再出発
お陰様でユニーク数が2000を突破しました。
ありがとうございます
PVもかねてからの目標である10000までもう少しの所までこれました。
本当に感謝です
太陽からの日差しを浴び、まずアルモが目を覚まし、ゆっくり身体を起こすと「んんぅ・・」と少しくぐもった声に思わずドキッとしてしまった。
「おはようさん」
火の番をしながら身体を休めていた脩司はなんとかその事を表に出さない様に身繕い挨拶したその返事は・・
「なに気安く声を掛けてくるのですか?」
「ちょ・・ヒドくない!?ただの朝の挨拶じゃん!」
「そうやって隙を作らせて襲う気なのでしょうがそうはいきませんよ!」
アルモは自身の身体を両手で抱き締め軽蔑の眼差しを叩きつけてくる。
ん?あれなんだこれ??
「なぁおい」
『・・・』
「もしもーし起きてますかね?」
『・・・・・・』
「いい加減シカトすんなや!!」
『うっせぇ!てめぇの言いたいことはわかるがソレを口にすんなぁ!!』
うぉぃ認めちゃってるよこの元主は・・・
「一応確認だけさせてくれ。いつからだ?」
『・・・アイツが13の時からだ』
「おっふぅぅ重症じゃねぇか!」
確かにアルモは美人だから引く手あまただったのだろうけど、いくらなんでも被害妄想激しすぎんだろ!?
『・・・・重度の妄想癖をもってのに本人にゃ自覚ねぇから質が悪ぃんだ』
「あぁ・・・なるほど・・俺ん中で残念美人さんっていうのが確定したわ」
そんなやり取りをしているうちにシーラも目を覚ました。眠たそうに目をコシコシ擦りながら
「五月蝿いですよー。なに朝からさわいでいるんですかー?」
「おはようシーラ──五月蝿くして悪かった。これから朝飯焼くけど食べるだろ?」
「もちろん食べますよー。けど、シュウジは料理できるんですかー?それに食材もなさそうですけどー?」
その回答にアイテムボックスから木の実と飲み水、ホーンラビットの肉を取り出して見せる。
「調味料や道具が無いからただの素焼きになっちゃうが我慢してくれ」
「ちょ・・・ちょっと待ったー」
どうしたんだ?もしかしてただ焼くだけなのが嫌なのか?
「どうした?」
「いやいやーなんでそんなに落ち着いてるんですー?今のって・・・」
「あぁ俺のアビリティでアイテムボックスっていう異空間収納だな」
その言葉に驚愕しているシーラとあの空間に私を襲う道具が・・何て言ってるアルモ。そんなもん入ってねぇよと思いっていたところ恐る恐るシーラが口を開いた
「シュウジはソレの希少価値を知ってるのー?」
「希少価値?どういうことなんだ?」
「ソレは発現するアビリティではなくて継承するアビリティでなんですよー。私が知る限り王国に二人しか使える人がいないはずなんですー」
「二人だけ・・・」
はぁぁぁ?なんてもん寄越してくれてんのダレス!嫌がらせか!?これは嫌がらせなのか?くそっあのジジイならやりかねねぇ
とりあえずシーラ達に事情を説明するとシーラから秘密にしておいた方がいいというアドバイスに従うことにした。二人も俺がこのアビリティを持っていることも内密してくれるという。
一悶着あったがホーンラビットを焼いて朝食を食べ終えると街に着いてからの事を切り出した。
「トミナに着いたら俺は冒険者になろうと思ってるんだか二人はどうする?」
「旦那様がそこに居る以上貴方のイヤらしい視線に晒されようと私はお供します」
はい・・予想通りの回答ありがとさん。軽く苦笑いをしてシーラの方へ視線を移す。
視線の先では顎に右手の人差し指を当てながら考え込む姿が
「んーーそうですねー。どうしたもんでしょうかー。村には戻れませんし、他の仕事に就くにも神子で追い払われるのがオチでしょうしねー。・・・・・・・うん、決めたー!!私も冒険者になるよー。それで皆でやるならパーティー組もうー」
難しい顔をしていたのが嘘の様にニパッと笑顔で提案してくる。その提案を聞いて今度は脩司が胸の前で腕を組み難しい顔になった。
パーティー・・パーティーかぁ・・・・正直パーティーは組みたいがそうすればシーラを巻き込む形になってしまう。ベルガの目的が復讐にあるならば一端の冒険者でも裸足で逃げ出すほどの危険が伴う。せっかく魔族から逃げれたのにわざわざそこへ行かなくても良いんじゃないか?
黙って真剣に考え込んでしまい、気が付くとムスッとした顔をしたシーラに睨まれていた。
「むーシュウジは反対なんですかー?」
「い、いや・・反対というかなんというか・・・あれだよ。あれ、シーラ達のステータスとか実力とか知らないから危ないんじゃないかなってさ・・」
アァもう苦し過ぎるだろ!その言い訳はぁぁ
「うーんそれもそうですねー」
えっ?嘘?それで納得しちゃうの?
「それじゃーこうしましょー。トミナに着くまでに私達の実力を脩司に認めさせたらパーティーを組むっていうのはどうですかー?」
なるほどな、それなら断ることも安易にできるという訳か。
「わかった。それでいこうか」
「そうと決まれば早速トミナへ向け出発しましょー。ほら立って立ってー」
意気揚々とトミナの方角へ進むシーラの後ろになにも言わずアルモが続き、口元を緩めながら脩司もその後に続いた。
3章突入です。
正直途中で挫折してここまで執筆活動できるとは思ってませんでした。
読んでくれた方に評価やブックマークしていただいた方々から力を貰い、これからもがんばります。




