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新たな大地に花束を  作者: 高速左フック
第三章 ハヤタ、ソラを行く…
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第三十話

 「ハヤタよ、全国ってのは、全国って意味だぞ?」


 クオウは『知ってるのか?』という意味合いを込めて聞いて来た。


 「そりゃ、知ってるよ。


 全国大会って、インターハイみたいなモンだろ?」


 その時のクオウの表情が、全てを物語っていた。


 「だから、全国(世界一を決める大会)だっての…」


 「だから、全国(この国の一番を決める大会)なんだろ?」


 完全なるハヤタの見当違いに、周囲は呆れていたのに、ハヤタはようやく気づいた。


 「もしかして、ワールドカップ?」


 と、自分にしかわからない言葉を出して、


 「ワールドクラス」


 クオウは何となく、解答を付けた。


 「そもそも、優良種ってのは、ナノマシン・エキスパンジョンで得意業種を選択はしないような傾向がある」


 「どうして、手っ取り早い方を選ばないんだ?」


 「プライドがあるんだよ。


 どんな惑星の生き物でも、人は何かしら、自分の得意分野、熱心にやろうとする事に、プライド高く着手するような傾向がある。


 ミスティってヤツは、真剣に取り組んでいるからこそ、お前に正々堂々と勝負を挑む事にしたんだろう」


 そんな回想を思い出して、そんな想いを汲んで、ハヤタは、


 「笑いを取るのか…」


 「…とってねえよ」


 会場は『どっ』と笑いに包まれていた。


 「な、ななな…。


 何ですの、その格好は!!」


 ミスティは、当然、ハヤタに怒りを向けていた。


 「うん、それは周りにも言われたよ。


 だがな、決してふざけてないからな?」


 「男性の貴方が女性モノの履き物を履いて、私の前に現われる事が侮辱で無いと?」


 「コレは『ハカマ』って言ってな。


 確かにこれは女物のスカートを縫い合わせて作ったもんだが、こんな感じのズボンが俺のトコの正装なんだよ」


 この当たりをちゃんと説明しながら、ハヤタはリッカからもらったスカートで作ったハカマの形状を見せて、彼女を納得させた。


 「確かにスカートとは違いますのね。


 ですが、力を磨く事から入るのでは無く、形から入るなんて、劣等種らしい発想ですわね?」


 「そりゃ、どうも…」


 確かに自分は女性のスカートを履いた、変質者に見えるのかも知れない。


 だが、当のミスティの軽いプロテクターなのはわかるが、何かしらのショックを吸収する効果があるのだろうか、その下の服装は全身タイツなのだから、


 「お前は、悪くないんだろうがな…」


 少し下心が見えそうになったのを隠すように、ハヤタは身構えて言った。


 「とっとと、始めよう。


 皮肉り合うために、ここに来たワケじゃないだろ?」


 「言われなくても…」


 二人とも開始線に並び、周囲が静かになる。


 その静寂は、どこの世界でも共通だった。


 ブザーが鳴り、


 「しゃあ!!」


 ハヤタが声を上げた。


 次の瞬間、ミスティが一気に間合いを詰めて斬りかかってきた。


 「う、うおっ!!」


 何とか受け止め、ミスティはつばぜりあった状態で言った。


 「相も変わらず、品の無い奇声です事…」


 「悪いな。


 クセは直らないモンでなっ!?」


 突き放したのを狙って『てー!!』と、ハヤタは小手を狙う。


 だが、ミスティは軽々と避けてしまうので、機嫌悪そうに構え直し。


 「声と一緒の箇所を、打たないとポイントにも、ならないんだよ!!」


 再度、ハヤタは攻撃を放つ。


 狙いは彼女の右手、


 「てー!!」


 その瞬間だった。


 「何ですの!?」


 彼女の反応が遅れた。


 慌てて受けて組み合ったのを、チャンスと次の攻撃は彼女の腹部を狙う。


 「ちぃ!!」


 それを避けられ、ハヤタは悪態を着くが、ミスティの反応の遅れを見逃さなかった。


 「良し!!」


 たたみ込むように攻撃を繰り出すが、


 「甘いですのよ!!」


 ミスティもこの競技の選手だった。


 守ってばかりではいけない。


 そんな考えにたどり着くのが早かった。


 攻撃という名の防御、


 「すり抜け、な!!」


 そして、競技独特の剣の攻撃方法にハヤタを驚かせ、間が出来てしまい。


 「う、うお!!」


 組み付かれてしまう。


 「良く片手で、防御出来るな?」


 純粋な力比べなら、有利だとハヤタも思いしたが、一瞬でも気を抜くと、打ち込まれる雰囲気があったので油断できなかった。


 「貴方の方こそ、やるではありませんの?」


 ミスティも感心した様子を見せて、嫌味を言う。


 「貴方、自分のナノマシンに『剣術』を促進させてますの?


 劣等種のクセに、道楽をエキスパンジョンするなんて、良いご身分です事ね?」


 さすがにわかりやすいので、ハヤタは苛立って見せる。


 「なめるなよ、これでも一人暮らしの身なんでな…」」


 幸い、男と女の腕力差で、


 「オレの、ナノマシン・エキスパンジョンは…」


 突き放す事が出来たハヤタは、


 「料理だ!!」


 何とも言えない威勢の良さで飛んだ。



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