迷宮二階
下に降りるとそこには一階と変わらない景色が広がっていた
「気をつけてくださいね主様一階から二階になると魔物の強さも上がってきますので
……下に降りれば降りるほど強くなってきますのでご用心くださいませ」
「気をつけるよありがとうエリス」
…下に降りたのにもかからずエリスは二階と言っていていたことに違和感を持つ……もしかして地下という概念がこの世界には存在しないのだろうか?
そんなことは気にしても仕方ないなと切り替え前へと進む
……少し進むと何やら声が聞こえてくる
耳を澄ましてみるとしゃがれた男性のような声で騒いでいるのがはっきりと聞こえてきた
警戒をしつつ前へと進むと緑色で革(?)のような服と帽子を身に着けている体格の違う人形の生物が複数見えた
小さいのが三体、大きいのが一体おり右手には剣を所持している
「ゴブリン 簡単な魔法と物理攻撃を行ってくる」
「コブリンリーダー 魔法と素早さを活かした物理攻撃を行ってくる」
大きい方がリーダーか……まずは脅威となるであろうリーダーから倒した方が良さそうだな
「ファイヤー」
呪文を唱え火球を四個コブリンリーダーへと飛ばす
魔力を検知したのかゴブリン達はこちらへと気づき向かってくる
コブリンリーダーは火球を避けようと横へと飛ぶが全ては避けきれなかったようで一発が右腕へと命中した
が、そこまでダメージを食らっている様子はなく怒ったような声で騒ぎ始めた
……そこの声で仲間のゴブリンが更に来たら面倒だなと思いつつ向かってきた三体のコブリンの攻撃を避け一体を短剣で斬りつける
ゴブリンは案外柔らかいようで一撃で腕を切り落とすことができた
切り落とされたゴブリンは叫びながらも他のゴブリンと共に残った方の手で攻撃してくる
それを避け斬りつけようとした瞬間こちらへと向けて火球が2つ飛んできた
俺はその火球を避けることができず体へと直撃し後方へと飛ばされ地面を転がる
……が、立ち上がれないほどのダメージを受けたようではないようですぐに立ち上がることができ体制を整えることができた
「ウィンド」
倒れている間にと突っ込んできたゴブリンに向けて風の刃を飛ばす
それにより最初にいた三体のうち二体のゴブリンを切り刻むことに成功する
そして残ったゴブリンが驚いている間に首を切りつけ倒す
新しいゴブリンが来る前にゴブリンリーダーを片付けるため相手めがけて突っ込む
「ファイヤー」
前へと突っ込みつつ前方に火球を飛ばす
向こうも負けじと火球を飛ばしてくる
「ウィンド」
それを風の刃で切り伏せ勢いをそのままに火球の後ろからゴブリンリーダー目掛けて突っ込む
するとゴブリンリーダーは後方へと飛び土の壁を発生させ火の玉を防いできた
俺は減速することはせず短剣に魔力を込め土の壁を破壊しそのままゴブリンリーダーへと攻撃を仕掛ける
ゴブリンリーダーは少し驚いた顔を見せたあと武器を振り上げる
その振り上げた腕を振り下ろす前に切り落とし更にもう一撃と首に向けて切りかかるが、ゴブリンリーダーは体を後ろへと反らせすんでのとこで回避し残った片腕を地面へとつけると後方へと飛び距離を取ってきた…それを追いかけ切りかかろうと近づくとゴブリンリーダーの後方から小さな火の玉が四発飛んできた
「ウィンド」
その玉をまた風の刃を前方に発生させ切り落としそのまま突っ込みゴブリンリーダーの首を切り落とす
するとその様子を見た後ろのゴブリン達は叫ぶと逃げ始めた
それを追いかけようと足を踏み込む前に4体のゴブリンの首が同時に何故か地面へと落ちた
……いつの間にかゴブリンたちの死骸の横には禍々しい色の鎌を持ったソフィアが立っていた
ソフィアが移動したのも切りつけたのも視認できなかった……エリス達との実力の差というものは俺の思っている以上にありそうだな
「お疲れ様ですラジエル様
逃げようとする敵相手では戦闘経験をつますという目的を果たせないため時短の為始末させていただきました
……では回復して前へと進みましょうか」
ソフィアに回復魔法を使ってもらい前方へと進む
……しかしゴブリンたちは出てこずすぐに下の階段へとついた
迷宮という名前だが今のとこ一本道しかないなと思いつつ下へと降りた




