第四十話
「コバヤシ・ハヤタ君?」
どこにでもある出席確認、しかし、そこに返答する声はなかった。
それにはパンチは気にはなりもしていたが、クラス担任のキョコ先生は思い出したように言った。
「ああ、そうでしたね。
そういえば、連絡がありました」
『欠席』の欄にサインをしている様子を、パンチは空席となったハヤタの席を見ていたように、それは生徒会でも、話題となっていた。
「ハヤタ様は一体、どうしたのでしょう?」
「ナタル、ああいう元気が取りえだけの男でも、体調を崩す時は崩すわよ」
そこでリッカは笑いながら答えた。
「いや、今回はズル休みだぞ?」
「アンタね…」
冗談で言った雰囲気を感じたので、ミミミは呆れてしまう。
「いや、根拠はあるって、偶然、ハヤタに会ったんだよ」
「体調、悪そうでした?」
「いやいや、全然、元気。
そこでさ…」
リッカは口ごもるのを見て、ミミミは勘ぐる。
「何、ズル休みするって、言ってたの?」
唇の乾きを感じ、ミミミは水を口に含む当たりでリッカは答えた。
「いや…」
ミミミは水を口に含むと。
「逮捕されてくるってさ」
それは、もう咳き込む。
「き、汚えな!!」
リッカは睨みはしたが追求はしなかったのは、ナタルの表情が見えたからだった。
「ま、まあ、冗談で言ったと思うんだ。
本当に問題あったら、学校側から何らかの処分があると思うからな」
しかし、こうなると一同が向かうのは言うまでもない。
「…誰もいない」
ミミミツをおいて。
「ミミミ、ナタルはわからんでもないが、何でお前までついて来るんだ?」
「あれでも生徒会の一員なのよ。
ズル休みするのは、注意しないといけないじゃない」
「まあ、そうだけどよ…」
三人はそういう事を言いながら、ハヤタのアパートに着いた。
当然、チャイムを押すのはナタルだったのだが、
「ハヤタ様?」
日も沈みかけた、そのドアは何の返事も返ってこなかった。
『逮捕』という単語が先にあったためか、一同に不安がよぎるが、それを打ち消したのは、
「お、ナタルじゃねえか?」
クオウだった。
「あっ、クオウ様」
そのクオウ様は、頭を掻きながら答えた。
「その様付けは、やめてくれ。
というか、揃いも揃って、ハヤタに何の用だ?」
「実は…」
ナタルは事情を説明すると。
「ああ、なるほどな…」
クオウはどうやら心当たりがあるらしく答えた。
「うん、まず逮捕されるというのは、アイツの冗談だ」
「やっぱりね…」
ミミミは何となく察してはいたが、安心していたが、クオウはその表情は明るくなるのを止めて言った。
「だがな、今、警察の世話になってるのは事実だ」
「どういう事よ?」
「ああ、それは…だな…」
「あれ、どうしたのよ。
みんな、揃って?」
クオウは言いづらそうにしていると、ヒルデも帰って来た。
「いや、あの例の件だよ。
コイツらにどう言えば、良いのやら…」
ヒルデは集まったメンツでおおよそを察して、ハヤタの部屋のカギを開けた。
「そうね、とりあえず話が長くなるでしょうし。
部屋に上がりなさいよ。
クオウ、あなたも来る?」
「いや、知ってるからな、説明をしてやれよ」
ヒルデはクオウも促すが、彼が断りを入れたので三人をハヤタの部屋へと促した。
そして、全員を座って、自分も身支度も終えたので話し始めた。
「まず、警察にお世話になったけど、決して彼は悪い事をして、世話になったってのは無いわ」
ヒルデは作為的にナタルを見ると、
「やはり、そうでしたか…」
何かしらを察していたナタルが肯いていた。
「やはり、そうでございましたか…」
「ナタルちゃん、数か月前、貴女が入院中、彼と何をしたか覚えているでしょ?」
ナタルは焦りもあったが、ナタルのその返答に思い当たる節があった。
「一体、何があったのよ?」
当然、ミミミは知らないので聞いてきたので、ヒルデは説明する地点を探り当てて言った。
「そこから話す事にするわね。
彼が…」
それは入院、していた頃の話。
その話をハヤタは警察署の取調室でしていた。




