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新たな大地に花束を  作者: 高速左フック
第四章 ハヤタの眉間が寄る時
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第四十六話

 ハヤタの中で、何とか思い出そうとする。


 これは『良くある話』なのだろうか?


 「あのー、すいませーん」


 数日前の話である。


 ハヤタの住むアパートにて、インターホンが鳴り。


 「ヒルデ…は、今日仕事だったな…」


 ハヤタはそんな事を思い出しながら対応に出た。


 「はい、何でしょうか?」


 「あのワタクシ、貴方の惑星に住んでいたモノでして…」


 挨拶も早々に目の前の会った事もない、このおっさんはそんな事を言うので、ハヤタは警戒心が跳ね上がる。


 「…それで住んでいた惑星の者同士で、集まってみようと思いたちまして、本日伺ったワケでなんですよ」


 矢継ぎ早に話す、このおっさんの明るい表情とは裏腹に、ハヤタは冷めた目で話を聞いてのは、入院中の勉強の成果でもある。


 『私は、貴方の惑星に住んでいた』


 『集まってみようと思い立ちまして…』


 …など、そういう言葉を使ってくる人は、基本的に詐欺です。


 「……」


 構文通り、こんな会話内容でホントに接して来るのだから、


 「いいえ、別に怪しいのはわかると思うのですよ~」


 ハヤタは警戒心というか、気味の悪さすら覚えていた。


 「あの…」


 「そうですね、では、代表的な建物とか言ってみてください。


 私は答える事が出来ますからっ」


 その笑顔に、さらに不快感が増す。


 ナノマシンの言語規制によって、答える事が出来ないのだ。


 「ああ、そういえば、寺院や様々な建物の言葉や会話内容って、変換されるのでしたね。


 ですが…。


 そこにある風景や、季節感とか、会話で伝わると思うのですよ」



 ーこの時『さあ、言って来い』と自分の言葉を待つので、そのまま会話を続けるのは、相手は帳尻を合わせて接してくるので。


 ーきっぱりと断りを入れましょう。


 ーそれでも、しつこかった場合、警察に連絡する事をおすすめします。



 こちらとしては『ここまで』が勉強の内容だった。


 しかし、クオウも隣から顔を出して、そこにいるおっさんに絡みだそうとするので、ハヤタは制するついでに、いじわるく答えることにしたのだった。


 「ああ、そうですか、私の惑星(ちきゅう)に住んでいた方なんですか…。


 見る限りですと、私と同じような地方(くに)に住んでいたようですね」


 明るい様子にそのおっさんは、仕切り直すように食いついてきた。


 「はい、そうです、そうです。


 私も貴方の地方出身で、有名な川が流れてるのですよ」


 「川くらいどこでも名前が付いているだろうが?


 おっさん、いい加減…」


 クオウの言う通り、このおっさんを見て、そう思いもしたが、ハヤタは聞いてきた。


 「いえいえ、川なんてより、有名な言葉があるじゃないですか?」


 「ああ、何でございましょうか?」


 「タッカラプト、ポッポルンガ、プビリット、パロ」


 「えっ?」


 これにはクオウも顔を向けるほど、みんなが『きょとん』とした。


 これはハヤタが昔、地球で読んでいた。


 漫画の中での『言葉』だった。


 どうやら地球の言葉は変換されるみたいだが、書物上の造語は変換される事はないらしい。


 「だから、タッカラプト、ポッポルンガ、プビリット、パロ。


 私のよく読む本で流行った言葉だよ。


 意味わかりますよね?」


 「え、ええと私は読書はしないので…」


 「そうですか、男子の八割が読んでいる本の、一文なんですが…」


 ワザとらしくハヤタは疑ってかかるのが、このおっさんは、まだ『大丈夫』だと思ったのだろうか?


 「ええ、申し訳ありません。


 別の言葉なら…」


 そう言ってくるので、ハヤタは遠慮なく。


 「じゃあ、ヤック…」


 「えっ…」


 「……」


 「え、えっ?」


 出てくる、出てくる、『造語』の雨あられで、クオウも察したらしい。


 「どうした、お前の地方の言葉なのだろう?


 意味合いとかあるのじゃないのか?」


 「おかしいな。


 確かに意味合いもない様子とか入れたんだけど、ホントに自分の惑星(ちきゅう)出身?」


 こうなるとからかわれてるのか、それとも本気なのかわからなくなったらしく。


 「あ、あの失礼します~」


 逃げ出す様を見て、クオウは笑いながら聞いてきた。


 「タッカラカ…。


 ハヤタ、なんだそれ?」


 「タッカラプト、ポッポルンガ、プビリット、パロ。


 異星人語だよ」


 クオウと笑いあっていたが…。


 ここは現在、取調室。


 「ほらぁ!?」


 「『ほらぁ』じゃねえ‼」


 こんな所で後悔する羽目になるとは、ハヤタも思いもよらなかった。


 「このナノマシンを規制も通用しない(すべ)を持つ、キミは、つまり忍術を使って、ナタル氏を心変わりを引き起こしたのだよっ‼」


 アポニーは自信を持って指を指して指摘するが、そんな事をハヤタは納得出来るわけがなかった。


 「ちなみに何て、言ってるんですか?」


 「ああ、それは…」


 だが、逆に冷静になってしまい。


 先ほどの『異星人語』を解説し終わる頃には、アポニーに説明する事となった。


 「あのな、言っておくがナタルとの仲にはな。


 キッカケみたいなモンは、一応あるんだぞ?」


 「あったのかい?


 でも、調査した上で言わせてもらうけどさ。


 当時、キミとナタル氏の関係は最悪とまでは言わないけど、悪いといえるだろう。


 やっぱりキミは忍術を…」


 「使ってない」


 アポニーは先んじて制されたが、気に留める事無く考え始めるので、ハヤタはため息をついて言った。


 「入院中に、必ず学んでおかないといけないっていう過程があるのを知ってるか?」


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