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第9話

「マールルよ。久しいな」


「お久しぶりでございます。ヴァニカル陛下」


 モーカル街から戻ってきた僕たちは、王都に行き、国王、ヴァニカル様の元までやってきた。

 ...というか来れるんだ。タイセイのぶっ飛んだ発言がまさか現実になるとは...。マールルいるし何とかなるかなと心のどこかで思ってはいたけどホントに何とかなっちゃったよ...。



 数時間前、モーカル街にいた僕たちは、タイセイの一言で一旦落ち着...くわけもなく、街を出る時はもちろん、嘔吐に向かう道中も結構な言い争いをしていた。主に僕を除いてだけど。


「おおおお王様に会うなんてそんなぶっ飛んだこと出来ると思います!?」


「だからさっきから話してるじゃん!マールルのクルセイダーとしての権力使って会いに行くって!」


「それ権力乱用じゃないですか!マールルはそれでいいんですか!?」


「いやまあ、魔王城の1件もあるし、理由は十分あるから大丈夫だと思うんだが...」


「無理です無理です!王様に会いに行くとか!!というかマイラはどうなんです!?」


「...ん?あぁ僕?まあ、いいと思うけど...」


「うわーん!みなさんがいじめてきます!!」



 とまあ、こんな感じにルイ泣き叫ぶルイを引っ張りながらここまで来ていた。


「話は聞いておる。モーカル街の近くに、魔王城が発見されたとか」


 ...流石王様だな。情報収集が早い...。


「そして、マイラとやら。そなたはその魔王城に行ったと聞いた。何か情報得られたか?」


 言えるわけないでしょ...。魔王本人に会ったとかお茶会したとか...。そもそもなんの情報も得てないんだから...!得た情報と言えば僕の存在とかだけど...。


「なるほど。そなたは情報収集をせずに、魔王とお茶会したと...。して、そなたの存在とは何だ?小耳に挟んだ程度だが、そなたはレベルMAXのバグ持ちと聞いたぞ?」


 ...え!?なんで心読まれてるの!?ヴァニカル王の発言で場の全員がザワザワしてるし!みんなすごいこっち見てる!!


「...混乱してるようだな。ひとつ言っておこう。余の前で隠し事はできん。思考が読めるからな」


 思考が読めるだって!?そんなの聞いてない!


「言ってないからな」


「思考にツッコミ入れるのやめてもらえません???」


 そう言った瞬間、周りがシーンとなった。

 ...あ、やべ王様に反論しちゃった...。

 凍りついた場だったが、ヴァニカル王の笑い声が響き、


「そう怯えずともよい。余は暴君でいるつもりは無いからの」


 ふぉっふぉっふぉっと笑う王様。対して家来のみなさんはほっと胸を撫で下ろし、タイセイとルイは腰を抜かしていた。

 そのときだった。


「あんまりいじめないでやってくれないか?ヴァニカル」


 僕としては聞いたことのある声が響いた。というかなんでここに来たの...?魔王さん...?

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