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アリの世界で女王ライフ  作者: 小田鶏助
俺、女王になる。
18/31

女王様と女王

更新遅れました。

すみません。

遂に女王様が旅立った。

それは普通コロニーの壊滅を表している。

しかし、俺はそうはさせない。俺はそのために生まれてきたと言っても過言ではない。


俺は再び女王の元へと向かった。

新たな女王が旅立ったということは、女王の死が近い事も表していた。

また、女王が死ねばアリ達は女王様と共に死ぬと言ってコロニーはそれこそ壊滅へと一直線である。


そんな結末は望んでいない。


アリに転生して、チートスキル貰ったと思ったら使い勝手悪くて、ゴキブリと戦って死にそうになって

やっと安定したと思ったら女王旅立って…女王死んで一人になるなんて御免だ。いくらアリだとしても楽しく生きていきたい。

たとえアリでも俺にはこの状況を変えられる自信がある。


いつものように女王の部屋に入ると、豪華絢爛の部屋のなかに泥でも被ったかの様な顔色で立っていた。その姿はとても窶れていて誰がどう見ようと彼女が死に際だということは一目見て分かるだろう。


「女王様!お身体の方は大丈夫でしょうか」


大丈夫ではない事は当然分かっていた。いわゆる決まり文句の様なものだ。


「心配ありがとう。もうすぐだね貴方に後は任せるわ…」


その声は細々と痩せ、言葉尻が消えかけていた。しかし、その言葉にはずっしりとした重みがあり、女王としての責任と引き際を分かっていた。


「はい、お任せ下さいませ。その事なのですが正式な式典を開いて私を女王としてお迎え頂ければ光栄です。そうすれば、アリの…」


と言いかけたが、それ以上の言葉は必要なかった。


「分かったわ。私ももう持たないから明日中に行うわ、私からもしっかりと皆に説明するわ。」


二人の間には不思議な感じが流れていた。暗黙の了解というものだろうか。


「ありがとうございます!早速式の手配をして参ります、では…」


女王は自分が、退く事を恐れていなかった。それよりも新しいアリ達が先頭を切って進んでいる事を喜び応援しようという気持ちの方が大きかった。

女王は彼女(おれ)を見ている時は、他のアリとは違いまるで昔の自分を見ているようで面白かったのだ。

女王はいつまで微笑んで見守っていた。


俺がこんな事をしようと考えたのは、女王の後を追ってアリ達が死んでいってしまうことと、新しい勢力が出来てコロニー内で争ったりコロニー内が荒れてしまう事を恐れたからである。

いわば日本の戦国時代の様なものである。女王への忠誠心が強くまとまりの強いアリでも女王が居なくなってしまってはもうそこは無法地帯へと早変わりしてしまう。もうそこでは何が起こるか分からない。俺は最悪の場合を考えるしかなかった。


俺はまず、五人への報告を行った。


特に問題なく会議は終わり、グレーテルさんが式の準備、ギハールさんが式の進行、リンダとケビンは式の周知係、

ケビンは何故だか緊張していた。性格から周知係なんてやってこなかったのだろう。

また、サントスがそれ以外の裏方の方へと回ってくれた。

五人も理由を長く説明すること無く式を行う事を了解してくれた。


式は明日だ人間だった時でもこんなに緊張した事はなかった。

何せ落ちこぼれのニートみたいな奴だったから必然だ。

緊張で眠れないとはこのことだろうか、まあアリだから眠気とかそういう問題は無く助かった。

後は、最近こっちの食事に慣れて来た。今のお気に入りはアブラムシの甘露である。とても甘くてハチミツのようだが少し違う。沢山食べすぎたゴキブリは俺の中で軽くトラウマである。

それでも、女王になったら行きらでも食べれると思うと頬が軽くなった。



式当日

室内で行うのにも関わらず青い空は一筋飛行機雲以外何もなく晴れ渡っていた。

その時も女王様はただただ微笑んでいた。

それも、幸せそうにして。



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