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アリの世界で女王ライフ  作者: 小田鶏助
[一章] 俺、アリになる。
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俺、チートかもしれない

仕方ないが俺は、六本の脚を上手く使って駆け寄った。


今になって思い出したが、アリが人間の大きさになったら一トンもの重さのものを持てると聞いたことがある。

アリが人間の大きさになったら、それこそチートである。

そう思うと、自分の能力が霞んできてしまった。

本当は、もっと能力をじゃんじゃん使って色々なことができると思っていたのだが。

今残ったのは、無駄を位の防御力と特定の時にしか発動できない能力だけだ。

それによくよく考えてみると、物理攻撃に弱いという最大の欠点があるのだ。


そう考えると、今の能力はほぼ無駄能力と言って間違いないだろう。


さっそく、ゴキブリを運ぶ作業が始まった。


今までの感覚だと、ずっと重たかったものが軽い感覚で持ち上げることができる。


俺は、久しぶりの感動を覚えた。


何故だが他のアリ達が俺のほうを向いてじっくりと二つの目を光らせていた。


突然一人のおよそ俺より若いアリが

「ねぇ!何で一人でそんなに持てるの?」

と聞いてきた。

アリは重い物を軽々持てると聞いていた俺は、何のことだかさっぱり解らなかった。


それを聞いていた他のアリ達も同じように何故だというふうに聞いてきた。


他のアリからは考えられないほどのことを俺は無意識のうちにしていたようだ。


そんなことを考えていると、

頭の中で聞き覚えのある声が流れてきた。

それを思い出すのにしばらく時間がかかった。


そんなことお構いなしに女神様は話し始めた。

「一つ言い忘れてたんだけど、クマムシ並みのスペックにした時に本来アリが持つ力が最大限まで引き上げられているみたい!オマケも上手く使ってね!またねー」

絶対”一つ”じゃないと思ったがそれは置いて

おこう。

やっと理解が追いついた。

だから、普通にしていたつもりがとてつもない力を発揮していたということか。

これは使える!

やっとアリ世界生活の中で希望を見いだせたきがした。

さっき声を掛けられたアリ達には、ありがとうございますとだけ言っておいた。


そのまま仕事は続いた。

ゴキブリを食料にすると考えると鳥肌が立って震え出すほど恐ろしいが、貴重なタンパク源だと言われれば分からないこともない。


俺は、素直に聞いた。

「あの、ゴキブリって美味しいんですか?」


他の兵士たちは、笑いながら

「じゃあ、お前はどうおもう?」

と曖昧に答えた。


その瞬間俺は、すべてを悟った。


一仕事終えてスッキリとしていた。

今日の仕事は、もう終わりのようだ。


もう空は赤く、染まっていた。


帰りは前の兵士たちに続いて、ゴキブリを持ちながら帰った。


本当なら今すぐ手を洗ってすべてきれいさっぱり流したいが、もう自分はアリなのだ。



ー翌朝ー

朝と言っても寝た訳じゃないのだが。


また、同じように忙しい朝が始まった。

人間と同じように忙しい朝が始まった。


今日は、狩りはないらしい。

昨日、沢山穫れたからだと言っていた。

当分あのゴキブリを食べることになるのだろうか。


しかし、今日は調子がいい。

水を操る能力をオマケとして、身体に宿した時からだろうか。

身体中を燃えるような何かが通っていた。


しばらく、立っているだけという最も楽で最も退屈な仕事をすることになった。


突然、空が暗くなり不吉な予感が身体中を稲妻のように走りきった。


そして、そこら中を見たことのないアリ達に囲まれていた。

明らかに仲間のアリではなかった。


ものすごい殺気は、もともとアリではないこの俺でも感じ取ることができる。


一部の臆病な兵士たちが逃げ出した。

それを見た、おそらく敵のアリ達は仲間の兵士たちに襲いかかった。


一方コロニーでは、さっき逃げ出したアリ達が中で逃げろ逃げろとわめいている。

まだこの時は、何故敵のアリ達が襲いかかってきたのかはわかっていなかった。

ただコロニーでは、ツチアリだ!と叫んでいる。


敵のアリの中には、女王と見られるアリもいる。

どうやらツチアリの女王達が攻めてきているようだ。


兵士アリ達は、その強靭な顎と針を使って応戦していた。

中には、殺されたアリや連れていかれているアリもいた。


俺は、その力を信じて闘い始めた。


こうして、俺のチート無双は始まった。


宜しくお願いします!

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