1/1
日常との乖離
<変化> それは誰しもが望むものだろう。
ほんの少し前まで私も憧れを抱いていた。
別に異世界に行ってみたいなんて考えているわけではない。
個性的な転校生が来たり、街角で事務所のスカウトを受けたりだとか、些細な少女漫画のような変化を望んでいた。
だがしかし、実際に起こった変化は、自分の望みとは全く違っていた。
それはドロドロと自分の身に這い寄ってくるかのような渾沌だった。
悶えることも、遁走する間もなく、とてつもなく大きな深淵へと引きずり込まれてしまった。
渾沌と交わることで手に入れた物もあったが、失ったものの方が遥かに多い。
戻れるのならば、あの日へ戻ってすべてをリセットしてしまいたい。
始めまして柚木です。
この度、小説家になろうに投稿することになりました。
文藝は5年程の経験があります。
このシリーズを書き切れるように励んでいきます。