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ロボ娘のち少女、ときどきゾンビ  作者: 京衛武百十
ふたりの章
72/115

お茶会

以前、メイトギアのコミュニティ近くを通りがかった時にはまったく歓迎されていなかったからとにかくすぐさま通り過ぎることを心掛けた。けれど今回は、警戒はされつつもおおむね歓迎されてたのが分かったことで、これも現在の惑星リヴィアターネの景色ということもあり、それを記録する為に数日間、留まることになった。


プリシラHUK577を代表とし、アマンダTG4、ドロシーS6TTK、ベルリネッタLLO10、桃花タオファ36の五体が暮らすそのコミュニティには、三人のCLS患者がいた。


六歳くらいの女の子、エレナ。十歳くらいの男の子、カール。三歳くらいの女の子、白花パクファ


元は別のコミュニティにいたらしいけど、そこが、『CLS患者は絶対処置する』と考えるメイトギアに襲撃されて壊滅。たまたまその時に集落を離れてたことで難を逃れた彼女達がそれぞれ集まってここに新たなコミュニティを作ったということだった。


プリシラHUK577が住居としてる家で、まるで人間ようにテーブルを囲んで<お茶>にする。


大手メーカーの一部の高級機には、<毒見>をする機能もあって、実際に口から食品や飲料を摂取することもできた。もっとも、その後は、腹部のハッチを開けて紙パックに封入されたそれを取り出して捨てる形になるからあまり意味はないんだけどさ。


あくまで人間と一緒に暮らしていた時にそうしていた習慣を再現してるだけなんだ。


この時、お茶を飲むことができたのは、プリシラHUK577、ドロシーS6TTK、ベルリネッタLLO10の三体以外には、リリア・ツヴァイだけだった。CLS患者は生き物を襲って食べるけど、お茶を飲んだりはしない。


その場で、コミュニティが襲撃された時の話をしてくれた。


「私達のコミュニティを襲撃したのは、すべて同一の機体でした。タリアP55SIと呼ばれる機種です。基本的に軍に配備されることの多い機体ということもあってか、非常に命令に執着し柔軟性に欠ける機体でした。それが超振動ブレードを装備して、次々とコミュニティを襲撃していたんです」


というプリシラHUK577に続いて、ドロシーS6TTKが、


「そのタリアP55SIは、信号を発信する機能が破損していて、接近に気付くことができませんでした。視認できた時には既に村に侵入していて、私はそのことを通信で知ったのです。村に戻るのは危険と判断して、この子を連れて逃げたんです」


と言いながら、傍らにいたカールという男の子のCLS患者の頭を優しく撫でたのだった。



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