表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
我が儘に異世界を  作者: かでぃー
第二章 脱獄
29/66

どんな関係?

気がつくと4000PVに到達する勢いです。


読んで貰えることが嬉しく、鼻ティッシュしないと色々と危ない今日この頃です。


読んでくれた方々、ブックマークや評価をつけてくださった方々ありがとうございます

『久しぶりだなぁアル』


口を抑えたままのアルモは、今にも泣き出しそうに目尻に涙を溜め、ベルガを言葉もなく、ただただ見つめる。


『んだぁその顔は?俺様をお化けみてぇにみてんじゃねぇ』

「も、申し訳ありません。旦那様」

「「旦那様!!??」」


ブレスレットに移った脩司とシーラが声を合わせて驚いているが、当の本人達は涼やかな表情のままだ。


「いやいや、待て待て待て。オメーとその美人さんが主従関係にあんの?ありえねぇだろ!」

『あぁ!?んだとコラァ!』

「ですですー。美人と野蛮な獣ですー。不釣り合いにも程があるんですー」

『てめぇら喧嘩売ってんだよな?そうだよな?買ってやんぞオラァ!』

「あっあんまり騒いじゃ駄目ですよー。また見回りが来ちゃいますー」

「『ちっ』」


二人仲良く舌打ちをしたところで、本題に戻る。


『んでなんでアルがこんなとこにいんだ?屋敷を任せていたはずだが』

「それは・・えぇっと・その・・・」

『はっきりしろや!!』


アルモがモジモジしていてるので、ベルガのイライラが募る。まったく相変わらず沸点が低いことだ。


「旦那様が居なくなって、御屋敷は取り壊されてしまいました。私は、別の主に仕えることとなったのですが、拒否をしまして左遷され此方に赴きました」

『ヤロウのこったぁ。そんくらいやんだろうな。そんでどいつの所へ行く予定だったんだ?』

「・・・デリアスです」

その名を耳にしたベルガに血が昇るのが手に取るようにわかった。

『あんのクソヤローがぁ。まだ諦めてねぇのか』

「落ち着け。声でけぇぞ」

『わーってる!』


こんなことでベルガは落ち着くはずはなかったが、自分が戦闘で血が昇っているときにベルガの声で一息つけた事実が脩司の口を軽くしていた。


「ソイツが誰だか知らんが、アルモさんも無事だし、間違いは起こってねぇだろ?」

『・・なんでてめぇなんぞに言われねぇといけねぇんだ?』

「オメーが周り見えてねぇからだ」

『んだと?単細胞ヤローにだきゃ言われたくねぇ台詞だな。そりゃよぅ』

「よし!ゴングはオメーが鳴らしたぞ?」

「もうー二人ともいい加減にするんですー。話が進まないじゃないですかー」

「『ちっ!』」


似た者同士なのか、聞き分けが良いのかわからないがシーラが仲裁に入るとすんなり口喧嘩を止めた。


「アルモさん、そのデリアスってどんな奴なんですー?ベルガ・・むー言いづらいですー。ベルっちが嫌ってるみたいですけどー?」

『ベルっち!?』

「さん付けするなとは言われましたが、あだ名が駄目とは言われてないですよー」

『うぬぅ』


勝ち誇った笑顔をベルガに向けて言い放ったシーラに何故か俺達は敵う気がまったくしません


「正直よく知りません。出会って直ぐ結婚を申し込まれましたが、それを聞いた旦那様にボコボコにされた方でした」

「ほへぇーベルっちやるねー」

『ただのいけすかねぇキザヤローだ』

「手ぇ出してんじゃねぇと言って頂いたときは嬉しかったものです」

アルモは思い出しだして、頬少し紅めて視線を下に逸した

「ほほぅ─コイツと何時からの知り合いかも含めてそこんとこkwsk!!」


ブレスレット内でニヤニヤが収まらない脩司をベルガは睨み付けるが怖くはないというよりは単純に怖さより興味が勝った形だ。


「私の家は代々旦那様の家系に仕える家柄で、幼少の頃より年の近い旦那様の使用人として過ごして参りました。先代様が御亡くなりになり、御党首になられてからもずっと仕えてきました」


