「クオウさん、貴方が呼んだのですか?」


 「このままだと、収まりがつかんからな?」


 「インターン終わって、すっ飛んできたけど、その前に…。


 この騒ぎは、何だ?」


 あっちは夜だが、こっちは昼下がりなんだから、時差はどうなるかそんなモン考えて、こんな小説は書けない。


 そういう解説をしていると、事情を説明されたハヤタがうなづいていた。


 「なるほど、それでレンは、雑炊か…」


 「のう、ハヤタ。


 その様子だと、答えを用意しておるのか?」

 

 「急だったから、ろくな用意が出来なくて、市販のを買ってきたよ」


 「なんじゃ、冷凍保存してたじゃろうが?」


 「一応、試験の担当してたけど、俺はインターン生だよ。


 会社のモノを勝手に持って来ちゃダメだろう?」


 『ふん』とオージは相変わらずの態度でいるので、ハヤタは準備を始めた。


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