1つ目の攻略
バレズと名乗ったダレスに似た老人は、回復魔法かけてくれた後に不備を詫びて説明をしてくれた。
ダンジョンの奥にこの空間を創った意味、ダレスとバレズはゼグムの魔法で造られた存在であること、ゼグムの生涯を費やしてまで成し遂げたかったこと、その為に生み出したアビリティが複数あることを
「すまない─今話した通りだ」
「大体は理解したが、このダレスが試験官っていうのは、無いな」
「仕方なかろうに、その役割のために生み出された存在よって」
「ノリノリだったじゃねぇかよ!」
「言うたではないか、ここに来たのは貴様が初めてだと」
「・・浮かれていたんだな」
「・・・・・・・・やり過ぎたのは認める」
「はぁ~まぁいいや、それでどんな力が貰えるんだ?」
「それには条件が必要になる。1つはダレスに力を見せること、2つ儂が特性を見ること、3つ最後になるが、これが重要だ。ゼグムが成せなかった願いを叶えると誓うことだ」
ゼグムがその人生をかけてまでやりたかったこと、それは突如として現れる職業の固定化を解除することだった。
彼の親友が固定化され、不遇な目に遭い、辺境の地に追いやられたのを黙って観ていただけの自分の無力を悔やみ続けたそうだ
「儂らは老いたゼグムから生み出されたが、彼の執念は凄まじいの一言だ。亡くなる寸前まで手を止めることはなかった。それを聞いてでも力を欲するか?」
「勿論だ!俺は生き残り元の世界へ帰る理由がある。そのついでにゼグムの願いを叶えてやるよ」
「うむ─ならば主にぴったりの力を授けよう」
バレズが脩司の額に掌をあて、呪文を詠唱すると脩司が光で包まれた。光は直ぐに消えて授与は完了となった。続けざまにダレスも掌を向けくる
「なんの真似だ?」
「詫びの品だ。黙って受けとれ!」
気恥ずかしそうするダレスからも受け取り、ステータス画面を開いた
木幡 脩司 17歳 男
職業 木こり(駆け出し)
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HP:170/670
MP:290/410
STR:510
DEF:140
SP:460
TEC:690
称号:
異世界から召喚されし者
武器不適合者
苦労人
大根役者
狩人
想いを貫きし者
意思を継ぎし者
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アビリティ:
異世界言語理解
異世界文字理解
一点突破(継続使用中)
身体強化(腕力大幅UP、指力大幅UP、背筋力UP、脚力UP、瞬発力UP、嗅覚UP、聴力UP)
超音波
空間認識力UP
気配遮断
夜光眼
魔力具現化
アイテムボックス
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「『魔力具現化』と『アイテムボックス』の2つだな」
「ほう─アイテムボックスを授けるなんて珍しいな」
「只の気まぐれだ」
ダレスから貰ったアイテムボックスは異空間に物を収納できるというもので、これを利用して植物を出し入れしていたらしい
「『魔力具現化』ってどんなアビリティなんだ?」
「うむ─主は魔法の適正がない。無駄に余っている魔力を道具などへ変幻させるアビリティだ。魔法剣というのもこれが起源と言われとる。使いこなすには修練が必須だが、主なら問題なかろう」
「おう!まかせろ!─ついでに聞きたいんだか、一点突破が継続使用中になってるけど、理由がわからないんだ。何故なんだ?」
「それは使用者の主にしか解けんよ」
「そうか…」
今までの闘い方を見直さなければと思いつつ、新たなアビリティに期待をよせた。
「ダンジョンの最深部は此処なら攻略は終わりだな。地上に戻るか」
「戻るなら転移魔方陣を使うと良い。ゼグムも地上に戻る際に使用していたものだ」
「そんなのがあるのか?すげぇな!─それは何処に繋がっているんだ?」
「それはわからん。なんせ此処から出ることはできんからな」
「そうだったな」
この空間はゼグムがダレスとバレズを存在させる為に魔力集め、二人に与え続ける場所なのだ。人が多いと悪影響を与えてしまうとダンジョン奥地に創ったそうだ。その恩恵を受けている二人は此処を出ると魔力が拡散して消滅してしまう様だ
「うっし!それじゃ行くか!」
二人に案内と見送りをしてもらい、脩司はダンジョンから脱出していった




