20
仕事始めて、半年ほどたったころ財務部長に呼ばれた。
「君は、モンゴメリー男爵家の娘だったんだね」
さすがに情報を集めるところ、わかってしまうわね。
「いえ 3年前に貴族籍を除籍しています。今は平民です」
「どうして除籍されたのか、聞いても良いかな?」
いずれは、わかることなので、ダイアナの事も含め簡単に説明した。
「そう簡単に跡取りの籍を抜くことはないのに」
「跡取りをダイアナにしたかったのです。私の母とは、政略結婚だから・・・モンゴメリー男爵の税務の書類は、偶然です。 ただ興味があって詳しく調べてしまったけど」
「それは分かっている。不審に思っていない。ダイアナさんは、男爵家を継ぐつもりは無いようだよ。今まで付き合った子息は、格上の跡取りが多いい。第二殿下は、臣下降籍しても男爵家までは、降りることはないと思うな」
「冷たいようですが、ダイアナとは、屋敷でも顔を合わせたことが無いのです。まして学園に入ってからは、別邸からの通学でした。私は、寮住まいです。さらに平民になっていましたので」
「あっ ダイアナに扇子で殴られた時、彼女は、君の事をわかっていたかい?」
「全然わかっていません。平民の特待生と呼ばれてましたから」
「ふ~ん 君の事知らなかったんだ。ところで君は、魔法使えるかい」
ドキッとした。魅了の魔法の事がある。でも魔法が使えないと嘘は、つかない方が良いだろう。
「実は、知らなかったのですが、魔力があることを学生になってから知りました。ただ・・・
魔力はありますが、生活魔法がわずかに使えるだけです」
「お父様は、知っていた?」
「いえ 父とは、ほとんど一緒に暮らしたことも話したこともなかったので、知らないと思います。
母が、魔法を使えたかは知りません。学生の時、生活費を稼ぐために働いた先で、雇い主が気が付いて 手ほどきしてくれました」
「生活費か・・・・」
「ダイアナが魔法を使えたなら、父は自慢していたと思うけどそんな話学院でも聞いていません。
継母は、きれいな人でした。魔法か、わかりませんが父を魅了したのは、確かです。平民から男爵夫人ですから。ダイアナが、特別の力を受け継いだかはわかりません。継母の腕輪を身に着けています。
とても大事にしていてます。それくらいしか わからないです」
「今 男爵家の事とダイアナさんの事が問題になっている。君に関係ないが、
色々聞かれるかもしれない。僕の方からも報告しておくけど。何かあったら知らせるね」
「ありがとうございます」そう言って部長の部屋をあとにした。
ダイアナの魅了の魔法か、第二王子の事が関係している。だから 私の所に 探りを入れてきた。
エマさんが、自分の魔力を使って魅了をかけ続けることが出来ると言っていた。ダイアナは、
魅了について、何処まで知っているのだろう。今までの事を考えると 自分の意志で
彼らを操ったのだろう。ソフィーには、関係ないことだ。
ダイアナは、学園の卒業パーティー会場から 王宮の離宮に隔離されて半年たっだ。
ダイアナ本人には、王族との婚約に向けての妃教育を受けるためということで離宮に滞在させていた。。
そして 彼女の胸には、空の魔石のネックレスを装着させている。空の魔石には、魔力を吸収するよう
仕掛けがしてあるため ダイアモンドのように透明なものが 少しづつ魔力を蓄え色を変えていく。
その間に 精神干渉について、研究されていた。
ダイアナと付き合いがあって、おかしくなった子息も集められた。
魔導師の鑑定で、すべての学生と殿下が、精神錯乱の状態と表示されている。
ダイアナと会わなくなってしばらくは、狂乱状態になり その後 うつ状態になっていく。
食事さえも食べなくなり やせ衰えていく。肉体を維持するために、回復魔法をかけながら、
少しずつ食事を食べさせ 体を動かし 声を掛け続ける。精神が肉体に引っ張られて、ゆっくり
回復するのを待つしかなかった。
手探りの治療の中、重症のセドリックと殿下以外の学生は、回復がみられてきた。
誤字脱字報告ありがとうございます。