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我が儘に異世界を  作者: かでぃー
第一章 クラス転移
9/66

戦闘

女子サッカーギリギリだったけど勝った~♪ヽ(´▽`)/男子もつづけ~


すいません サッカーを観ていて遅くなりました。

翌朝王宮内は騒然としていた。


異世界からの召喚者1つが消息不明になったからである。


しかも、只居なくなっただけではなく、その部屋は荒れており壁に斬撃の跡や血痕まで残っていたのだ。更に窓が開いておりその下には血痕となにかを引き摺った痕がある。


巡回中の兵士がこの引き摺った痕を見つけ、発覚したのだった。


「何者の仕業だ?」「王宮に侵入者?」兵士達から憶測が飛び交っている。国王は騎士団長達を召集し緊急の会議を行っている。廻達は訓練所に集められ待機を言い渡されていた。


いつものこの時間は活気に溢れていたが、今は皆が静かだった。廻は頭を抱えて踞り、早乙女は泣きながら藤居に抱きついていた。


そこへ会議を終えた国王と宰相その後ろからノラハズ騎士団長がやってきた。


「皆、聞いてほしい。今朝1人の救世主が消えた。彼は恐らく魔族に連れ去られたものと考えられる。そして彼の生存は正直絶望的だ。彼の供養の為にも皆には更に奮起してもらう。」


そう告げる国王はゆっくりと全員を見渡す


「その為に予定を繰り上げ本日の正午よりダンジョンに行き、各々を強化するように。そこには、ノラハズ騎士団長以外の団長も同行させる。以上だ。」


言い終わると国王と宰相は足早に立ち去っていった。国王が立ち去り、ノラハズ団長がうごこうともしない皆へ


「聞いての通りだ。これより準備に取り掛かれ!」

「ちょっと待ってくれ!どうして死んだと決めつけるんだ?捜索隊とか編成して脩司を探してくれよ」

「魔族は我々よりも強力な力を持っている。武器が使えず、能力値も低い彼が生き残ることは不可能だ。」

「だけど・・・」

「信じられないだろうが受け入れろ。そして、強くなり仇をとってやれ」


必死に捜索を嘆願してくる廻を一蹴し、行動へ移られせていく。






~~~~~~~~~~~~~~~~~




「あぁ~やっちまったな」

『んだぁ~後悔してんのか?』

「そんなわけないだろ」


ボーティアス国の南に位置する雑木林の中に脩司はいた。

昨晩部屋の傷を訓練用に貰った短剣で試しにとベルガと入れ替りつけてもらい、自分の血を使って連れ去られたように作画してから木こりの仕事で教えてもらった抜け道を使い王国を抜け出したのだ。


『こっからどうすんだ?』

「まだ、弱いままだから遠くへは行けないな。来週行く予定のダンジョンに行って能力上げだな。」

『折角出たのにアイツ等にかち合うんじゃねぇか?』

「それは問題ないんじゃないか?普通捜索して延期になるだろ。」


脩司の考えは甘かった。自分の捜索で時間が掛かり、ダンジョンに来るのは遅くなるだろうと。


「行くとするか」


王宮で覚えたダンジョンの場所へ向け歩きだした。

ボーティアス王国は大陸の東野位置に存在していた。北に魔族の領地、南は獣族の領地がある。そして西側には竜達が生息していた。

これから向かうダンジョンは王国から南東部に当たる場所であり、そこまで遠くはないので街も存在しない。


脩司の装備は皮の鎧に短剣、それと銅でできたガントレットだけという軽装備でダンジョンに挑むつもりでいた。


(途中で魔物も出るだろうし、片っ端から倒していけばいいだろう)


脩司は戦闘経験がないのに等しいが意気揚々と進んでいく。


『おい!右側から何かくるぞ』

「え?」

『ボサッとしてねぇで、さっさと戦闘準備しろや!!』


ベルガに注意を促され、そそくさとガントレットを着けた腕を構える。


そこに現れたのは、身長1m程で緑色の肌にギザギザの歯を口元から覗かせ鋭く赤い目をした魔物ゴブリンだ。


「グギャギャ」


ゴブリンは獲物を見つけたとばかり手に持つ刃溢れしたショートソードを舐め回す。


『んだ 只の雑魚じゃねぇか。さっさと殺っちまえ!』


だか、脩司は動けなかった。呼吸が荒くなり腕と膝がガクガクと踊り始める。

凶器を向けられ、殺意をもっている目の前の魔物に怯んでいた。


(嘘だろ?こんなに小さいのに怖くてしょうがない。)


少しずつ近付いてきたゴブリンが「ゲギャ~」の掛け声と共に飛び跳ねショートソードを振るう。


「うわあぁぁぁぁ」


咄嗟に避けようとするが、脚が上手く動かない。ギリギリで横に倒れ込みそれを避けた。


『おい!コラっ!てめぇビビってんじゃねぇぞ!』


脩司にはベルガの声は聞こえず、変わりに自分の心音が五月蝿いほど聞こえていた。


(なんだこれ?うるさい、静まれ、静まれよ!)


「うるせぇんだよ」


倒れたまま憤りをぶつけるかの如くに足裏でゴブリン蹴り飛ばす。


「はぁはぁはぁ くそったれ 落ち着けよ俺!」


脩司が立ち上がるとゴブリンも立ち上がっており、じわりじわり近づいてくる。


(どうやって俺を殺すか考えているんだろうな、だがそれよりも先に)


脩司は徐に拳を固めたまま構えを解くと、自分の右の頬をおもいっきり殴った。


「うぐっ…効くなコレ!」

『てめぇはさっきからなにがしてぇんだ』

「黙ってみてろ」

(もうさっきみたく震えはないんだ!殺ってやる)


瞬時に地面を蹴りゴブリンへ向けて走り出す。


「ダラァァ!」


脩司が放つ打撃をゴブリンは止められず頭部に受けていく。


「ゴボァ」

「まだまだぁぁぁぁ」


止むことなく連打を放ちやがてゴブリンは動かなくなった。

それでも脩司の攻撃を止めない。


『いい加減止めやがれ!!』

「はぁはぁはぁはぁ」


腕が上がらなくなるほどの連打をした脩司だったが、興奮は収まっていない。


『最弱の魔物にここまでやるかよ。まったく先が思いやられるぜ』


ベルガが小言を言っているが、未だに雄叫びをあげる脩司には聞こえていなかった。

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