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新たな大地に花束を  作者: 高速左フック
第四章 ハヤタの眉間が寄る時
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第四十七話

 「必須受講科目…。


 ええと、資料によれば。


 入院中に絶対、学んでおいてねっていう講義かな?」


 「イメージはそういうモンだな。


 他の惑星に住む上で、学んでおくべき常識を学べって話だ」


 「いまいち、僕らにはイメージがわからない事だね」


 「そりゃ、わからないだろうな。


 でも俺らには必要な教養なんだ。


 この手元にある、端末、その手の機械の使い方から始まって、政治形態、生活、福利厚生、オオカミ男にクマの医者がいるなんて事も知らない。


 はっきり言って、無知なワケだからな。


 入院中に学んでおけよって話だ」


 するとワトニーが聞いてきた。


 「でも、ナタルさんは言ってみれば、一級劣等種です。


 そんな勉学は必要ないはずでは?」


 「そこがキッカケなんだが…」


 アポニーはハヤタの良いにくそうな態度に、どうやら何かしら気づいたらしく『ニヨニヨ』しながら聞いてきた。


 「そんなにきっかけになる勉学ってあるのかい?」


 それはとても嫌な笑みだった。


 当然、ハヤタも痛いところを突かれていたので、言葉を濁してしまう。 


 「…教育」


 「うむ?」


 そして、聞こえないので、繰り返す羽目になる。


 「だから、性教育だ。


 どうすれば赤ちゃんは出来るかってヤツだよ」


 「ハヤタ君、一応、ボク、警察関係者だから言わせてもらうけどさ。


 セクハラ?」


 「うん、自分でも思った」


 「子供の作り方を知らないなんて事は、僕は、そこまでキミが無知だとは思えないよ?」


 「そりゃ、俺だって、子供は(コウノトリ)が運んでくるなんてほど、無知じゃないぞ?


 まあ…」


 そこでハヤタは目配せをして、相手を頷かせるのは、相手が一応警察関係者でもあるが、女性からこそだろう。


 「やること、やれば出来る事くらいは知ってる。


 だけど真面目な話。


 …その教材通りに言うけどな。


 異なる惑星人の間で出来る出来ないというのは、こっちは知らないからな」


 それを聞いたワトニーは、なるほどと頷いて言った。


 「確かに遺伝子配列による。


 異星人間(いせいじんかん)のこう配、と言えばいいのでしょうか?


 それは子をなす事は出来ないと、聞いた事があります」


 「ああ、そういう事か。


 そこでナノマシンが遺伝子の調整して、問題の解決をするヤツだっけ。


 つまりハヤタ君、キミはその講義を、同室にいたナタルさんと、一緒に聞いていたというのかね?」


 アポニーの視線、いや、ワトニーの視線もハヤタには痛かった。


 「セクハラだね?」


 はたから見ればそうだろうから。


 「どうしましょう、別件で…」


 警察関係者はヒソヒソと好き勝手に言い始めるので、話さざるを得ない。


 「だから、言うの戸惑ったんだよ。


 言っておくけどな


 当時、日中に、その講義は終了させないと駄目だったんだ。


 調べても良い。


 反対側のベッドにいた、ナタルに気をつかって、音量を1メモリで聞いていたんだぞ。


 でもな、聞こえてるとは思わなかったんだよ」


 ワトニー達が自然とナタルの資料を見ていたので、ハヤタはその画面の説明がてら言った。


 「ヒルデが言うには、ナタルは目が見えなくなって。


 感覚が鋭敏になってるってのは、聞いてたけど、それほどとは思わなかったんだ。


 ナタルにもセクハラ注意されて、めちゃくちゃ恥ずかしかったんだからな。


 そこでヒルデに、イヤホンを頼んだワケなんだよ」


 「あっ、そこでイヤホンが出てくるワケですね」


 「うん、これ以上、音量を下げる事は出来なかったからな」

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