第四十五話
どこかのタイミングで言ったか、母星が滅べば、一級以下の惑星の名前は消去される。
そのため、その惑星を調べる事の出来るのは、考古学関係の資格持つ者である。
と、ハヤタは話をした覚えがあるが、
それはアポニーと、取り調べを行った際に知ったことである。
「おや、確信をついたかな?」
ニヨニヨと嫌な笑みを浮かべているが、ワトニーにとっては理解が出来ない単語なのだろう。
アクセントのない言い方で聞いてきたのが、とても印象的だった。
「あのニンジャって、何ですか?」
そして、そのぐるぐる眼鏡を光らせて、アポニーは答えた。
「よくぞ、聴いてくれた。
それは太古の昔から、彼の住む、その惑星が滅亡するまでに存在した。
暗殺、偵察、隠密行動を主とした影の組織、それが忍者だよ」
「秘密警察、という事でしょうか?」
ワトニーのハヤタを見る目が明らかに変わったのが見て取れたが、アポニーは構わず言う。
「古来より、影の組織というのは、消滅したり、別の組織に名を変え、変貌したりもする。
だが、この忍者だけは違う性質を見せているんだよ。
判明から、名前を変えず、存在し。
その惑星単語の認知率は、驚異の75パーセント超えなのだ!!」
「それは凄いですね!?」
今度はハヤタが聞きなれない単語を耳にしたので、驚いたワトニーに聞いた。
「75パーセントって、何だ?」
「よほど辺境じゃない限り、
『忍者って、何ですか?』と質問して、ほとんどの人間が答えられるってレベルです」
「それって、凄いのか?」
「惑星を四等分して、25パーセントです。
さっき言った、惑星単語の認知率は大体、この25パーセントを行ったり来たりするものなんです」
いまいち理解出来ない会話内容だが、アポニーは構う事はない。
「それは時代の流れもあるだろうけど、書籍、映像なりで伝来、現地調査して基本的に、こんな諸説は消えていくのも、普通なのだよ。
当然、例外もあるけどね。
でも、君は他の惑星の人たちは、君の惑星の調査もしている聞いた事がある?」
「ええと、惑星観察説ってヤツ、だっけ?」
確か学校でそんな話をした事があったのも思い出しながら、ハヤタは怪訝そうにアポニーを見ているが、彼女は『ムフフ』と頷いて言う。
「随分と風流な言い方をするんだね。
でも、明らかに技術レベルが違い過ぎる我ら側の調査力をもってしても、完全に解明には至らなかったのだよ。
どのような組織でも、何かしらの痕跡を残すというのは、歴史が証明している。
しかし、世界各国で『いるかもしれない』というレベルまで言われ続け。
それでも表に出ることもなかった。
影の組織。
今や『ニンジャ』は…」
アポニーは溜めは、
「高度な考古学用語に、発展してるのだよ!!」
ハヤタを呆れさせ。
「どおりでナノマシンの言語規制に、引っかからないワケだけど…。
何をふざけた事を、調査に持ち込もうとしてるんだ、お前は?」
彼に、当然の返答を返す。
「ふざけてなんかないよ。
でも、そう考えると全てのつじつまがあうのだよ」
「忍者が忍術を使って、ナタルの心を動かしたってか?」
「んっ、そんな事、出来るんだ?」
「えっ、出来るのですか?」
「出来るワケがねえだろ…」
ワトニーまで続くので、ハヤタは頭まで痛くなるのは言うまでもない。
だが、アポニーにとっては。
「ニンジュツ、ニン、ジュツ、忍術!!」
「あっ」
目を輝かせる発言だったのに、気づいたのは迂闊だった。
「ナタル氏の心境の変化は、キミは忍術を使ったからだよ!!」
「本題を見失ってないのは、ありがたいけど。
お前!!
ホントに何を言ってるんだ、お前!?」
警察関係者であろうと、こうなるのは無理もない。
そして『ムフフ』とアポニーは、懐から自身の端末を取り出して言う。
「では、君が忍術を使った。
証拠を見せようじゃないか…。
ワトニー、さっきまで私がどのような事を、事件を追っていたのか知ってるかね?」
「集団詐欺の摘発でしたね?」
「ハヤタ君、彼に見覚えはないかね?」
そう言って、アポニーの端末から映し出された人物をみて、ハヤタは言った。
「見覚え…。
いや、悪い。
見覚えが、ないな?」
「そんな事を言わないでよ。
話が進まないではないか?
まあ、勝手に進めるけど…」
「いや、進めるなよ」
「でも、最近、君にも覚えがあるはずだよ。
『ワタクシ、貴方と同じ惑星に住んでいた者だ』と、人が訪ねて来ただろう?」
その点に関して、ハヤタは合点が言った。
「ああ、あのおっさんか?」




