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新たな大地に花束を  作者: 高速左フック
第八章 ハヤタ、同郷に驚く
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第七十一話

 デイビッド・メッツァー。


 ハヤタのいた地球にて、サッカーをしてるモノなら、知らない人はいない。


 卓越したドリブル技術はさることながら、彼の代名詞といえば…。


 そのフリーキックである。


 敵から、


 「芸術的を超えている。


 あんな、キックをされたら誰も止められない。


 まさに、あれは…」


 『奇跡の左』と言われ、ハヤタのような『にわか』にも、認知されてるほどの選手である。


 「その奇跡の左を、見せたら…。


 こうなったと?」


 ハヤタは昨日のフリーキック設備を思い出しながら、そんな有名選手に何とも言えないような表情をしていた。


 「うん、僕の国では、祝福された左足と呼ばれていたね?」


 この時、ハヤタにしても内緒話までとはではいかないが、小声で話をしていた。


 しかし、二人は相手が異星人だという事は侮っていた。


 「なんと、そのような異名で呼ばれている方とは‼」


 男子グロスタのキャプテン、名前はドロスというらしい。


 この男は、とても耳が良かった。

 

 「お願いします。


 競技が違っても、あのキックは、セットプレイの重要性を全てを表しています。


 どうかご教授のほどを…」


 そう言って、再度、ドロスは頭を下げるので、メッツァはハヤタを見て肩をすくめて答えた。


 「なら、少し勝負してみないかい?」 


 「おお、それで私が勝ったら、引き受けてくれると?」


 するとメッツァは、手で制して答えた。


 「勝手に話を進めないでほしいね。


 僕としても、考えてみたいんだ…。


 キミのグロスタを通してね?」


 ハヤタは昨日は断るような態度をとっていたメッツァが、昨日の今日で態度を変えたのを感じ取れたので、気にはなりもしたがメッツァは続けた。


 「勝負は二対二、こっちは攻める側。


 キミたちは二人とキーパーで守る」


 「なるほど、では…」


 ドロスは一緒に参加してくれる人を探そうとするが、メッツァーは止めた。


 「キミとココネ君で、やるんだ」


 「えっ、私ですか?」


 それにはココネも驚いたが、


 「なるほど、守り側が有利と知っているからこその、ハンデという事ですか?」


 ドロスの辛らつな指摘に、ココネはうつむいてしまうが、


 「どうとでも…」


 メッツァーは静かに答えるだけだったので、ドロスは聞いてきた。


 「では、そちらのもう一人は…?」


 この時、ハヤタは『すごく』嫌な予感はしていたのは。


 じっと見つめるメッツァが、原因なのが言うまでもない。


 「ここにいる、彼が僕のパートナーだよ」


 「やっぱ、そうなるか~」


 こうして、ハヤタはメッツァとグロスタをする事になった。


 そして、


 「あ、オフサイドあるんだ…」


 「あとフリーキックとか、この辺り、普通のサッカーと変わりないみたいだよ?」


 グロスタのルールを、アップがてら閲覧しているハヤタに、ナタルは不思議そうに聞いてきた。


 「あのハヤタ様、やった事があるのでございますか?


 そのグロスタ、でなくて…。


 ええと…」


 「サッカーな。


 そりゃ、やった事があるよ」


 その回答に、ミスティは驚いた。


 「あのハヤタ様、デュエルも嗜んでますのに、その競技もやってますの?」


 「何も、おかしい事でもないと思うよ。


 どうして、そんな事を聞いてくるんだい?」


 そう答えたメッツァは不思議そうに二人を見るが、ハヤタが気づいた。


 「あっ、体育の授業の事か。


 そういえば、そこから説明しないといけないよな」


 「どういう事だい?」


 「この学校でも、色んな星の人が学校にいるという事は、体育の授業から違ってくるんですよ?」


 ハヤタはメッツァに、ナタルとリッカを指しながらつづけた。


 「例えば、同じ女子の体育の授業でも、これだけ体格差があるとどんなスポーツでも、有利、不利がが出てくるじゃないですか?」


 「何だ、ハヤタ、アタシを馬鹿にしてるのか?」


 だが、女子であれ、3メートルの身長のそれなりの体格をしているリッカが、ハヤタに睨みを効せてくると、見慣れたハヤタでも怯んでしまうが、これが答えでだろう。


 「いちいち、突っかかって来んなよ。


 でも、体格やら、腕力が違うワケなんだから。


 ナタルと遠投勝負をしたら、絶対、リッカは勝てるだろ?」


 「まあ、お前らには負ける気はしねえな?」


 「だから、そうなってしまってるから、体育という授業にスポーツはないんですよ」


 メッツァは合点がいくが、当然、こんな質問が来る。


 「じゃあ、体育の時間は何をしてるんだい?」


 「例えば、50M走の走り込みとか、スポーツテストに対する授業になるんですよ」


 「サッカーとか、他の競技とかやらないの?」


 「やらないですね。


 体格別に階級分けされて、テストに向かうって感じなんですよ」


 メッツァは感嘆したようすで頷くと、ナタルは聞いてきた。


 「では、ハヤタ様の惑星では、どのような授業なのですか?」


 「だから、サッカーやら、色んな競技をやって、良い動きをするかどうかって評価したりする。


 小学校の時なんか、女子も混ざってたな」


 「うん、僕の国でも、そんな感じだったね?」


 この地球人、二人の同意に驚く異星人達ではあるが、ハヤタは続けた。


 「当然、学年が上がってくれば、体格も違ってくるから、男女別ってなるけど…。


 メッツァさん?」


 「なんだい?」


 「貴方は良いかもしれませんが、部活動で専門的にやってる連中の中に、俺が参加するのは間違ってると思うんですが?」


 これにはメッツァと、反対側にいた耳の良いドロスも吹き出していた。


 「やっぱり、そう思う?」


 そして、メッツァは、その様子を見つめて言う。


 「でも、考えさせてもらうには、コレが一番なんだよ…」


 メッツァは視線の先には、ココネがいた。

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