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新たな大地に花束を  作者: 高速左フック
第八章 ハヤタ、同郷に驚く
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第七十三話


 メッツァはココネを見つめ、照れくさそうにつづけた。


 「思っている以上に、僕は放課後、あのグロスタの練習をじっと見ていたらしい。


 彼女も、含めてね…」


 「彼女?」


 「ココネ君のことだよ」


 ドロスの指示を真剣な表情で聞いているココネを見つめ、メッツァは頷いて言った。


 「このグロスタにはね、女性競技もあるらしいんだけど、この学校にはなくて。


 『例え同好会扱いで、面倒くさがられても、私は好きな事をやりたい』


 なんて言われて、僕は結局、サッカーが好きなんだって、ようやく気付いたんだ。


 いい歳いってるのに、恥ずかしい限りだよ」


 「いい歳って…」


 「私からすれば、セカンドキャリア、第二の人生を考えるくらいの時に地球が滅んだからね。


 理由としては、十分だよ」


 まだハヤタには、わからない感覚ではあったが、ハヤタは答えた。


 「『好きだから』か、やっぱり、そういう感覚で、動くのは良い事ですよね?」


 「キミにも、何かあるのかい?」


 「剣道ですかね?」


 「ああ、確かそれも…」


 「名前も競技、構えも違う。


 でも、やっぱり、自分でもずっと見てるって事は、やっぱり…」


 「人の感情は、それぞれだけど、間違っていないと思うよ?」


 「今度、ミスティとデュエルの練習でも、やってみるかな…」


 するとメッツァは笑いながら答えた。


 「それでいいと思うよ。


 だから、僕もコーチをする前に、彼女のやる気を見て起きたかったんだ」


 メッツァはこう答えると、、それに驚いたのはハヤタ、


 「えっ?」


 だけじゃなく、ドロスもだった。


 どうやら聞こえていたらしい。


 メッツァはそれがわかっているのか、どうかわからない態度で答えた。


 「もしかして、この勝負事『コーチを受けるか、受けないか?』だと思ってたのかい?」


 「ま、まあ、そう…ですけど…」


 ハヤタ、遠目にドロスは戸惑いを見せるので、メッツァは肩を呆れを見せるが答えた。


 「これでも、僕はプロだったんだから、彼女にやる気をあるかどうかぐらい、見るのは当たり前じゃないかな?」


 ごもっともな意見に、ハヤタ、遠目にドロスが唖然としていたが、メッツァは構わず続けた。


 「だからこその、ハヤタ君だったんだよ。


 技術があっても、フィジカル差はどうにもならない。


 それでも彼女は、良くやっていた。


 まあ、ハヤタ君、キミを利用するようで悪かったけどね?」


 謝るメッツァを、ハヤタが『構わない』と制したので、さらに言う。


 「そして、この盛り上がりが、僕としてもホントの狙いでもあったんだよ?」


 「本当の狙い、ですか?」


 「フリーキックだけで、僕自身の実力がわかるワケでもないだろう?


 ココネ君が、上辺だけでコーチを願い出てるなんて思われたら、彼女が傷つく事になる。


 だから、売り込むとまではいかないけど、これが、この試合の意味なんだ」


 ハヤタが改めて、周囲を見ると、当然、グロスタの部員たちがいた。


 彼ここにはメッツァを否定する者はいないのは、彼の目論見どおりなのだろう。


 こうなるとハヤタは、メッツァにこう言った。


 「じゃあ、そろそろ、僕は体力が限界のようですね…」


 「まだ、大丈夫だろう?」


 「さらに売り込みましょうよ?」


 「どうやって?」


 メッツァ聞く前に、ハヤタはドロスを呼び寄せて言った。


 「ごめん、俺、コレ以上、動けないからさ。


 さっき相談したんだけど、フリーキックで勝負を決めてほしいんだ?」


 そういうと、ドロスは断るどころか、承諾してくれたので、これも聞こえていたのだろう。


 「見たいな~。


 奇跡の左…」


 そういって、上機嫌にココネを壁役に促し背中を軽く叩くのは、ココネに対する彼の評価がうかがえた。


 そして、そのフリーキックの難易度を上げるのは、メッツァへの期待なのだろう。


 それに構うことなく、メッツァが手を上げるが、一旦、動きが止まった。


 「ハヤタ君、一応、チームメイトなんだから、セットプレイに参加してよ」


 「俺だって、デイビット・メッツァのフリーキックが見たいんですけど…」


 「それ踏まえて、セットプレイっていうんだよ…」


 メッツァがハヤタを促すが、この軽い調子は…。


 「うおおおおおお!!」


 大きな歓声に、かき消えた。


 その日から、メッツァがココネのコーチを承る事となり。


 「やあ、ハヤタ君、元気してるかい?」


 ハヤタもミスティの部活、デュエルに参加する様子がたびたび見られる事となった。

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