最初の修行
一番覚えてもらわないといけないことか……なんだろうか…
順当に考えるなら魔法の種類とか使い方か?まぁ考えるよりも聞くのが早いか
「魔法の種類とか使い方…とか……?」
「いいえ違いますもっと根本的なことです」
この世界の生き方とかルールとかか……?でもそれって俺が異世界から来た人間だとわかっているということなのかエリス達には
流石にそれはないと思うが……
しかしそれ以外根本的なことというものは思いつかない
「わからないようですね主様
最も大事なことそれは魔力の抑え方です」
「抑え方?」
どういうことだ?
「主様は魔力が強すぎるせいか体から魔力がとめどなくそれもかなりの量が漏れています
わかりやすく言えば私が出したあの黒いオーラの数倍以上のものが常に溢れているようなものですかね」
自分ではまったく気づいていなかったけれどそんなに漏れていたのか……
しかしよくよく考えてみれば漏れてたとしても魔力無限だし溢れてても問題ないのでは?
「魔力が溢れていてもかなりの魔力があれば大丈夫じゃないか……?
極端な例で悪いけど魔力が無限に近いくらいあっても漏れてるのを抑えるというのは一番大事なことなのかい?エリス」
「無限にあったとしても私は問題だと思います
何が問題なのかと言いますとまず私生活で不便です
それだけ魔力が溢れていると街の人々に警戒されます……そうですね例えばギルドに入ったとき一瞬静まりましたよね?それはあなたの漏れている魔力量を見て警戒されたからです
次に戦闘時です
まず魔物に漏れている魔力により常に位置が察知されてしまいます……つまり逃げる状態になっても逃げれませんし隠密行動もできません
これは戦い方の選択肢が狭まるのでかなりの問題です
更に本来魔法に込めるはずの魔力までもが漏れてしまい魔法の威力も下がってしまうのでそういった面でも戦闘に支障をきたします」
魔力が無限だとしても漏れていというのは弊害があるということか…確かに重要事項かもしれない
「なるほど……真っ先にしなければならないことだということはわかった
具体的には何をしたら漏れを止めれるんだ?」
喋ってて思ったがずっと敬語だったな……
これからしばらく一緒に生活していくわけだし少しずつ敬語をやめて砕けた言い方にしていこうかな
「そうですね……まずはオーラを体に留めようとしてみてください」
いや無理無理わからんわからんフワッとし過ぎだろ
まぁやるだけやるが…
「よく分かんないけどひとまずやってみることにするよ」
留めるか……やっぱわからんな…こう内側に集中すれば良いのだろうか?
「少し漏れが減りました…そうですね……留めるよりも纏うの方がわかりやすいかもしれませんね」
纏うねぇ……それもよくわからんなぁ…
そもそもの話漏れてるのすらわからないから減ってることも実感出来ないし分からないことだらけなんだよな…
「失礼します主様
主様に触れて魔力の流れを私が留めますのでそれをお手本にして抑え方を掴んでください」
そう言うとエリスは私の背中に触れた
すると体の中の流れが変わった気がした
今まで外に出ていた暖かさをまず感じそれが少しずつ全身をめぐり内側全体が暖かくなってくるのを感じる
それと同時にまるで力が湧いてきてるかのような感覚に陥った
おそらくこれが魔力を留めれている状態なのだろう
この状態をしっかりと覚えねば……皮膚の下に暖かいシールドみたいなものを形成して留めているのかな…?
「こんな感じです私の場合は体の内側に服を着るイメージで少し出る魔力を留めているので参考にしてください主様」
「ありがとうやってみる」
服を着る……留める暖かく…シールド‥‥
さっきのエリスがやってくれたほどではないがかなり暖かくなってきたぞ
「その調子です」
さらに留める………………できない…
シールドをより大きくしようとするとシールドのようなものが壊れ漏れ出す
次はシールドを少し弱めに形成しようとすると薄すぎて漏れ出す
どうやら魔力量が多くてコントロールを上手く出来てないようだ
さっきシールドを形成できた魔力量を入れたつもりでも実際の入れた量とは合わず形成できない時すらある…
これはかなり難しいぞ…
「まだ完全に塞ぐのは無理かもしれない」
「……そうですかなら今日はその状態をなるべく長く維持してコントロールする方法を掴んでください主様
最初と比べてかなり収まってるのでその調子で慣らしていきましょう
しかし最終的には常に漏れ出てるのがゼロの状態をキープできるようになってもらわなければなりません……頑張ってくださいね主様
……さて主様
次は装備品を買いにお店に行くのと冒険者ギルドに行きましょうか」
装備屋はわかる今の俺は武器もないし防具もなくただの服を着ている状態だからだ
しかしギルドに行くのはなぜだ?
「装備屋はわかるけどなんでギルドにも行くんだい?」
「それはですねランクが上がると祝い金のようなものがもらえる制度があるのでそちらをもらいにギルドに行こうかと思っているのです」
正直維持するのが精一杯なのにこのまま歩いたりとか出来る気がしないんだが……
「私は先に装備屋で良さげな武器と防具を見繕っておきますのでギルドにはソフィアとアルテミシアと行ってくださいね主様
ソフィア、アルテミシア主様をよろしくね」
「「はいお嬢様」」
そう言うとエリスは先に家を出ていった
「……それではラジエル様私達も行きましょうか」
といいソフィアも外に向かったので俺はあまり魔力を漏らさないように気をつけながらその後を追った




