第7話
その後無事、グリフォンの目玉を届け、少ない報酬をもらった僕たちであったが...、
「なんでみんな家にいるの...?」
何故かみんな家にいた。しかも用意されているご飯食べてるし...。というかおばさんよくこれだけの人数分作れたな...
「そりゃ、金もかかるし、全員所持金多いわけじゃないし」
「それで、ちょっと事情を話したらいくらでも泊まっていいってことなので」
「ちょっと待っていくらでもって言った??」
え、じゃあ、パーティー解散するまでここにいるの...?
「まあまあマイラ、いいじゃない。あなたの仲間でしょう?」
「だったら、もてなさない訳にもいかんだろう」
と、おじさんおばさんの言葉にうんうんと頷く3人。
いや、だからっていくらでもここに居ていいはとは流石に普通じゃ言わない。
「まあまあそういうことだから、これからよろしくね
な。マイラ」
ポンポンと、僕の肩を叩きながらそう言ってくるタイセイ。その笑顔に若干の悪意を感じる...。
という訳で、僕の家に居候者が出来ましたとさ。
翌日。ギルドに向かうと、なんだかザワザワしていた。何事かと掲示板に向かうと...、
「「「「....え?」」」」
開いた口が塞がらないとはこのことか、みんなポカーンと口を開けている。
だって、こんなクエストが張り出されてたんだから...。
『モーカル街で、テラゴブリンが5体出現。討伐依頼。成功報酬5億G」
5億...?ご、5億...?徐々に体が熱くなるのが分かる。
そりゃみんなザワザワするわけだ。でも...。
「みんなここは...」
「「「やりましょう!!!」」」
まあ、そうなるよね...。でもモーカル街とテラゴブリンかぁ...。正直やりたくないなぁ...。
そう思いつつも、結局僕たちはモーカル街に来ていた。ちなみに、金に釣られて依頼紙の争奪戦になるかと思いきや、意外とすんなり紙を取れた。その理由を僕は知っている。
モーカル街。それはセレブの街。カジノの街としても有名な街だ。しかしその一方で、色々と闇が深い街としても有名で、数々の裏社会事情が紛れ込んでいるのだとか。
とまあ、これだけでわかるように、不穏な空気を醸し出しているギラギラとした街にも一応ギルドはあるので、そこに向かう。そして、依頼主はいた。
「いや〜、マールル様のような最高の騎士様に来ていただけるとは...!感激でございます!部下の方々も大層お強そうで!我々としても安心でございます。はい」
と、わかりやすいゴマすりをする依頼人。いやはや、流石王都の騎士は顔が広くていい。
「歓迎感謝します。グワール殿。早速ですが、テラゴブリンの住処まで案内をお願いしたい」
「はい、かしこまりました。ではこちらの馬車に...」
普段からは想像もつかないマールルの丁寧な言葉使いに若干ひきながら、僕たちは馬車に乗り、テラゴブリンの住処に向かった。
...そして、
「着いたはいいけど...、なんかバリア貼ってない?」
住処の入口と思わしき所に、なんかバリアが貼ってた。しかも、ルイ曰く結構特殊なバリアらしい。なんんでも、このバリアにもレベルがあり、そのレベル以上の人でなければ通れないらしい。そしてそのレベルが...、
「「「レベル90以上...!?」」」
「はい...。調べた結果そのレベルでした...。なので、ここを通れるのはマイラさんだけとなります...」
なんてこった。明らかに使えない僕しか通れないって詰んでるでしょこのクエスト...。
「じゃあ、行ってきてくれ」
「!?!?!?」
そして無慈悲に行ってこいと命じるタイセイ...。人の話聞いてた???
「これ以上立ち止まってもあれだし、ちょっと中を見てきて、そこから考えようぜ?」
「...それもそうですね。強化魔法とかは掛けときますので」
「バリア解除出来ればしてきていいぞ」
と、みんなにやいのやいのされ、行くことになった。
い、嫌だなぁ...。