なるほどな幼少期から一緒ってことは幼馴染みたいなものだな。しかも、党首って想像できねぇな・・・いや、ちょっとまてよ


「オメーまだ20代なのか!?」

『食い付くとこそこじゃねぇ!?もっと違ぇのあんだろがぁ。党首とか、どんな家系とかよぉ』

「ぜんぜん全くもって気になんねぇ。ってか想像もしたくねぇ」

『こんのクソヤ』

「喧嘩は駄目ですよー!!」

「『ちっぃ!!』」


何故だろうシーラに俺達の行動が筒抜けな気がする。


「旦那様が23歳で私が21歳になります。話を戻しますね。半年ほど前になりますが、旦那様が御戻りになられず、数日が過ぎた頃です。新魔王軍と名乗る者達が現れ、使用人達に解雇を通達すると御屋敷を破壊して行きました。後は先程話をした通りでございます」

「それは戻らねぇオメーが悪ぃな」

『・・・』


アレ?どうした?いつものてめぇはなんちゃらかんちゃらがくると思ってたんだが・・・


「ねぇベルっち、その時何処に居たのー?」

『───の中だ』

「聞こえねぇよ。どこだ?」

『スラム街の貧民層に身を隠してたっつったんだ』

「あんな所に居られたのですか!?」


迸る程の怒りと悔しさの肉体を共存している俺に伝わる。何故ベルガ(コイツ)が此処でこんな状態に陥っているのかもそれが理由なんだろ。ベルガは何者かに敗れて身を隠していた。そう捉えるのが妥当だ。俺達や魔物から能力値とアビリティを奪っているのは、いずれ復讐をするためなのか?


『俺様のことはいい。それよりアル、この拠点の構図はわかってっか?』

「構図ですか?それなりにという程度です。幾分就いて日が浅いもので、申し訳ありません」

『そんくれぇで構わねぇ。この人数でこっから脱獄すんのを手伝え』

「畏まりました」

『この近くにゃ町とかあんのか?』

「北に魔族の村ルルメンがあり、南にはトミナの町がございます。シーラ様は人族ですので、トナミを目指すのが良いかと思われます」


脱獄の経路と目的地は決まった。あと残すことは


「どうやって鉄格子を出るかが問題だな」

『引きちぎれ!』

「無茶いうなや」

『てめぇにそれ以外できんのか?あぁ!!』

「うっせぇ!俺の手足が千切れるわぃ」

「所で旦那様。その寄生体はなんでごさいましょう?」

「逆、逆だからね。俺がベルガに寄生されてるの!この体は元から俺のもの!」

『ちぃせぇヤロウだぁまったく』

「はぁ?やっぱしオメーとは白黒つける必要があんなオイ!」


何度目かの喧嘩に発展しそうになるがシーラの咳払い1つで二人とも押し黙る


「彼はねー。シュウジっていうんですよー。なんで一緒かはしらないんですがー悪い人ではないですよー」

「シーラ様がそう仰るならそうなのでしょう」

「扱い雑ぅぅぅぅ」

『くっくっゴミ虫扱いされるとは恐れ入った。流石だ』

「ふぬっぁ」

「ほらー仲良いでしょー」

「『んなわけあるかっ!!』」

「ふふっそうでごさいますね。ここまで楽しそうな旦那様は久しく見ておりませんでした」

『ちょっと会わねぇ内に目が腐ったんじゃねぇかアル?』

「よく言うわ。さっきは流石だ。とか抜かしてたじゃねぇかよ」

「はいはーい!そこまでですよー。喧嘩するほど仲が良いとは言いますがー、よく飽きずに喧嘩できますねー。感心しちゃいますよー」


その後も喧嘩しながらも脱獄に向け話し合ったが、結局鉄格子からの脱出方法が思い浮かばず仕舞いで夜がふけていく。

シーラとアルモが眠りにつき、元に入れ替わった脩司はベルガに気になっていたことを尋ねた。


「おい・・あの時は誤魔化してたが、オメーは復讐のためにここにいんのか?」

『・・・だったらなんだってんだ?止めろとか抜かすのか?』

「好きにすればいい。だけど、他のやつらは巻き込むな。その分俺を使えばいい」

『相変わらずのお人好しだ。クソヤローがぁ』

「オメーほどじゃねぇよ。さっき思ったが、シーラが求婚されてると聞いて、アルモさんと被って見えたろ?だから一緒に連れ出すっていたんだ。違うか?」

『・・・・妄想もそこまでいきゃ才能だな』

「ぬかせっ」

『だったらよぉ。さっさとこんなとこおさらばすんぞ!』

「ったりめーだ。あの豚ヤロウをブチのめしてやるさ」


決意新たに夜は深くなり時間は過ぎ行く。

今後は水曜と日曜に更新していこうと思います。


時間帯は不規則になると思います。さーせん<(_ _*)>

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