招かざる来訪者④
暫く更新せずにすみませんでした
あぁ・・・やるなんて言わなきゃよかった・・・・
魔力での補強をやめたかまくらを抜け眼前に迫りくるゴブリンの群れを前にして若干の後悔がある。
右を見ても左を見てもゴブリン、ゴブリン・・その挙げ句勝利を確信して近づいてくる親玉も薄ら笑いを浮かべているし・・・・
親玉に小馬鹿にされて、普段の脩司なら怒りに満ちた顔のはずが仮面の下に隠された表情は穏やかだった。
『冷静に激昂しろ』
そのために毎晩ベルガに耳障りなちゃちゃを入れられながら取り組んだ訓練はあのくらいの挑発では揺るがないものまで成長できているが脩司自身は気がついてすらいなかった。
「よっと・・ッラァ!」
1匹また1匹と襲ってくるゴブリンを確実に仕留めながらその時を待つのに全神経を尖らせ、タイミングを図っていた。
「ここだ」
そして、ゆっくりかまくらの中にゴブリンキングが侵入して直ぐには出れない程の距離を稼いだのを確認すると再び魔力を放ち、開いていた入り口一気に閉じて挟まったゴブリンごと押し潰しながら全ての出入口を塞いだ。
「グギ?」
「ギャギャッ」
急激な状況変化と窮鼠から抵抗にゴブリン達は混乱へと陥った。
よし!狙い通り
「ゴォォオォァァァァァ!!!!」
・・・・とはいかなかった。
親玉が素早く状況を判断し咆哮を上げると手下達は次々と落ち着いていく。
それは『こいつを殺して脱出すれば問題ない』とでも言っているかの様に感じ取れる。
お前らに明日はねぇと心の底から叫びたいのを脩司はグッと押し殺し、失敗を臭わせつつジリジリと包囲が薄い方へ後退していく。
「あぁくっそ!!うまくいかねぇ」
判ってるよな俺。悟られるな!そうなれば水の泡だ・・・・細く弱い糸を慎重に手繰り寄せていくかの如く丁寧に時には大胆な動きで欺いて、欺いて、欺き続けろ
そう自分に言い聞かせゴブリンの群れを相手に決死の綱渡りを進めていく。
「ぜぇぜぇ、うぉぉりゃゃゃゃ」
既にどのくらいの数を討伐したかわからなくなる位ゴブリン達を屠っている脩司の動きは次第に精細さがなくなっていき、数匹で襲ってくるゴブリンを一度で倒せなくなってきていた。
動きが鈍くなったのをチャンスとみるやゴブリン達の死骸の下に隠れていたゴブリンナイトが飛び出し、強襲をかけてきた。
「ぐっ・・・アブねぇだろが!」
寸前で気がつき串刺しは免れたが、脇腹をかすってしまいじんわりと皮の鎧に血が滲んで滴っていく。
怪我の一つも与えられなかったゴブリン達はそれを見て狂気が増し、雄叫びと笑みが絶えない。
「うるせってんだ!!こんなかすり傷一つで大層ご満悦だな、おいっ!!大した魔物どもだ」
『敵に説教なんて余裕あるじゃねぇの。残念ながら言葉は通じちゃいねぇがな。だっははは』
「ふぬぁ!!!やっちまった」
耳障りな雄叫びとムカつく笑みに散々我慢してきた脩司の堪忍袋の緒がキレて大声で罵ったが、それはベルガへの笑いのネタへと変貌してしまった。
『だが、てめぇの気持ちも分からない訳でもねぇな。調子に乗りすぎだ。━━そろそろ仕掛けんだろ?』
「当然だ!タイミングなんざもうどうでもいい。恐怖に沈めてやる」
『そうこなくっちゃ面白かねぇ。ぶちかませぇ!!』
「ここまで自らをエサにして堪え忍んだんだ。一網打尽で終わらせてもらうぞ。」
再度魔力具現化を発動させ天井の一部から一本のロープ状の物を垂らしていく。それがなんだか理解できていないゴブリン達はさっきまでの笑みがなくなり挙動不審になって立ち尽くしていた。それはゴブリンキングも例外ではなかった。予測が立てられないものにはどう指示していいものか困り果てている。
この時間が脩司とって最大のピンチになっている知らずに
垂れてきたモノを手にした脩司には勝利の二文字が頭の中で確定した。と同時に最後まで温存していた魔力を解き放ち身体強化を行い、
「アァァァァイキャァァァァァァンフラァァァァァァァァァァァァァァァイ!!!!!!!!!!!」
そして、勢いよく飛び上がった。
GW前にめちゃくちゃ落ち込む事がありまして、仕事も上の空状態で、執筆活動は完全に停止してました。
だいぶ回復してきたと思うので、不定期ですが更新していこうと思います。
今後もよろしくお願いします。
なお、どうやって書いていたかすら記憶に残っていないためごちゃごちゃになってしまうかと思いますが、ご了承下さい。




