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[完結]私は、幸せになります  作者: ちゅらちゅら
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 やっと家を出て学院の寮に入ることが出来た。 

カバンを開いて1年次必要なものを取りだした。

クローゼットに洋服と制服を掛ける。数枚しかないのであっという間だ。

他の荷物を広げそれそれの棚や引き出しに収めていった。

魔法の鞄から学用品に靴、下着、服が次から次と願えば出てくるの。洗面道具から 

キッチン用品にカップに紅茶まで入っていた。

不足なものを確認して、明日にでも街に買い物に出かけないと。

あとはお休みの日に仕事を探さないといけない。

自立するためには資金が必要になる。

在学中も学費以外にも細々したものを購入することになる。

今は、背も小さく痩せぽっちでも大きくなれば服も買わねばならない。

その時は、少し明るい色の服を買ってみたい。そんなことを考えることも楽しい時間だった。 


 夕食はメリーが持たせてくれたまるパンにおにくと野菜の挟まった物とミニキッチンで

紅茶を入れたもので済ませた。十分にお腹が膨れた。

屋敷では部屋からほとんど出たことが無かった。時々部屋の様子を伺う気配がしていた。

継母もダイアナも直接話しかけてくることはないが私の存在が疎ましく思うようであった。

私は、なるたけ気配を消す。部屋を出る時は息を殺して図書館や厨房に向かった。

そんな生活をしていたせいか人の気配に敏感になり気配を消すのが上手くなった。


 部屋が片付いて食事が終わってから母の手帳を開いた。まだ幼さが見える字が並んでいた。

母の母、私の祖母から引く継いた魔法をつたない字で書き綴っていた。

母の成長に合わせ字は私の知っている母の字になっていった。


 最初のページには、幼い字で 


          きょうから まほうのべんきょうが、はじまる



おとうさんには、ないしょ。

ひとのいるところでまほうはつかわない。

         おかあさんとわたしのひみつ


これは、初めて魔法を教えてもらうときのおばあ様との約束なんだろう。

母のワクワクした様子と秘密の共有の嬉しさが溢れていた。


 初めは、魔力の動きを感じて、体中に張り巡らす。

次に生活魔法の発現方法。魔力があれば使えるらしい。 

小な光やその風を起こしたり、体を綺麗にしてくれたり生活を便利にするみたいだ。

それからは夢中で手帳を読んだ。母と娘の様子がつたわってくる。

魔法の失敗と成功にワクワクしているのが良く分かる。

次第に錬金術や薬草から薬を作ることが多く書かれていた。


 この世界に魔法があることは知っている。王宮に魔法専門の機関がある。

街には、薬草魔女と言われる薬屋もある。魔石を使った魔道具もある。

しかし 魔力を持つことと魔法が使えるは全然違う。

魔力量が多くても魔法を発動できるとは限らない。

魔力を使いこなすには、学ぶことが必要になる。

貴族で魔力のある者は家庭教師に指導を受ける。貴族の特権として魔法がある。

ソフィーの知っている知識はこれくらいしかない。

母はソフィーに魔法の手ほどきはしてくれなかった。

母はソフィーを普通の子供として傍に置きたかったのかもしれない。


 魔法に失敗して 叱られたことも載っていた。祖母の厳しさに泣き言も書いてあった。

母もこんな風に私に魔法を教えてくれたらよかったのに。それとも 母は、魔法が使えることを

屋敷の者に秘密にしていたのかもしれない。

父がいないせいで屋敷の事を全部やって 私を育てるだけで精一杯だったんだろう。


 小さな光と優しい風、清浄の生活魔法が翌朝には、出来るようになった。つまり徹夜していた。

それから 仮眠をとり もう一度手帳を開いた。 薬草魔女になると、生活に困らないと言っていた。 父からもらったお金と母からもらったお金は、減らさないようにしないといけない

学園で良い成績を取れば、家庭教師になることが出来るし 文官の道も開ける。

魔法も大事だが、勉強は、頑張っておかなければいけない。












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