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新たな大地に花束を  作者: 高速左フック
第二章 ハヤタ学園で何をする?
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第十話

 「良いのかな~?」


 つまり、一級劣等種が取る昼食というもの、想像出来ないワケであって…。


 「もしかして、お前が出向いて行かにゃ、ならんのじゃないのか?」


 ハヤタは自然と不安になっていたが、隣のサル顔に注意を向けた。


 「んで、何でパンチがいる?」


 「何でって、そりゃひでえな。


 一級劣等種に招かれたんだろ?


 俺も、おこぼれに預かろうと思ってさ~」


 「ただが昼飯だろう?」


 この友人パンチは『嬉嬉々(うきき)』としていた。


 やはり学生身分というのは、出会いを求める。


 そういうトコロはどこでも一緒らしく、ハヤタにしても理解があったので、ここまで言うのに留め、一応の注意をする。


 「なら『大人しくしとけ』とまでは言わないけど、もし、ナタルの友達を連れて来ても、我慢はしとけよ?」


 「何で、我慢せんにゃならんのよ?」


 「ナタルは色々あったから、そんな事は無いけどさ…。


 やっぱり、相手は一級劣等種だからな。


 あの子の知り合いに、キッツいのいるから」


 「そんなにキツいのいるの?」


 パンチは不安になるが、ハヤタは昨日の思い当たりを口にした。


 「うん、特にキッツいの、昨日、経験したからな~」


 「うわあ…」


 パンチにしても一級劣等種が、どういうモノなのか思いあたる節があったらしく『不快ふきゃ』としていた。


 「まあ、その辺は我慢するしてくれよ?」


 待ち合わせ場所は、劣等種側通路の食堂で良いという事なので、周囲、リッカを含む巨人集団の通過を見送っていると、声がした。


 「ハヤタ様、お待たせです」


 周囲が見慣れぬ優良種を見て、驚くのを尻目に、ナタルが嬉しそうに走り寄ってきた。


 「ナタル、走らない!!」


 そして、それを制した付き添い、ミエ・ミカ・ミラもした。


 「ミミミ、大丈夫です。


 ええと、そちらの方は…?」


 「ああ、パンチって言うんだ。


 …同じ劣等種」


 ハヤタは少し『劣等種』という単語に少し抵抗があって話をしていると、


 「ナタルを同じ劣等種と言わないでほしいわね。


 貴方達は二級、三級の劣等種、一級劣等種は優良種と同じ扱いだというのを知りなさい」


 昨日と相変わらずの態度だが、少し違う感じがしていた。


 「コバヤシ・ハヤタ、貴方の事をナタルから聞いたわ。


 あの時、世話になったみたいね」


 「ああ、入院の時か、気にすんなよ」


 「お礼と言っては何だけど、食事に付き合ってあげるわ」


 だが、この態度である。


 パンチは彼女の性格のキツさを何となく察し、苦い態度をとるのも無理も無い。


 だからこそ、反撃である。


 「トコロでナタル。


 ミミミって、何?」


 「ええ、ミエ・ミカ・ミラ。


 呼びにくいですので、ミミミって、呼んでます」


 ちなみに何となく察した上での質問である。


 見るとミミミは顔を真っ赤にしていた。


 「ナタル、ここでそんなの言わない!!」


 ミエ・ミカ・ミラ。


 以後、彼女はミミミと呼ばれてしまうのであった。



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