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我が儘に異世界を  作者: かでぃー
第一章 クラス転移
7/66

努力の数値

サブタイトルって思い付かないものですね


「みんな倒れるぞー離れろ!!」


ベキベキと音をたてゆっくり倒れていき地面へ衝突すると土煙をあげ、衝撃が周囲を襲う

完全に倒れた所へロープ、鉈、斧を手にした男達が群がっていき作業を始めた。

その中でも2m近い巨体で豪快に顎髭を蓄えたゴツい男が指示を出す


「さっさと処理して運んじまうぞ!」


その男にもう一人の男性が近付いてきた。


「ドムさんどうですか?少しは早く倒せたんじゃないですか?」

「まだまだ甘ぇよ だか、大分良くなった」


ドムと呼ばれた男はニカッと笑い、自分も手にした巨大な斧を振り落としていく。


「ここからは足手まといになるので帰ります」

「おぅ またな!」


別れの挨拶をし立ち去っていく男性それは脩司だった。


一点突破のアビリティを使い、樹木に与えるダメージを分散させず1ヶ所に集めて倒ていた。


「まだ足りないな」直径20cmほどの樹木を殴り倒した己の拳を摩り物思いに耽ながら街へ向け歩いていく



(この世界にも流石に馴れてきたな)



この異世界に召喚されもうすぐ1ヶ月が過ぎようとしていた。

この世界にはレベルが存在しない。代わりに年齢と職業がすべてといっても過言ではなかった。

年齢が若いと就いた職業の熟練度の上昇が早いため上位の職業に移ることが容易にできる。上位の職業になればステータス値の上昇が高くなり取得できるアビリティも増えるという仕組みなのだ。


木幡 脩司 17歳 男

職業 木こり(駆け出し)

≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡

HP:76

MP:24

STR:68

DEF:9

SP:43

TEC:92


称号:


異世界から召喚されし者

武器不適合者

苦労人

********


アビリティ:


異世界言語理解

異世界文字理解

一点突破

筋力UP

指力UP



≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡


アイツに奪われ成長しないステータスを確認しながら街に着くとその足で街宿の裏路地へ足を向ける。


「まだ終わらなそうか?」


その視線の先には廻が皿洗いをする姿があった。


「もうすぐ終わるから待っててくれ」


廻もまた同じ理由から街宿の手伝いをするようになっていた。

しばらくして廻は仕事を終える


「お待たせ あ~腰が痛い!」

「普段から身体を動かさないからそうなんだよ」

「ったく いつまでこんな生活が続くんだよ!他の奴等は働かないのにステータスの上昇が高いなんてズリぃよな」

「訓練でアイツ等には勝てないんだ 仕方ないだろ」


廻も同じようにステータス上昇を妨害されているが皿洗いをするようになってから上昇には斑があったのだ。


(もしかするとアイツは奪える範囲があるんじゃないか?それなら廻に相談してみたが…)


ベルガのことは廻や皆には話さずに黙っていた。


細谷 廻 17歳 男

職業 皿洗い(見習い)

≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡


HP:70

MP:105

STR:40

DEF:70

SP:50

TEC:110


称号:


異世界から召喚されし者

室内を愛する者

知識を貪る者

汚れを洗い流す者


アビリティ:


異世界言語理解

異世界文字理解

速読

思考上昇率5倍

水魔法(初級)

物質変化



≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡



城へ戻りそのまま訓練所へ向かうと廻は西洋剣と丸盾を脩司はいつものガントレット使い10日位前からの日課の組み手を始める。


「そこだ!」廻の上段からの斬撃をなんとかガントレットで受け流すがすぐに上下左右から斬撃や盾での打撃が飛んでくる。

その攻撃を防ぐことが脩司の目的だった。


脩司は幼少期に「己を護れぬものは何も護れぬ」祖母にそう言われ自己防衛のために合気道を習ったことがある。


(こんなことなら噛る程度じゃなくしっかり習うんだった)


守備力か極端に低い脩司は攻撃を受けずに受け流す方法しか思い付かなかった。

だからステータス値の近い廻にこの訓練に付き合ってもらうよう頼んだ


激しくなっていく攻撃に普通の受け流しではダメージが通ってしまうため身体全体を使い受け流していく。

ボクシングの様なスウェーをしたりダッキングの要領で攻撃がスピードに乗る前に抑えたりと様々なレパートリーを駆使して流れるよう動きまわる


これを可能にしていたのは眼である。元々中学のバスケで鍛えた視野の広さと観察力が成せる技といっていいものだ


問題は激しく消化していく体力、そしてゴリゴリ削られる精神力

一頻り組み手を終えればその場で動けなくなってしまうことが殆どで実際に使える技ではなかった。

今日もやはり動けなくなり組み手を終え大の字に寝転がる。


「もっと体力がほしいよな」

「アレだけ攻撃したのにほとんど防がれる俺の身にもなれ 結構ショックなんだぞ?」

「だって当たると痛いじゃん 避けれるものは全て避けたいのさ 死にたくないし」

「脩司 なんか焦ってないか?」

「それ!私も思ってた」


突如話に入ってきたのは藤居さんだ。その隣には早乙女さんもいる


「頑張るのは良いことだけどやりすぎじゃないの?」

「俺は…」

「はいはい その台詞は聞き飽きました。でも焦るのはわかるかも、来週からダンジョンに行くって話だもんね」


パンと手を叩き脩司の言葉を止めた藤居さんは不安な顔つきだった。


「二人ともダンジョンにいっても絶対に無理しちゃ駄目だよ」

「ダンジョンへは皆で潜るんだろ?無茶するより前に出番すらこないから安心しとけ」

「だな。俺と脩司は後方待機だ」

「それでも紗耶香は心配しちゃうのよ」

「「さすが慈愛の持ち主!!」」

「こら~茶化すな~」


その後も和気藹々とやり取りが続けられたが、その時の言葉で脩司は確信を持ち、ここから離れることを決意していた。



明日は私用があるので投稿できないかもです


すいません

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