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我が儘に異世界を  作者: かでぃー
第三章冒険者
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招かざる来訪者①


ギルドに行くとあっという間に申請は通り、承認も簡単に済んでしまった。っというのもリズさんが事前にこうなるだろうと予測を立てていてスムーズに事が運んだだけだった。

リズさんはもっと早く来ると思っていたそうで、数日前には準備が出来ていたそうだ。確かに毎回このメンバーで依頼を受けていたのにパーティーを組んでいなかったのだから不思議に思えていたんだろう。

観察力というか受付嬢の勘なのか、それでここまで出来る彼女は凄いと感心している俺にパーティーを組んだ二人からのジト目が痛い。


「へぇーシュウジはこういうタイプが好みなんだー。こんな美少女達とパーティー組んだのに目移りするのかー」

「駄目ですよシーラ様。この男に隙を見せたらとことん漬け込んでいいようにやられてしまいますので、ほどほどにあしらうのが1番です」


コラコラ本人を目の前にして言っていいことじゃないと思うぞ。それに出来る人を凄いと思うのは普通のことじゃないか。

仮面越しに苦笑い所ではなくおもいっきり顔を引きつらせている俺を察してかニコッと微笑むリズさんは


「異性のパーティーだとこういうの多く見られるですよ。モテモテですねキハタさんは、私も入りたいくらいです」


Noぉぉぉぉぉ駄目だ此処に味方はいねぇぇぇ

火に油を注いじゃダメだろぉぉぉぉぉぉそれにその笑顔が怖ぇし、目がマジだ。


「むーシュウジはあげないよー。私達ネスポルネのだからー引き抜きとかは許さないからねー」


リズさんの言葉にハッとしたシーラが力一杯俺の腕を抱き込み、むくれる表情をしている。


「ですが度量が少ない方々とパーティーを組むと先は見えていますよ?」


そんなシーラに変わらぬ笑顔のままのリズさんも応戦していく。二人の口論はトゲが酷くどんどん熱を帯びていく中、俺は押し当てられているシーラのふくよかなものにどぎまぎして止める事ができなかったため、数十分たって他の受付嬢に連れてこられたゴドウィンが仲裁にはいるまで激論は繰り広げられた。


「おう!キハタちょっと待ってくれ。あんた達にやってもらいたい仕事があるんだ。こっちの部屋で話を聞いていかないか?」


なにやら嫌な予感がするが、特にやることもなかったし、さっきの件もあり断らずゴドウィンに促された部屋に入り椅子に腰掛けた。


「それでどんな仕事なんだ?受ける、受けないは話を聞いてみないことには判断出来ないしやれることも限られてるぞ?」


依頼はこなしてきたが、はっきり言ってまだ初心者といっても過言でないので予め釘を刺しておくことにした。


「安心しろよ。そこまで変な仕事じゃない。──ここ最近ゴブリンが異様なまでに増えてるのは知ってるよな?それに伴いホブゴブリンなんかも増え始めているんだ。原因はまだ分かっちゃいないが、そいつらの探索し出来れば討伐も依頼したい」

「十分変な依頼じゃないか。第一原因の分からないものの探索するったってどうすりゃいいのさ?」


隣の席にちゃっかり座っているシーラもうんうんと腕を組みながら頷いている。


「そんなもん簡単だ。倒しまくって違和感やらなんかがあれば報告してくれればいい。どうだ?簡単だろう、ぶはははは」

「んな簡単にいうなよ」

「いいじゃんーやろよー。いくら倒してもゴブリン湧いてくるのそろそろ嫌になってたしー丁度いいよー」

「うっそーーん」


呆れ返っている俺を他所に乗り気のシーラによってこの依頼を受けることになってしまった。



◇◆◇◆◇



依頼を受けて数日が経ちその間も俺達はゴブリンやホブゴブリンを狩りまくった。

ホブゴブリンはゴブリンよりも背が高く、力も強いがそこまでの相手ではなかったので易々と倒せている。連携の練習相手にもぴったりだったので依頼と合わせて熟練度も上げようと奮闘している所だ。


「シュウジ、アルちゃん前から四体!その内二体はホブゴブリンだよー。武器は短剣とブロンズソードっぽいー」

「了解だ(です)」


上空からの索敵をしているシーラから地上の俺達に詳細を伝えると降下してきて戦列に加わる。俺が前衛でその後ろにアルモ、最後尾にシーラがいる布陣だ。シーラは前に出たがったがそれをすると負担がかなり大きくなるため後方からの支援をしてもらっている。

俺が使うソナーは獲物を見つけることはできるけど詳細までは区別できないので、索敵はシーラ任せになっている。安全マージンは多いに越したことはないからな。


「グッギァァ」

「おいでなすった」


先頭をいくゴブリンに狙いを定め一気に肉薄し右の一撃で倒すとゆっくり下がる。激昂したゴブリン達は俺目掛け斬りかかってくるが、それを躱わすと同時に後ろに控えるアルモの槍がゴブリンの喉元に突き刺ささり絶命させた。

残ったホブゴブリンは逃げ出そうするが、そこを狙っていたシーラの投げた短剣が二匹の太腿部分を深く突き刺し動きを封じ、動きの止まった所を俺とアルモで挟撃して終わらせる。


「今回も楽勝だったねー」

「そりゃ力の差が歴然だからな。だからといって油断は駄目だぞ」


勝って兜の緒を締めよ。そんな諺があるほど油断で命を落とす事だってあるんだ。


「もーシュウジは心配性過ぎるよー」

「ですが今回はこの男の言っていることにも一理あります」

「もうーアルちゃんまでー」


頬を膨らませ怒ってますアピールをしているシーラをからかおうとした矢先に強烈な重圧感に襲われ、瞬時にソナーを発動させた。


「二人とも静かにしろ。距離はあるが左前方にバカデケェ何がいる」


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