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我が儘に異世界を  作者: かでぃー
第三章冒険者
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脱兎のごとく

いつも更新が遅くなってすみません


「本当になにも言わず立ち去って良かったのー?」


廻がゴブリンナイトを相手取っている隙に俺達はその場を離れていた。

俺からすれば銃を持った廻があんなやつらに遅れを取るとは考えられない。それに去り際に横目で見ていた2体のゴブリンの顔に撃ち込んだペイント弾で確信を得られた。あれはおそらく物質変化で水をタールに変えた代物で、それを顔に受けたならとんでもなく厄介なものだ。

それをサバゲーで鍛えた早打ちで撃ち込む辺りは流石だし、クイックリロードの腕も堕ちてはいないだろしな。親友が強くなったことに驚きと嬉しさが込み上げてくるを抑えトミナヘ向け疾走していく。


「やっぱりさっきのは嘘だったんだねー。なんだかシュウジ嬉しそうだもんー」


横を滑空して並走するシーラは俺の顔を見て心の内を見抜いていた。


「ははっまぁな。お互いに最弱と言われていたんだ。それがあれほど強くなってれば下手をしない限り死ぬ危険性は少なくなる。俺がどんだけ嫌われようともアイツに死んでほしくないからな」


それを聞いていたアルモはため息を吐きながら


「貴方はバカなのですか?こうやって逃げたら追ってくるに決まっているじゃありませんか。それにさっきのはなんですか?演技のつもりなのですか?下手過ぎて嘘がバレバレです」

『くっくっ判っただろアル。こいつがどれだけ俺様を笑わせてきたのかがよ。それに見てみろこの仏頂面をバレるとは心にも思ってねぇ顔だろ?』


そんな事は判ってはいたがやっぱり口に出されて言われるとショックだ。「脩司はポーカーやババ抜きには向かない性格だよな」中学の昼休みに友達とトランプで遊んでいるときに言われた廻のニヤニヤが呼び起こされ、今回のことも見透かされているんじゃないかと改めて思い知らされた。


急ぎトミナへ向かって走るスピードをあげていく。ベルガとアルモにいい玩具を見つけた子供のように弄られ続けた脩司がいたことはいうまでもない。




◇◆◇◆◇◆◇




トミナへ着くやいなや大忙しに必要なアイテムを買いまくっていた。勿論追ってくる廻から脱兎のごとく逃げるための準備だ。


食料に薬、調理道具を次々買い込んではアイテムボックスへ収納していく。無限ともいえる収納ができるアイテムボックスはこんな時の利便性は計り知れない。

買い物を終え、これまで宿にしていた鳩の羽休めで買い忘れがないかの確認を行ってから女将さんと旦那さんへ挨拶し、ギルドに向かいリズがいるカウンターへ来た。

もしかすると廻が戻っている可能性も考え、3人とも購入した外套を羽織ってフードで顔を隠している。勿論ピエロマスクをベネチアンマスク風に変えるのも忘れてはいない


「リズさん。諸事情により俺達は急ぎトミナから離れることになった。もう少しすればゴドウィン達が戻ってくると思うから、報酬は後日取りに来るとそう伝えておいてくれないか?」

「えぇっ!?そんな・・どうして?───す、すみません。声を荒げてしまって・・・」


あまりに急な申し出にリズも驚きを隠そうともせずにそんな声をあげる。しかし、受付嬢としての力量なのかすぐさま頭を下げるその表情は今にも泣き出しそうだ。


おかしい。俺、リズさんになんもしてないよね?そうだよね??した覚えまったくないもん。なのになんでそんな顔するの?誰か教えてくれぇぇぇぇぇ


「━━っというわけだからー私達はここを離れるねー。けど、まだ目的地は決まってないやーてへっ☆でもでも間違いなくリードはさせてもらうねー」


脳内で悶え終えるとシーラが説明を終えて、なにやら勝ち誇っている。


「ぐっ・・・ですがそのくらいで有頂天になっているようでしたら簡単に隙を突けますから安心致しました」

「な、なにおうー」


君たちなんだかんだ言って仲良いよね。ギルド(ここ)とも暫しの別れか・・・俺達が冒険者としてのスタートの街だ。滞在していた期間は短いがなんだかんだ感慨深いものがある。冒険者達や生活している人達にも活気もあっていいとこなんだよな。


「何度言ったら判るんですの?(わたくし)はここで人を待っておりますの」

「そうは言っても誰も来ねぇじゃねぇか。ソイツが来るまででいいからよ俺達に付き合えよ」


たまにある傷はあぁやって酔っ払った冒険者の絡みくらいだな。ため息を吐き、俺達も初日に絡まれたなと思いながら席を立ち、絡んでいる場所へ向かう。


「そろそろ止めとけ。じゃないと酔いを強制的に覚ますことになるぞ?」


指をゆっくり動かし、パキパキと音立てると絡んでいた男は顔を青くして自分の席へと戻っていった。

これも初日にモーブの鎧に素手で(ひび)を入れたことが原因で、それを観ていた冒険者達から俺は陰で防具破壊者(クラッシャー)と呼ばれるようになっていた。


「ったくしゃーねぇやつらだな。あんたもここで待ち合わせをするなら気を付けなよ?」


俺と同じく外套を着てフードを被って目元は見えないが口元から推測して女性と思われる人へ忠告してカウンターへ戻ろうとしたが


「何をしてるのーシュウジー?私も混ぜてよー」


背後に黒いオーラを纏わせたシーラの気配に蛇に睨まれた蛙状態に陥った。


「えっ・・いや・・あの・・・ちょっと絡まれてた人がいたから・・・ちょっとそれをねっ」


油の切れたブリキ人形みたく少しずつ顔を回し、額を浮かんでくる脂汗濡らしてぎこちない笑顔をシーラへ向ける。


「ねっじゃなーいー。なんでこんな美少女と一緒だっていうのに他の女性の所に行くのさー」

「ちょ、ちょっとその言い方は語弊を生んじゃうから」

「語弊とはなんだー」


徐々にヒートアップしていくシーラはフードを外し、怒った顔で脩司へ詰め寄っていく。


「えっ!?嘘ですわよね。・・・もしかしてシーちゃん?」


「「へ?」」


絡まれてた女性まさかの発言に俺とシーラはマヌケな声をあげてしまっていた。


面白かった。続きが気になる。と思って頂けたらブックマークや評価ボタンをポチっとお願いします。


あと誤字、脱字に表現判らんなど有りましたら教えてください。


よろしくお願いします。

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