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新たな大地に花束を  作者: 高速左フック
第三章 ハヤタ、ソラを行く…
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第三十九話


 「随分と言い切るモノね。


 結婚なんて、まだ、考えてない。


 今の生活で手一杯だ。


 そんな手一杯で状況だと、ミスティに迷惑が掛かる。


 だから、ベリルの事を対等に付き合うことを約束してほしい。


 それでこの話は、終わりだ。


 確かにアンタの言い分はわかるわよ?


 でも、似たような競技をしてるのだから、話は合うトコロもあるでしょう。


 そこから付き合う、というのもあると思うけど?」


 ミミミの意見に、


 ……。


 今回は音がしなかったが、ハヤタは確信をもった答え方をした。


 「なら、絶対、やめておいた方がいい」



 ミシミシ…。



 「…?」


 「わからないわね、似たような話題も仲良くなる要因でしょう?」


 「確かにそういう話や、そういう付き合い方をしてるヤツも見たこともあるけどな。


 オレは、もう、あれ以上は出来ないぞ?」


 ミミミも兄の命令があったのもあるが、何かしら聞き出したいからこそ、ナタルには伏せたうえでこういう話をして来たのだった。


 「でも、結構、いい動きをしていたと思うけど、そういうのって、練習すれば、解消出来るものでしょう


 「そういう問題じゃなくて。


 何て言えば良いんだろ、それ以前の話なんだ。


 あれ以上は、身体が動かないんだよ…」


 ハヤタはさらに続けて言うのは、知ってか知らずか、


 「辛くてな」


 周囲を静かにさせた。


 「辛いって、しんどいって事?」


 「いや、これは哀愁だ。


 やっぱりここには『剣道』ってのは、ないんだなってな」


 「ケンドー?」


 「ああ、オレがデュエルでやってた競技だな…。


 ルールは似てるけど、作法も似てるけどやっぱ違うんだなって思ったらな。


 何か知らんが悲しくなってな。


 あれ以上は、動けなくて…。


 正直、つらいんだわ」


 哀愁が伝わったのが、ようやくここで周囲が暗くなっている事に気づいて明るく占める。


 「まあ、無いものにこだわるなんて、やっぱり俺は劣等種なんだろうな」


 そう言って、昼食をとろうと促そうとすると、


 「無くなって悲しいと思うのは普通でございます」


 突然、ナタルがそう言って、ハヤタは驚いてしまう。


 「辛いとお思いになるのは、それだけ大事だったのでございます。


 昔、ハヤタ様は、私にそう言ってくださったでは、ありませんか?」


 そのセリフにあまりにも聞き覚えがあった。


 かつて、ナタルに言ったセリフ。


 少し意味合いが違うとすれば、ナタルは両親が亡くなったという事。


 かつて怒鳴りつけるように、ナタルに言って、自分も泣いてしまった事も思い出すのには、十分すぎたので照れるというより。


 「そういえばそうだったな」


 妙な納得があったのは、二人にしかわからなかった。


 「ま、そんな気持ちのままで結婚して、仲良くやっていけるとは俺は思えないんだ」


 「そんなモンかしらね?」


 「そんなモンだ。


 ま、一緒に遊びに行ったり、話があったりしたらさ。


 文句はないぞ?」


 「で、では、ハヤタ様、私も誘ってもいいのでございますか?」


 「ま、まあ、構わないがな」


 ハヤタはいきなり詰め寄ったナタルに戸惑っていると、ミミミは目をマジックミラーに目を向けた。


 「と、いう事らしいわ」


 そして、次の日だった。


 ハヤタの元に、こんなメールが届く。


 「今後の友好を深めたいため、この週末にもお会いできませんでしょうか?」


 慣れないホログラム映像のメールに、ハヤタは驚くが、ミミミツは不機嫌であった。


 「どうして、生徒会長の私を通り越して、お前に届くぅ!!」

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