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我が儘に異世界を  作者: かでぃー
第二章 脱獄
37/66

VS③

不意に更新します

3匹に周りを囲まれた脩司はジリジリと間合いを詰められながらも襲ってくる一瞬を見逃さないために集中力を高めている。呼吸も深く長いものでなく、浅く短くを繰り返しスタンスを広げ爪先に体重を乗せて瞬発的に体を動かせる準備も万端だ。

それなのに


「やめだ!やめ!!」

『あ?』


集中していたはずの脩司から訳の解らない声が上がると、流石のベルガもすっとんきょうな返答しかできない


「にらめっこは俺の本分じゃねぇや。蜘蛛の癖に一丁前に分析なんざしやがって、その時点でお前らは本能的に俺に勝ててねぇんだよ」

『なに意味のわからんことを・・』

「だったら見てろ。こいつら秒殺して上のデカブツ引きずり下ろしてやるからよ!!」


言い終わると同時に体で反時計回りを描き、左足に重心を乗せるとその力を利用し右にいる子蜘蛛へ向かい突貫していく。


万全の体制で取り囲み襲い掛かるはずの相手に逆に突っ込まれてきた蜘蛛は糸を出すか、避けるべきなのかの判断に遅れが生じてしまい動く間もなく脩司が目の前まで迫った。


「一匹目!」


勢いよく振り下ろされる左の拳は狙った子蜘蛛に()()()()()()()()()

二の腕を左側の蜘蛛の糸によって勢いを殺されてしまい命中寸前でとまってしまったのだ。


「甘ぇよ!」


目の前の獲物を狩れなかった反動、いや反射的に今までの戦いで見せていなかった右足での蹴りを蜘蛛の頬に叩き込むとグシャと潰れながら胴体と離れ吹き飛んでいく


「次!」


左手に巻き付いている糸を引き、バランスを崩し間合いを詰める。次の子蜘蛛はなんとか反撃しようと近づいた脩司へ向け糸を切り離し毒針をだして仕留める姿勢を取った。

それを腕に残っている糸で使い更に状態を崩し、勢いそのままに膝蹴りをブチ当て頭部を体の中に押し込んで絶命させる。

その瞬間を狙い定めていた残り一匹が俺に毒針を剥き出しにして猛スピードで突っ込んできた。


「生憎と想定内だ」


顔を潰されピクピクしている子蜘蛛をむんずと掴み挙げ、その体に毒針を打ち込ませ脩司自身は体を回転させながらの足蹴り、昔見た極○空手の胴廻し回転蹴りを腹部へ叩きつけた。

動けなくした最後の子蜘蛛の顔にサッカーボールキックを決めトドメをさした。


「どーよ」

『・・くくっだっはっはははは』


脩司のドヤ顔にベルガが大笑いし


『最高だ!やりやがったなぁ』

「はっははあたぼうよ。そんで最後は上で呑気に見学していたアイツだ!」


子蜘蛛の亡骸をおもいっきり上空で観察していたアラクネに向けぶん投げると受け止めることが困難と判断したアラクネは糸を絶ち切り脩司の待つ地上へと降り立った。苦虫を擂り潰した表情を見て脩司が終始感じていた不快感がようやく払拭されていった。


「オマエは姑息すぎんぞ!ブチのめしてやるからさっさと来なっ!!」



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